ねこちゃんのかかりやすい病気をまとめてみた!~気を付ける猫の病気6選~
私達を毎日癒してくれる、かわいいネコちゃん。
でも、そんなニャンコが病気になったら、心配でたまりませんね。
今回は猫ちゃんがかかりやすい病気についてまとめてみました。
猫かかかりやすい病気(1)泌尿器の病気
猫はもともと砂漠に住んでいたため、水が少なくても生きていけるように、おしっこなど体内の水分を大切に使う生き物。
その体質から、膀胱炎を含む泌尿器系の病気によくかかります。
特に「膀胱炎」「尿石症」「腎不全」などが多くみられます。
膀胱炎の治療は水分補給が重要ですが、猫はあまり水を飲みたがらない生き物なので、点滴治療を行うこともあります。
軽度な膀胱炎の場合、尿検査や注射、内服薬の処方で済んだ例もありますが、重度な膀胱炎だと、何度も通院し、完治まで時間を要する分、多額の費用が必要になります。
膀胱炎(膀胱が炎症する)や尿石症(尿管に石が詰まる)にかかると、頻尿や血尿の症状が見られます。
また、慢性腎不全(腎臓の機能が落ちる)にかかると尿量が多くなります。
【チェック項目】
・オシッコは出ているか
・頻尿ではないか
・血尿が出ていないか
・オシッコの量が増えていないか
膀胱が炎症する「膀胱炎」や、尿に石が詰まる「尿石症」にかかると、オシッコが頻繁に出たり、オシッコに血が混じっていたりします。また、腎臓の機能が低下する慢性腎不全にかかると、オシッコの量も多くなります。
◇主な症状
血尿、頻尿(少しずつ頻繁に排尿)、失禁、決まった場所以外で排尿など。
オスの場合は尿道に結石などが詰まりやすく、尿が出にくくなると重症化することがよくあります。
オスの尿道閉塞は治療が遅れると尿毒症に進行して死に至ることもあるので注意が必要です。
異常に気づいたら一刻も早く獣医師の診察を受けて下さい。
また良くなっても再発することが多いので、食事療法や尿検査などの継続的な管理が必要になります。
猫がかかりやすい病気(2) 消化器系、ウィルスなどの病気
猫は感染、アレルギー、中毒、ストレスなどさまざまな原因で胃腸炎を起こし、嘔吐や下痢をします。
嘔吐・下痢が2~3日続いたり、食欲・元気がなくなったりしたら早めに受診してください。
【チェック項目】
・下痢をしていないか
・毎日、何度も吐いていないか
・食欲があるか
・元気があるか
「愛猫の様子がいつも通りか」を判断できるのは飼い主さんだけです。
日頃から、表情や食欲をよく観察することを習慣にしましょう。
また、ウンチ・オシッコは猫に多い病気の症状が現れやすいバロメーターです。
猫トイレの掃除の際に、毎回しっかり確認をする習慣をつくりましょう。
ウイルス、細菌などによる猫の感染症(伝染病)の場合、よく見られる代表的な病気はこちら。
①猫上部気道感染症
ウイルス、細菌、クラミジアなどによって起こる呼吸器疾患で、「猫カゼ」としてよく知られています。
保護された子猫などによく見られ、アレルギー性鼻炎と間違われることもあります。
◇主な症状
結膜炎による涙目、目ヤニ、まぶたの腫れ、鼻炎による鼻みず、くしゃみ、鼻づまりなど。
いったん症状が治まってもウイルスキャリアとして潜伏感染することが多く、のちに再発したり他の猫への感染源になることがあります。
ワクチン接種である程度発症を予防することができます。
②猫白血病ウイルス(FeLV)感染症
1~6歳の屋外飼育の猫に多く、猫同士のケンカ、毛づくろい、食器の共有などによって、感染猫の唾液や鼻汁などを介してうつります。
感染した猫の多くは免疫不全、リンパ腫、白血病など様々な病気を発症し、概ね4年以内に死亡します。
◇主な症状
発熱、免疫不全に関連した歯肉口内炎、貧血、リンパ腫、白血病など。
血液検査で感染の有無がわかりますが、1回の検査では持続感染かどうかがわからないので、感染が疑われる猫は再検査が必要になります。
ワクチンも利用できますが完全に防ぐことはできませんので、予防には、室内飼育と感染猫との隔離がもっとも重要と言えます。
③猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症
猫エイズとも呼ばれ、主に猫同士のケンカの際に、感染猫の唾液を介してうつります。
日本では、屋外に出る猫の15〜30%が感染していると推察されており、その感染率は、屋内飼育の猫に比べて20倍高く、オスはメスに比べて2倍以上高いことがわかっています。
◇主な症状
急性期:発熱、リンパ節腫大、下痢など無症候キャリア期:無症状持続性リンパ節腫大期:全身のリンパ節腫大エイズ関連症候群期:体重減少、歯肉口内炎、上部気道炎など
後天性免疫不全症候群期:体重減少、日和見感染、腫瘍、貧血など
血液検査で血中の抗体を調べることで感染がわかります。
検査結果が陽性の猫でも無症候キャリア期が数年以上続く場合もたくさんありますので、室内飼育を徹底してストレスのない管理につとめてください。
ワクチンもありますが、完全には予防できませんので室内飼育がもっとも有効な予防法と言えます。
④猫パルボウイルス感染症
猫伝染性腸炎、猫汎白血球減少症とも呼ばれる猫の代表的な感染症のひとつで、感染すると致死的な急性腸炎が起こります。
◇主な症状
下痢、嘔吐、食欲不振、発熱など。
以前は致死率の高い病気として広く知られていましたが、ワクチンの開発や飼育形態の改善に伴って最近ではほとんど見られなくなりました。
子猫のうちから適切な時期にワクチン接種を受けることをお勧めします。
猫がかかりやすい病気(3) 腎臓系の病気
腎臓は体内の老廃物の処理をしたり、水分調節、血液中の栄養保持など、大切な役割を果たしています。
「慢性腎不全」は高齢猫に多く見られる病気で、水をたくさん飲む、オシッコの量が増えたなどの症状がある場合は、すぐに病院で診てもらう必要があります。
機能が低下すると、「尿毒症」から吐き気や食欲不振、下痢などの症状が現れます。
悪化すれば脱水症状、硬直性けいれん、貧血のため生命を維持できなくなります。
一度失った腎臓の機能を回復することはできませんので、早期に発見し進行を抑えられるように、とくに高齢の猫ちゃんでは定期的に検診を受けましょう。
7歳以上から徐々に発病率が増加し、15歳以上の猫の30%以上が罹ると言われています。
◇主な症状
体重減少、多飲多尿、嘔吐、元気食欲の低下など。
気がつかないうちに少しずつ症状が進行するので、日頃から小さな変化を見落とさないように注意して下さい。
8歳を過ぎたら血液検査や尿検査を含む定期検診を受けることをお勧めします。
猫がかかりやすい病気(4) 甲状腺機能亢進症
甲状腺からは身体機能(代謝、体温、血圧、心拍数や消化機能の調節)に関するホルモンが分泌されます。
それが過剰に分泌されることにより発症する病気です。
高齢になるほど発症しやすい病気で、食欲があるのに痩せてくる、下痢や嘔吐、皮膚や被毛の状態の悪化、高齢なのに活発すぎるなどの症状が出ます。
定期健診を受けて、早期発見に努めましょう。
8歳以上の猫の3~5%が罹っていると言われています。
主に甲状腺の良性腫瘍が原因で起こります。
◇主な症状
体重減少、元気食欲の低下または増加、多飲多尿、嘔吐、下痢、活発な行動、興奮など。
甲状腺ホルモンは新陳代謝を上昇させるはたらきがあるので、高齢で痩せているにも関わらず食欲が増えたり行動が活発になったときは、甲状腺機能亢進症の疑いがもたれます。
飼い主が「年のわりに元気だ」と捉える症状が多く、発見が遅れやすい病気です。
治療せずにいると、新陳代謝が過剰に促され、体の負担が大きくなり、心臓病になることもあります。
血液検査でわかることが多いので、7~8歳を過ぎたら慢性腎臓病と合わせて定期検診を受けて下さい。
猫がかかりやすい病気(5)歯周病
成猫の60~80%は歯周病にかかるといわれています。
歯周病は口の中にいる細菌が、食べカスを栄養として増殖することが原因でおきる病気です。
細菌が歯の表面で増殖すると歯垢となり、歯垢が進み固まると歯石になります。
歯垢や歯石をたまったままにしておくと、「歯肉炎」や「歯槽膿漏」になることもあります。
進行すると抜歯も考えなければならなくなります。
また、猫には特有の口内炎がよく見られ、発病率はおよそ6~7%とされています。
口腔の奥の粘膜に潰瘍や増殖を伴う炎症病変が形成されます。
獣医師の診察を受け、必要があれば歯石除去をしてもらうことも大切です。
歯石除去には麻酔を使用しますので、高齢猫や肝臓や腎臓に障害のある場合は獣医師に相談しましょう。
子猫の時期からの習慣的なオーラルケアが大切です。
猫がかかりやすい病気(6)糖尿病
膵臓から分泌されるインスリンという血糖値を下げるホルモンの分泌が低下する「依存性糖尿病」と、インスリンは分泌されているけれども作用が阻害される「非依存性糖尿病」があります。
猫ちゃんの場合はインスリン投与の必要のない「非依存性糖尿病」が多く、食事療法で治ることも少なくありません。
◇主な症状
多飲・多尿、初期は多食、後期は食欲不振
飼い主が、最初に気付く症状として多飲多尿が挙げられます。
他にも、感染症にかかりやすくなり、他の病気で受診して獣医師が気付くことも多くあります。
予防のため、ストレスのない生活をさせ、肥満にさせないように注意しましょう。
糖尿病が続くと心臓病(心筋症)につながる恐れもあります。
現在では、発病しても獣医師の指示に従って管理をしっかりすれば、寿命を全うすることもよくあります。
なによりも早期発見が大切です。
食事のカロリー調整や運動管理をして、肥満を予防することが大切です。
まとめ
以上、ネコちゃんがかかりやすい病気をまとめてみました。
もちろん、今回ご紹介した以外の病気も多種多様に存在します。
子猫ちゃんでは細菌やウィルスなどの感染症がかかりやすくなっています。
高齢のネコちゃんは腎臓系の病気、甲状腺機能亢進症、歯周病や糖尿病などの発病が多くなります。
何といっても、ねこちゃんの日頃の様子の観察が一番大切です。
少しの変化にも気を配ることは重要かもしれません。
変化があった際は、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
いつまでも、元気なネコちゃんとの生活を楽しみたいですね。
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