加藤ミリヤの「大切な」言葉たち~加藤ミリヤの名言・人生・生き方など~

加藤ミリヤの「大切な」言葉たち

茶髪は当時最も女の子に流行ってた髪型ですよね。でも私はあまり好きじゃなくて。17歳だったんですけど、学校のロッカーで「こんなのあたしじゃない」って泣いてました。そしたらECDさんの「ロンリーガール」を使わせてもらえることになって。あの曲に当時の私の怒りを全部ブチ込むことができたんです。そこから「自分がどう見られるか」より「何を見せたいか」って思うようになりました。なっがい爪をつけたり、美容院で金髪にしてもらったり(笑)。

実はデビュー当時は、”夜空”でBUDDHA BRANDさんの”人間発電所”をサンプリングさせていただいた影響もあり、ファンの大半はコワモテのBボーイだったんです(笑)。でもこれって大きくて。男性ファンが多いと「私は男に見られてる」って意識にどうしてもなっちゃうんですよ。でも同世代の女の子が聴いてくれてるなら、そこを気にしなくていい。だいぶの肩の荷が下りましたね。自由になれたと思う。アイドルじゃないから恋愛も自由だし。

10代の恋愛は相手が主体で、20代は自分が主体。10代はそもそも自分自身が完成していないから相手に染まりやすいし、時間もあるから恋愛だけに集中できるじゃないですか。でも、20代になったら、自分が一番大事だなって思うんですよね。10代の頃は自分を少し犠牲にしてでも相手のことを想いたいという美学があって、それはそれでいいけれど、やっぱりしんどい。そういう経験もしてきた上で20代になると、やっぱり自分を大切にできなければ全部が崩れちゃうことに気づいたりもして……まず、それをわかってくれる相手と恋愛がしたいなって思うようになりました。

その曲はめちゃくちゃポップで。私は全然好きじゃなかった。嫌だったけど、当時の担当に「私、この曲全然好きじゃないけど、売れるんですか?」って聞いたら「売れる」って断言されたので、その曲でやることにしたんですよ。しかも当時の私は曲が作れなかったし。でも全然売れなくて。そこで吹っ切れたんですよ。「私は大人の言いなりにならない」と決めたので、”ディア・ロンリーガール”はかなり好き勝手やりました。しかもそれが結果的にすごく売れたんです。ある意味ラッキーだったと思います。で、私は「私が良いと思うものが売れる」って思い込んじゃったんです。

あの頃は燃えてましたからね。悲しいかな、さすがにあのメラメラしてた頃には戻れない(笑)。私は自分より下の世代の子がすごく良い子に見えてたんですよ。やんちゃな子が少ないというか。バカな若者の最後の世代というか。そしたら最近YOSHIくんみたいな子が出てきて。彼には私が当時持っていたメラメラ感を感じる。なんかもうめちゃくちゃやってほしいです。

CDのあと、iTunesが出てきて、YouTubeの次はサブスク。確かにビジネスという面で音楽を取り巻く環境は大きく変化したけど、それ以上に人の心に何か訴えかけることって本当に難しい。毎回すごい計算してるし、失敗もするし。その意味で言うと、今はランキングというシステムが崩壊してると思う。アーティストからすると、何を以って人の心に届いたかを判断するツールすらない状況なんですね。極端な話「新曲を出すよ」って情報もコアファンにしか届かないし。そうなってくると、大多数の人に向けて、というよりコアファンのために音楽を作るようなマインドにはなってきてると思いますね。

ちょっと前までは、メジャーで活動する日本のアーティストの大原則として「売れなくてはいけない」という感覚が自分の中にはあった。売れるとはつまり、コアファンからさらに広い層に買ってもらうということ。そのために自分の音楽性をマイルドにしてた部分は確実にある。でもそういうのを何作か続けたけど、実売は全然変わんなかったんです。だったら好きなことやっちゃおう、と。無理したくなかったし。

外出自粛期間中にいろんなミュージシャンがSNSに音楽をアップしていて、「音楽ってやっぱり素晴らしいな」って思ったんです。普段めっちゃ忙しいウチのバンドメンバーもステイホームで時間ができたからということで演奏動画をアップしたり。そういうのが私のモチベーションにもなって、音楽を純粋に楽しむ、歌うことを純粋に楽しむっていうことを自分の作品でもやっていいのかなって思ったんです。

自分を目の当たりにして苦しいっていう感じなんです。自分がピュアじゃなかったら、もっと楽に生きれたかなと思う。でもそれは自分の性格だし、しょうがないなって苦しみながら、向き合いながら歌を書いてる。「私の名はイノセンス」なんてまさにそうですから。自分のことをもっともっとわかってきたっていうことなのかな。

世の中の人に自分たちのことを言われる筋合いはないし、自分も誰が何をしていようが気にならなくなってきて、自分の生活にもっと集中できるようになってきた。そのうえで自分の周りの人たちのことにもっと集中できるようになってくると、結果世の中がよくなっていくんじゃないかなって。

実は最近出産があったこともあり、あまり新しい音楽を聴いてないんですよ。でもよく聴いてるのは椎名林檎さん。林檎さんとはベスト盤仲間であり、同じジムに通ってる筋肉仲間でもあるんです。わたしがちょっと辛い時とか、林檎さんにメールするとめっちゃ励ましてくれます(笑)。

私の歌って、どの歌も基本的に「あなたのことが好き」しか言ってないんですよ。それをいかに違う言葉で表現するかってだけ。私は歌ってそういうものだと思ってる。「あなたと一緒にいられるのってホントに最高!」という気分をどう表現するか。あたしの細胞、遺伝子、血管、血液、命……みたいに想像して、最終的に「新しい遺伝子を作らない?アーイ」になったという(笑)。

自分と向き合う作業なんて、しんどいから避けがち。だから自分の弱点も意外と知らないままなんだなって思います。あとは、相手にされたくないことは自分もしないというのも大事。自分がしてほしいことは相手にもする、という考え方にしてますね。そうすると、相手が賢い人なら私のしてほしいことにもされたくないことにも気づいてくれるし、いちいち計算しないで相手と向き合えるようになるんです。

世の中には本当に嫌な人っているし、自分に攻撃する人もいるんです。そういう人がいることは頭ではわかっていたけど、今まではきっと本心からわかってなかったんですよね。でも最近は、一周してだんだん冷静になってきて「この人はこういう理由があってこうしたのかもしれない」とか許せるようになってきた。私は無宗教ですけど、子供の頃、聖書を読むのが好きだったんです。で、今聖書を読み返したりしてると「聖書に書いてあるようなことを歌ってるな」って思うんですよ。「人を許しなさい」とか、「求めるんじゃなくて与えなさい」みたいな。

音楽は音を楽しむと書く。それってこういうことだなって改めて感じました。長くやらせてもらっていると、純粋に音を楽しむことがなかなかできなくなってきちゃって。それってどうなんだ?って自分にも問いかけることができましたし。歌うことって、テレビの歌番組もプレッシャーの方が強いし、ライブも多くのスタッフさんが関わってるからプレッシャーの方が勝っちゃうことが多いんです。でも、歌うことはそもそも自分にとってすごく楽しいことじゃんっていう。そんな当たり前のことに今さらながら気付かせてもらえて本当にありがたかったです。

こういう時だからこそ、今まで当たり前にやっていたライブがどれだけ尊いものだったのか感じますね。今まで配信はやらせてもらったのですが、今日はみんなの姿や体温を感じながらできることが幸せです。

今回のツアーは母の結婚式がテーマなんです。自分が30歳を迎えるツアーということもあって、自分のルーツを考えたんですよ。二十代のときは母の結婚式に興味を持ったことなんてなかったのに、30歳を迎える今、「母ってどんな結婚式をしたんだろう?」とか「母の結婚式の写真を見たい」とか思うようになって。

例えば、私は「ウチのダンナが」っていう言い方がダメなんですよ。「え、主人じゃないの?」みたいな。「彼氏が」っていうのも嫌なんです。「彼氏」じゃなくて「彼」。“カレシ”っていうイントネーションからして嫌とか思っちゃう(笑)。女性が男性のことを「あんたさー!」なんて言ってるカップルもいるじゃないですか。別に人は人だからいいんですけど、私はそう言いたくはないし、古きよき時代の関係を理想としてるから、自然と歌詞にあるような見方になるんだと思います。

こうやって歌えてるということが特別なことで、今も歌えることが有難く思っています。自分の人生の半分“加藤ミリヤ”として生きさせてもらって本当に感謝しています。

これまで愛を歌ってきましたが、自分自身を愛すること、誇りに思うことを歌に込めて歌っていくことが私の存在意義。生きていれば苦しいことや辛いことがいっぱいあるけど、自分の人生だから自分らしく、自分の幸せをつかんでもらえるような歌をこれからも歌っていきたいと思います。

私はかなりポジティヴです。みんなが違う服を着てるのが当たり前になってくると思う。私は子供の頃から「私は周りの子となんか違うな」って思ってた。しかもそれは性差とかではなかったから、目に見えない分、複雑とというか自分自身も何がおかしいのかがよくわからなくて、結果それが生きづらさになったような気もします。でもそういう答えのない感覚があったからこそ、私は歌手になったんだと思う。そんな自分を受け入れてくれる場所だったんですよね。そういう意味では、最近の状況には驚いていますよ。「私と同じようなこと考えてる人がいるんだ!」って。みんなが同じものを好きとは限らないじゃんってことは、もっともっと広まってほしいですね。

加藤ミリヤとは?(人生・生き方・プロフィール・略歴など)

加藤ミリヤ。

1988年6月生まれ、愛知県豊田市出身。

家族構成は母、弟。

亡くなった父親は生前、宝石店を経営していた。

小学生の頃に安室奈美恵、ローリン・ヒルなどに憧れてシンガーを目指すようになる。

1998年、この年に新しい感覚を携えて次々とデビューした女性シンガーソングライターたちに刺激を受ける。

そして思春期のもやもやした気持ちを母親にも誰にも迷惑をかけずに発散するために、10歳の頃から作詞を始める。

2001年、中学生になると書き溜めた詞を携えて上京、ソニーミュージック・オーディションを受ける。

宇多田ヒカルの「Automatic」を歌い、13歳で合格。

14歳から曲作りを始め、ライバルたちより一歩先を行くために貪るように音楽を聞くようになる。

中学時代の3年間、週末になると名古屋から上京して歌のレッスンを受ける日々を送る。

2003年、デビューの前にReggae Disco Rockersのアルバムの中の1曲にゲストボーカルとして参加、CMに出演した。

翌年、童子-Tの『勝利の女神』にもフィーチャリングで参加する。

2004年9月、高校一年生の時にシングル「Never let go/夜空」でメジャーデビュー。

2005年4月、自身のコラムが原作の「ロンリーガール」のショートムービーを公開。9月、UAのヒット曲「情熱」をサンプリングした4thシングル「ジョウネツ」をリリース。10月、1stアルバム『Rose』をリリース。オリコン初登場2位を記録した。

2006年自身でデザインする洋服のファッションブランド「Kawi Jamele」(カウイ・ジャミール)をスタートさせた。

2008年11月、サンプリングベストアルバム『BEST DESTINY』をリリース。自身初のオリコン首位を獲得。

2009年7月、4thアルバム『Ring』をリリース。オリコン週間ランキングでTOP3内4週連続ランクインした。11月、初の日本武道館公演を果たした。

2010年7月28日、5thアルバム『HEAVEN』を発売。オリコン週間ランキングで前作を上回る自己最高記録を獲得した。

2011年8月3日、初のベストアルバム[5]『M BEST』を発売。8月8日、Billboard Live TOKYOにて「MTV Unplugged」に出演。9月、小説『生まれたままの私を』(幻冬舎)で小説家デビュー。

2012年4月、「2012年 ロンドンオリンピック」に関する様々な活動を展開するコカ・コーラに起用され、日本オリジナルのキャンペーンソング『HEART BEAT』を歌うことを発表。7月、オリンピック開催中のロンドンで、25人編成のダンスチーム“MY BEATS”とともにパフォーマンスを披露した。5月、Girls Award 2012 Spring/Summerにて新曲『AIAIAI』を披露。11月9日、幻冬舎より2作目となる小説『UGLY(アグリー)』を発売。11月21日、6thアルバム『TRUE LOVERS』を発売。

2013年2月から4月まで全国ツアー「TRUE LOVERS TOUR 2013」を開催。

2014年1月22日、生産限定盤両A面シングル「Love/Affection/神様」をリリース。CDには新作小説『神様』の一部が先行封入されている。その小説を基にした収録曲「神様」のミュージックビデオでは初めて監督に挑戦した。1月29日、小説家としての第3弾作品となる恋愛短編集『神様』を発売。彼女にとって初めての短編集である。7thアルバム『LOVELAND』を発売。5月21日、中島美嘉とのコラボ曲「Fighter(Tachytelic World Cup Brazil 2014 Remix)」がアジア代表ソングとして収められた2014 FIFAワールドカップ公式コンピレーション・アルバム『ワン・ラヴ、ワン・リズム 2014 FIFAワールドカップ・ブラジル大会公式アルバム』の日本国内盤がリリースされる。ワールドカップ開催中のブラジル・リオデジャネイロのコパカバーナビーチ特設会場で行われた「FIFA Fan Fest」に中島美嘉とともにアジア代表として出演して約10万人のサッカーファンの前で公式代表ソング「Fighter(Tachytelic World Cup Brazil 2014 Remix)」を披露。

2015年1月14日、26枚目のシングル「少年少女」をリリース。また当日の夜、LINEアプリ上で発売記念番組『ミリヤの部屋〜少年少女編〜』が生配信された。5月8日-10日 舞台『ASTERISK〜女神の光〜』のテーマソングに『女神の光』が決定。

2016年1月14日、アンダーアーマーを日本で展開する株式会社ドームの、女性のスポーツやトレーニングについて啓蒙啓発していくサポートパートナーに就任。3月2日、8thアルバム『LIBERTY』をリリース。

2019年4月4日、一般男性と結婚し、妊娠中であることを報告。6月12日、第1子男児出産を報告した。

2020年4月織田裕二主演の月9系ドラマ『SUITS / スーツ2』にゲスト出演。が初の女優デビューとなった。

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