五木ひろしさんの新曲『VIVA・LA・VIDA~生きてるっていいね!~』って知っていますか?
ノリノリで、なかなかいい曲だと思っています。
「bibarabida」とはスペイン語で「人生万歳」ということだそうです。
でも、もともと五木ひろしさんは演歌が有名な歌手でしたよね。
五木ひろしさんの新曲で少し思ったのが、最近の演歌歌手における変化です。
今回は演歌や時代劇の流れからみる、時代の移り変わりについてお伝えします!
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演歌からみる時代の変化
五木ひろしさんの新曲もそうですが、大きく変わったのが、細川たかしさん。
細川たかしさんも少しバラエティなどにもフィールドを広げている印象です。
芸人・レーザーラモンRGと共演したのも記憶に新しいですよね。
細川たかしさんと杜このみさんデュエット北海道応援曲「新・応援歌、いきます」(リメイク)も、少しポップ調になっていますよね。
演歌歌手の方々は新しい方向性を見出そうとしているように感じます。
演歌歌手の新しい方向性と言えば、個人的には、坂本冬美さんが先駆けのような印象があります。
それがビリー・バンバンのカバー曲「また君に恋してる」ですね。
それまでは着物イメージの演歌歌手、坂本冬美が大きく変化した印象を持ったのを今でも覚えています。
石川さゆりさんや八代亜紀さんもロックとの融合を示しましたよね。
石川さゆりさんと椎名林檎さんとのコラボも衝撃的でした。
このような背景には、当然ですが、演歌離れという現象が背景にあると思います。
ニーズにマッチしなくなったものは淘汰されていく、現代の民主主義、市場主義において、当然と言えば、当然かもしれんません。
ただ、当事者には大きな苦悩と、大きなハードルがあることは間違いないでしょう。
世代交代という背景もあると思いますが、ある意味、グローバル化という流れも少し影響があるのかもしれません。
以前、元サッカー日本代表監督ジーコが、演歌が大嫌いだと公言していたのを思い出します。
いずれにしても、時代の流れは、ニーズや好みが移り変わる。
消費者、利用者のニーズが変われば、プレイヤーは変化せざるを得ないのかもしれません。
時代劇からみる時代の変化
時代の変化と言えば、時代劇もそうですよね。
2012年には「水戸黄門」が放送終了。
ある意味衝撃的でした。
でも、時代劇も全くなくなったわけではありません。
例えばですが、鬼平犯科帳がアニメ化したり、コメディな時代劇「超高速!参勤交代」などがつくられたりしていますし、いわゆる「新しい時代劇」として、変化存続している部分もあります。
三谷幸喜監督や松本人志監督などもコメディ時代劇を創ったりしていますよね。
アニメから派生したイケメン俳優が演じる「るろうに剣心」も人気を博しています。
時代が変われば、流行も変化する。
利用者、消費者も変化していきます。
聞く人、見る人が変化するならば、作る人も変化しなければならない、これは、ビジネスにおいて、当然の結果なのかもしれません。
このような意味では、演歌や時代劇も、時代に合わせて変化することは、生き残る上でも重要なものではないでしょうか。
俳句界の革命児・松尾芭蕉
不易流行という言葉はご存知でしょうか。
「不易と流行」とは、「変わるものと変らないもの」の意です。
辞書を引くと「いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものをも取り入れていくこと。また、新味を求めて変化を重ねていく流行性こそが不易の本質であること。」と書かれています。
「不易流行」とは俳聖・松尾芭蕉が「奥の細道」の旅の中で見出した蕉風俳諧の理念の一つだと言われています。
芭蕉の俳論をまとめた書物『去来抄』では、不易流行について、以下のように書かれています。(引用:日本俳句研究会 俳句の作り方)
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「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」(去来抄)
噛み砕いて言うと、「良い俳句が作りたかったら、まずは普遍的な俳句の基礎をちゃんと学ぼう。でも、時代の変化に沿った新しさも追い求めないと、陳腐でツマラナイ句しか作れなくなるので、気を付けよう」ということです。
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凄いですね、このような思想を持っている松尾芭蕉は、そもそも俳諧の世界の革命者だったとも言えそうです。
本質を捉え、守るべきものを理解したうえで、新しいものを追い求める。
道を究める人、つまりプロフェッショナルとは、「新しいことに挑戦し続ける人」なのかもしれません。
55年以上トップを維持している企業
そういえば、「のりたま」って知っていますか?
そうです、ふりかけです。
ふりかけ代名詞、丸美屋食品の「のりたま」について、以前ある記事を読んだことがあります。
「のりたま」の凄いところは、55年以上、1960年(昭和35年)誕生以来、ふりかけ市場で1位を獲得し続けていることです。
何と、今までに味の改定した回数は、8回!
時代に合わせ、消費者の味覚の変化に合わせて、味の改定を続けているそうです。
不動の「のりたま」人気の秘訣は、実はこの「時代に合わせた“おいしさ”」を常に追求し続けてきた成果だったようです。
すごいですね。
そういえば、亀田製菓の「ハッピーターン」も、今なお味を少しづつ変化させているそうです。
絶大な人気を維持するために必要なもの、それが「変化」なんですね。
現状維持=衰退の始まり
私個人はラーメンが大好きなのですが、よく行くラーメン店でも、味が落ちているなあと感じるお店があるものです。
皆さんも、そう感じたお店がありませんか。
もし本当に、そのお店が「変わらない味」を出し続けていれば、3年後、再訪したときは味が落ちたと感じるのかもしれません。
このような意味でも、「元祖」という看板を出しているお店が、必ずしも一番美味しいわけではないですよね。
よく、ビジネスの世界では「現状維持は衰退の始まり」と言われることが多々あります。
世の中は変化し続けています。
特に現在のように時代の移り変わりが早い「スピード社会」ではより一層、その傾向は強まっているのかもしれません。
現状維持では、世の中についていけなくなってしまう。
組織もそうですが、個人もそうです。
常に、学び、自ら進化し、成長し、一歩を踏み出す動きが重要ではないでしょうか。
変わってはならないものと、変わらなければならないもの
不易流行。
変わってはならないものと、変わらなければならないもの。
何が、変えてはならないもので、何が、変わるべきものなのでしょうか。
難しいですよね。
でも。
個人的には、こう解釈しています。
例えば、歌の流行は変わるけれど、いつの時代にも歌が、人々に楽しさや感動を伝えることに変わりはありません。
時代のファッションも変わるけど、洋服を着る人の喜びや嬉しさは、いつの時代も変わりません。
味も時代によって変わるけれど、食べる楽しさはいつの時代も変わらないのではないでしょうか。
つまり、不易とは、人の想いや信念といった、精神的なものではないか、と個人的には思っています。
もちろん、規則や決まり、枠組み・ルールなど変えてはならないとされるものもありますが、それすら超越するもの。
それが「不易」だと思っています。
もし、企業に例えるならば、それは「経営理念」のようなものではないでしょうか。
流行は「戦略」のようなものかもしれません。
不易流行。
変えてはならないものと変えるべきもの。
しっかりと見定めたいものですね。
変わらないもののために、変わり続ける
生き残る企業と倒産する企業。
成長する企業と衰退する企業。
その分岐点、それが「不易流行」なのではないでしょうか。
世の中のニーズが変わり続けるなら、会社組織も変わらなければなりません。
会社組織が変われば、個人も変わらなければなりません。
もし、組織が変わらなければ、個人の誰かが、決断し変える動きを取らなければ、会社自体の存続が危ぶまれます。
そもそも、私たちが存在する宇宙そのものも、始まりはビックバン。
ビックバン以来、宇宙は拡大し続けています。
地球もそう。
地球自体も自転、そして公転し続けています。
世の中の環境、存在、そのものが動き続けています。
自転・公転している地球において、私たちは決して、全く同じ場所にとどまることはできないのではないでしょうか。
変化し続けている世の中。
ダーウィンの進化論もそうですよね。
変化するものが生き残る種。
私たちのビジネス、会社組織、そして生活もそう。
私たちが日々年齢を重ねるに従って、新しいことへの第一歩は、まさに、「大事なもの」のための変化ではないでしょうか。
変化すること、新しい第一歩は、自らの成長、組織の成長、そして大事なものを守るという意味でも、大きな意味を持っているのかもしれません。
私たちも変わり続ける。
決して変えてはならないものを守るためにも。
最後に
名言を贈ります。
当社は90年の歴史と伝統を持つ会社ですが、逆にいえば過去を変えていくことに社内に多少の抵抗感があるのも事実です。そういう中で、不易流行の如く変えてはならないもの、そして時代に即して変えなくてはいけないものを峻別することが大切です。大切なものは守り伝え、時代に合わなくなったものは思い切って捨て、新しいものを取り入れていく経営が重要だと思っています。
里見多一/日本パーカライジング会長
ジャパネットの社長を退いて、もうすぐ3年。会社も大きく変わりましたよ。100年続く会社にしていこうとしたら、創業の精神だけでは、思い切った改革はできないでしょうから。不易流行の、不易――変えてはいけない「人の幸せに貢献する」という会社のミッション、使命さえ変えなければ、流行――時代に合わせてどんどん変えていけばいい。
高田明/ジャパネットたかた創業者
危機や様々な環境変化に対応するには、不易流行(ふえきりゅうこう)に尽きると思います。「不易」とは決して揺らがないもの。Jリーグ開幕直後は我々の予想を超える反響でしたが、3年を過ぎる頃から観客動員が減り始め、経営危機に瀕したクラブの合併問題なども起こりました。チーム数を減らしてはどうか。そんな話も出ましたが、私は断固反対しました。それは、不易、つまり「豊かなスポーツ文化の振興及び国民の心身の健全な発達への寄与」という理念に反するからです。Jリーグはただ存続すればいいというものではない。理念を忘れるなと繰り返しました。そしてその一方、サポーターや時代のニーズ、つまり「流行」をとらえて改善する視点もなくてはいけない。
川淵三郎/元Jリーグチェアマン