本当の「顧客第一主義」とは?~アマゾン快進撃~


世界一のお金持ちは誰かご存知でしょうか。

マイクロソフト創業者のビルゲイツも有名です。

世界的な投資家ウォーレン・バフェットも有名ですね。

でも、この2人を抜き去り、すでに世界一となった人物がいます。

今回は世界一の富豪となった人物、その事業、目指す方向性についてお伝えします!



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Contents

世界一の富豪とは?

世界で一番のお金持ちは誰か、知っていますか?

【フォーブス世界長者番付】

1位:ジェフ・ベゾス/1,118億ドル(米国/アマゾン・ドットコム)

2位:ビル・ゲイツ/897億ドル(米国/マイクロソフト)

3位:ウォーレン・バフェット/845億ドル(米国/バークシャー・ハサウェイ)

※出所:フォーブス世界長者番付
https://www.forbes.com/billionaires/list/#version:realtime

1位はジェフベゾス氏!

誰?という方もいるかもしれません。

多くの方は知っているかと思います。

あのアマゾン(Amazon)の創業者です。

世界的投資家ウォーレン・バフェットや、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツを抜き去っての1位です。

大躍進、アマゾン

ベゾス氏率いるアマゾンの時価総額でもすでに世界トップ3入りを果たしています。

アップルやグーグル、マイクロソフトに匹敵する、世界を代表する企業の一つとなっています。

時価総額ランキングでも、この3社の中ではアマゾンが伸び率はNo1。

株価は上場から約20年で500倍以上。

今の成長率を維持すれば、いずれ世界一となるでしょう。

売上高も飛躍的に伸び続けています。

2016年の年間(1~12月)の売上高は前年27%増の1,359億8,700万ドル(約15兆円)。

北米市場(特にアメリカ)での売上が約60%。

海外市場はイギリス、ドイツ、日本、フランス、中国、イタリア、スペイン、インド、メキシコ、ブラジル、オーストラリアの11か国に展開しています。

日本市場も席巻!

日本市場もご存知の通り、ものすごい勢いでEC市場を席巻しています。

アマゾン日本事業の2016年(2016年1~12月)における売上高(ドルベース)は107億9700万ドルで前期比30.6%増(2015年の日本事業売上高は82億6400万ドル。

2016年の年間平均為替レート(108円)で換算すると、日本事業の円ベースの売上高は前期比17.5%増の1兆1660億7600万円となります。

日本だけではありません。

今、世界中でアマゾンの存在感は増しています。

もともと、書籍のネット販売からスタートしたアマゾンは、現在、総取扱点数は2億種類以上に及んでいます。

取扱商品数、そして展開地域、いずれも圧倒的な勢いで世界を席巻していると言っても過言ではありません。

ジェフベゾス氏とは?

世界一の富豪、アマゾン創業者、ジェフベゾス(Jeff Bezos)。

少し経歴を見てみましょう。

ベゾス氏は1964年1月12日、米ニューメキシコ州アルバカーキ生まれ。

プリンストン大学でコンピューター科学と電気工学を学び、卒業後はウォール街の金融機関でエンジニアとして勤務。

1990年にデイビッド・ショー率いる投資管理会社に移籍し、コンピューターネットワークの開発責任者兼上級副社長に抜擢されます。

インターネットに可能性を感じ、1994年にシアトルでAmazonの前身となるCadabra.comを設立。

ベゾス氏は、ウォール街でも超有名な「天才的なエンジニア」でした。

ベゾス氏の真骨頂、長期視点

ベゾス氏の経営戦略は、圧倒的に長期的視点に立っています。

2年や3年で結果を出そうとはしていない、そう思います。

アマゾンは膨大に増え続ける売上、利益の大半を新規事業のための投資に回しています。

創業以来、アマゾンの利益は低水準。

これは、ベゾス氏が常に先を見据えて「次の一手」を打ち続けているからです。

新規事業への取り組む早さと、開発費の規模が圧倒的なアマゾン。

現在は、特に電子書籍事業(キンドル)、クラウドサービス、映像配信への投資に積極的です。

さらに、ドローンの積極活用、そして米高級スーパーマーケット大手「ホールフーズ・マーケット」を買収するなど生鮮分野にも展開しています。

アマゾン持つ最大の資産!

アマゾンと言えば、ネット通販ですが、それ以外の分野でも躍進している分野があります。

なかでも、法人向けのクラウド基盤サービス「Amazon Web Services」(AWS)はとびぬけています。

アマゾンが提供するクラウド上に安く、そして大量に預けられるいわばネット上の「巨大倉庫」。

そこではアマゾンのウェブサイトやデータ解析、ビジネスアプリケーション、さらにはAIといったITリソースが利用できます。

クラウド業界では、AWSが首位を独走、全体の約3分の1である40%以上のシェアを有しています。

2位のマイクロソフト、3位のグーグルの合計と比べても上回っている状況。

AWSは現在、190か国に展開され、アマゾンの経常利益の7割以上を稼ぎ出す「宝の山」となっています。

しかも、私個人としては、このクラウドサービスは今後、あらゆる分野での「キモ」を握っている、そう思っています。

なぜなら、AIやIoT、フィンテックなどの新技術において、もっとも重要なものが「ビッグデータ」。

あらゆる分野のビッグデータが、AIの「教師」として基礎を構築したり、IoTやフィンテックが意味を成すための「情報源」だからです。

アマゾンは、このビッグデータの重要性をはるか前から理解していた、そう思います。

圧倒的シェア1位のアマゾンクラウドサービス。

個人的にはアマゾンの最大の資産と考えています。

今後の革命的新技術の情報源は、アマゾンからもたらされる、という世界が成り立つのかもしれません。

倹約家、それとも・・・

一方、ベゾス氏は、無駄なお金を一切使わない大変な倹約家としても知られています。

アマゾンに入社した新人にはドア用の合板木材で作られた簡素なデスク。

特に食事やマッサージのような特典を無償提供しない、といった企業文化があります。

利益はすべて将来の新規事業に充てる、といった思想の持ち主です。

この考え方が、世界各地で度々批判されています。

世界各地に配置する配送センター。

ネット上で注文が入ると、棚から商品を取り出す作業(ピッキング作業)を実施します。

その配送センターでもアマゾンは最低限の設備を徹底しています。

窓も、エアコンも最低限。

従業員が相次いで熱中症で倒れた際にとったアマゾンの行動、それは民間救急車を常設するという対処法。

これも批判されてしまいます。

世界各地でストライキが発生しています。

他にも、癌から生還した従業員が治療後に低評価を受けた話、死産した母親が「パフォーマンス改善プラン」に入れられたという話が絶えません。

こういった批判が相次ぎ、アマゾンは改革も進めています。

それは、配送センターなどのインフラをできる限り自動化する、という方向です。

AIやロボットを可能な限り駆使し、効率的なインフラを構築しようと考えているようです。

これは一つの革命ともなりえます。

もし、仮に、人出最小限の自動化インフラの仕組みが実現できれば、倉庫業や運送業といった、巨大市場もアマゾンが席巻する可能性もあるのです。

強者ベゾス氏

天才エンジニア、世界一の富豪ベゾス氏。

ベゾス氏の経営戦略は、必ずしも穏やかな手法ばかりではありません。

強引な手法であるがゆえ、ベゾス氏がターゲットとした事業分野のライバル企業の株価が下がるという現象まで起きています。

アメリカ玩具小売大手のトイザらスは、EC事業に乗り遅れ、実際に破産しています。

勝ちか、負けか。

圧倒的な投資額に、あらゆる分野の経営者も目を見張っている、そういっても過言ではありません。

ベゾス氏の発言の中には「片方が常に勝つようにするのが交渉だ」とも言っています。

まさに弱肉強食、そのものを体現しているのかもしれません。

アマゾンジャパンの宅配スタイル

ご存知アマゾンジャパン。

アマゾンは日本国内でも圧倒的な強さを発揮し始めています。

ただ、日本でも度々物議を醸しだしています。

特に宅配業者との軋轢は、本国アメリカでも問題となりましたが、日本でも有名になりました。

2013年にはすでに佐川急便がアマゾンとの取引から撤退。

現在アマゾンの宅配のメインとなっているヤマト運輸も即日配達を拒否。

アマゾンは、今後中小企業の宅配業者を束ねる施策を進めています。

本当の「顧客第一主義」とは?

「顧客第一主義」を掲げるアマゾン。

消費者へ「安く」「早く」を徹底しています。

しかし、「安く」「早く」のみが、「顧客第一主義」とは限りません。

例えばですが、アマゾンからプレゼント用の品物を購入したとしたら、愛する人への贈り物を届けるのであれば、その想いを代行している、そんな可能性もあります。

人の想いを届ける贈り物。

効率だけではないものもあるかもしれません。

働く人々、取り巻く取引先、それぞれの地域への「思いやり」がすべて整ったとき、本当の「顧客第一主義」が実現するのではないでしょうか。

アマゾンの目指す方向性とは?

世界のeコマースの市場規模は2015年時点で約1.7兆ドル。

商取引全体の規模からすれば、まだ1割にも満たない数字です。

つまり、eコマースの世界には、まだまだ9割以上の壮大な伸びしろがあると言っても過言ではありません。

※出所:総務省「IoT時代におけるICT産業の構造分析とICTによる経済成長への多面的貢献の検証に関する調査研究」(平成28年)

この数値を見る限り、アマゾンは主力EC事業市場はまだ入り口に立ったばかりであり、なおかつ、倉庫業や運送業という壮大な市場の先駆者として世界を席巻する可能性を持っています。

さらには好調なクラウド事業もAIなど新技術の活用も未知数な成長市場にあります。

アマゾンの立ち位置はビジネス上、限りない可能性を秘めています。

すでに世界一の富豪となったベゾス氏は、勝ち続ける先に、何を目指しているのでしょうか。

アマゾンジャパンは「サザエさん」の新スポンサーに決定しました。

日本の多くの家庭に、笑顔を届けてほしい、そう願っています。

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