プレシジョン・システム・サイエンス株式会社創業者、田島秀二:PCR(遺伝子増幅器)のビジネスモデルができた背景とは?

プレシジョン・システム・サイエンス株式会社創業者、田島秀二:PCR(遺伝子増幅器)のビジネスモデルができた背景とは?

 

PCR(遺伝子増幅器)のビジネスモデルができた背景とは?

 

 

田島秀二/プレシジョン・システム・サイエンス株式会社

 

 

欧州のスウェーデン王立工科大学のマティアス・ウーレン教授がマグトレーションに関心を持ち、自分でもいろいろデータを取ってくれ、それがお墨付きになりました。
ノーベル賞の選考委員を務めた著名な先生なので、いろいろな人とつながりがある。
95年には米国の大学教授が、サンディエゴで開かれるラボオートメーションの展示会に招待してくれ、試作機を見てその日のうちに守秘義務契約を結び、97年には本格的なOEM契約を結びました。
その縁で、ちょうどPCR(遺伝子増幅器)を売り出そうとしていたロシュと話がつながり、プラスチック消耗品も併せて納入するビジネスモデルができた。
98年ごろです。

 

 

 

 

 

 

 

田島秀二(プレシジョン・システム・サイエンス創業者)とは?

 

 

 

田島秀二。

1948年生まれ、中央大学工業化学科卒業。

 

1976年4月アドバンテック東洋㈱入社。

1989年2月プレシジョン・システム・サイエンス(株)入社。

 

1989年4月取締役に就任。

1989年6月代表取締役社長に就任。

 

1996年1月㈲ユニテック代表取締役社長に就任。

2001年2月28日大阪証券取引所ナスダック・ジャパンに上場。

 

2001年4月千葉県松戸市に本社移転。

2001年7月PSS Bio Instruments, Inc.Precision System Science Europe GmbH取締役に就任。

 

2002年7月ユニバーサル・バイオ・リサーチ㈱代表取締役社長に就任。

2010年10月12日大阪証券取引所JASDAQ市場スタンダードに移行。

 

2012年6月Precision System Science Europe GmbH代表取締役社長に就任。

2013年7月16日大阪証券取引所・東京証券取引所の株式市場の統合により東京証券取引所JASDAQ市場スタンダードに移行。

 

2015年9月18日 – 東京証券取引所マザーズ市場に市場変更。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

田島秀二(プレシジョン・システム・サイエンス創業者)の「コトバ」

 

 

 

 

もともとは大学の応用化学を出て、理化学機材の会社に入りました。大学で機器分析をやった経験があったのです。親会社は東洋濾紙(現アドバンテックグループ)というフィルター会社です。研究所で理化学機材の開発、特に分離精製に関する研究にかかわっていました。顧客にはダイナボット(現在のアボットジャパン)やSRL(受託臨床検査首位、現みらかホールディングス傘下)などがありました。当時の分析機械は分離過程でフィルターが目詰まりを起こすなど、メンテナンスが大変でした。日本全国に顧客がいましたが人手は十分でなく、何とかしなければならない。そこで、目詰まりのないメンテナンスフリーの分離装置を作ろうと社内ベンチャーを立ち上げました。が、バイオベンチャーのご多分に漏れず、開発に時間がかかりすぎて継続が難しくなった。1985年のことです。自分で独立するつもりだったところ、友人が引き受けてくれ、側面支援することにしましたが、89年にはその友人に体調の問題が生じたため、後を引き継ぐことになりました。

 

 

 

 

 

 

 

アボットも小さな磁性粉でマイクロ制御する技術を研究しており、当社とはフィルターの共同研究もしていました。が、アボットでも最終的に磁性体に投資を集中することになりました。まともにぶつかればとても勝ち目はない。が、あちらは免疫反応系にターゲットを絞り、こちらはDNAの抽出を主眼としていたため、競合しなかったのは幸いでした。ただ、アボットが磁性体に研究を絞り込んだために、フィルターの共同研究は中止となり、当社は窮地に陥りました。アボットとの共同研究には大きな資金と人をかけており、借金を抱えて、もうこれまでかと思ったこともあります。しかし、マグトレーションを使うアイデアには自信があったので絶望はしませんでした。これを機にマグトレーションに研究資源を集中することができたともいえます。

 

 

 

 

 

 

 

 

エリテック向けの全自動遺伝子解析装置を、一部機能を変えて小型化し病院など臨床の現場へ直販したいと考えています。エリテック自身は大きな研究機関が主要な顧客ですから、バッティングすることはありません。もう一つの大きな変化は、試薬事業に参入したことです。14年6月には秋田県大館市に試薬専用工場を開設しました。

 

 

 

 

 

 

 

開業医が扱えるように、100万円を切るフル自動の検査装置を発売する。これによって医療現場も変わってくるはず。

 

 

 

 

 

 

ヨーロッパからスタートし、アジア、ワールドワイドに事業拡大して行く方針です。そのためには、臨床検査項目の品揃えと各国との臨床規格準拠が重要です。geneLEAD Ⅷは、そのいずれにも適合し易い技術、方法で将来の遺伝子検査の概念を変えていく可能性を持っています。バクテリア、ウイルス、感染症、ガン遺伝子変異、体質測定等の分野での活用をすすめて行きます。

 

 

 

 

 

 

新型コロナウイルスの検査で使ってもらうためには、保険適用が必要で認可をとらなければならない。全国で300拠点くらい使用できる場所が整えば、リアルタイムで患者さんのPCR検査ができるのではないかと考えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

世界各国が新型コロナウイルスと戦っています。フランスにおいて弊社と仏エリテック社が共同開発した全自動PCR検査システムと試薬キットがウイルス検出に大きな役割を果たしていることで駐日フランス大使よりお礼状を頂きました。

 

 

 

 

 

 

カートリッジを並べ検体をセットし、フタを閉めてスイッチを押せば作業が終わるところが評価されたと思う。

 

 

 

 

 

 

 

手作業だと6時間かかるけど、この装置だと2時間で終了する。試薬のデリケートなコントロールが必要で、それを手作業でしなくてすむので、PCRの解析データは非常に正確になる。サンプルを入れて、ふたを閉めるだけのことだから、感染のリスクは非常に減る。

 

 

 

 

 

 

日本の医療体制は整っているので、他に診断する手段があった。韓国では安くPCR検査ができるため普及した。PCR検査は普通の人にはできず、人材が不足している。これに対応するには自動化しかない。

 

 

 

 

 

 

 

自動化することで特別な技師さんでなくてもできますので病院で患者さんがいてちょっと容体がおかしいと。これはやっぱり今までと違う感染症の可能性があるというのをすぐ見られるような態勢をこういう装置と作れると思います。

 

 

 

 

 

 

 

検査に当たる医療従事者の負担を軽減するとともに、検査数を増やすことに貢献していきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

陽性者をきちっと選定できる体制を全国規模で作ることが大事。

 

 

 

 

 

 

 

研究者というより、エンジニア的発想から生まれた。

 

 

 

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