【日本人は「狂ったアメリカ」を知らなすぎる!】ウクライナ戦争勃発の責任は米国にある?~現実味を帯びてきた、日本が米中「代理戦争」に利用される日~
■ミサイル発射機の車両も 陸上、石垣駐屯地へ搬入を開始 反対市民ら約50人が抗議
沖縄タイムス 2023年3月5日
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陸上自衛隊石垣駐屯地の開設を今月中旬に控え、陸自は5日午前、石垣港から車両の搬入作業を開始した。
前日までに島外から輸送し仮置きしていた車両を1台ずつ移動。
迷彩服にマスク、ヘルメットをした自衛隊員が運転して、約10㌔先にある市平得大俣の駐屯地まで運んだ。
ミサイル発射機を備えた車両も含まれ、計200台が搬入されたとみられる。
石垣港の出入り口には自衛隊配備に反対する市民ら約50人が抗議。
一部のメンバーが阻止行動に出たが警察によって強制排除された。
石垣駐屯地には警備部隊と地対空・地対艦ミサイル部隊の約570人が配備される。
16日に部隊が発足し、18~19日にミサイルを駐屯地へ搬入する計画。 (八重山支局・粟国祥輔)
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ミサイル発射機の車両も 陸上、石垣駐屯地へ搬入を開始 反対市民ら約50人が抗議
沖縄タイムス 2023年3月5日
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1114054
■「ミサイルよりピースパワーを」沖縄で県内配備への抗議集会 デモ行進も
琉球新報 2023年2月27日
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戦争に反対し、平和を訴える「島々を戦場にするな!沖縄を平和発信の場に!2・26緊急集会」(同集会実行委員会主催)が26日、沖縄県那覇市泉崎の県庁前県民広場で開かれた。
主催者発表で1600人が参加し、各地で活動する団体などが平和を求める願いで一致した。
国による県内へのミサイル配備などに抗議し、対話で平和を実現するよう求める集会宣言を採択した。
具志堅隆松実行委員長(沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表)はあいさつで沖縄戦を引き合いに、反対を訴えられる言論の自由がなかったことが戦争の要因と指摘。
「今はかろうじて(物が)言える。第二の沖縄戦を止めるため声を上げないといけない」と強調した。
集会は、各地の団体や住民らがリレートーク形式で現場の状況を報告。
自衛隊配備などが進む与那国島や石垣島、宮古島のほか、名護市辺野古の新基地建設に反対する団体、子どもたちの安全を求める団体などがマイクを握った。
さまざまな立場の人たちが平和への思いを共有した。
集会宣言は「ミリタリーパワーよりもピースパワーを広げていこう」などと求めた。
首相や全国知事会、全国市長会、全国町村会、衆参両院議長らに送る予定。
参加者は集会後、奥武山公園までデモ行進した。
集会前にはミニコンサートも開いた。山城博治運営委員長(ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会共同代表)によると今後、県民の会を設立し県民大会の開催も目指す。
準備委員会には現在、70以上の団体が参加しているという。(金良孝矢)
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「ミサイルよりピースパワーを」沖縄で県内配備への抗議集会 デモ行進も
琉球新報 2023年2月27日
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1668912.html
■「ウクライナ戦争勃発の責任は米国に」 シカゴ大学・ミアシャイマー教授の発言
長周新聞 2022年4月21日
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米国の国際政治学者でシカゴ大学教授のジョン・ミアシャイマー氏が、3月4日にYouTubeで公開した動画で「ウクライナ戦争勃発の第一の責任は米国にある」と発信している。
ミアシャイマー氏は動画で、NATOの東方拡大、米国による日本への原爆投下や空襲、キューバ危機などについて言及し、欧米側がエスカレートさせているロシアを追い詰める行動が核戦争の危機を引き寄せていることに警鐘を鳴らしている。
ミアシャイマー教授は動画内で、ウクライナ危機に関して「今回の危機の原因を明確にすることは責任の所在を明らかにする上で非常に重要」と強調している。
そして「西側諸国、特に米国がこの危機を引き起こした」という見解と「ロシアが危機を招いた」という見解が二分している現状にふれ、危機を引き起こした側がウクライナ危機に伴う大惨事の責任を負わなければならないと指摘した。
そのうえで「現在、米国や西側諸国はロシアに責任があり、とくにプーチンに責任があると主張しているが、私はこの主張をまったく信用していない。私は今日起きていることの第一の責任は西側にあると考えている」と明言。
「2006年4月、NATOがウクライナとジグルジア(ジョージア)をその一員とすると決定したことが主な原因だ。NATOは何があろうともウクライナをNATOに引き入れるつもりだった。しかし当時、ロシア側は、絶対に容認できないと反発した。当初はグルジアもウクライナもNATOの一員になるつもりはなかった。そんなことをすれば自国に極度の緊張をもたらすため、自身で一線を画していたからだ。だがグルジアがNATOに加盟するかどうかという問題が起こり、ロシアとグルジア間で戦争が起こった」「このとき西側には三つの戦略があった。核になったのは、ウクライナをNATOに統合することであり、他の二つの柱はウクライナをEUに統合するとともに、ウクライナを親西欧の自由民主主義国家にし、“オレンジ革命”を成就させることだった。これはすべて、ロシアとの国境に接するウクライナを親欧米の国にするための戦略だった。このときロシアは“こんなことはさせない”と明確に反論していた」と指摘した。
さらに「私が考えたいのは、2014年2月に“クリミア併合”という大きな危機が発生したことだ。昨年12月に再び大きな危機が発生し、今年の2月24日、ついにウクライナ戦争が始まった。この2014年2月には、陰で米国が支援する“マイダン革命”というクーデターが起き、ヤヌコヴィッチ大統領が倒され、親米派の大統領代行(トゥルチノフ)が後任となった。ロシアはこうしたなかでEU拡大について、西側やウクライナと激しく議論していた。この時期の背景には、常にNATOの東方拡大があった」と強調。
それがクリミア併合やウクライナ東部の内戦を発生させたことにもふれ、「この内戦が2014年以降、今日まで8年間も続いている。危機は2014年に爆発し、昨年半ばから再び過熱し始め、昨年末に2度目の大きな危機が訪れた。この危機を引き起こしたのは何か? 私の考えでは、ウクライナが事実上NATOの一員になりつつあったことが大きな要因だ」との見解を示した。
また、西側諸国の「ロシアはウクライナがNATOの一員になることを恐れることはなかった」という主張について「事実は違う」と反論。
「米国がおこなったことは、ウクライナ人を武装させることだ。2017年12月、トランプ大統領はウクライナ人の武装化を決定した。米国はウクライナ人を武装させ、ウクライナ人を訓練し、ウクライナ人とこれまで以上に緊密な外交関係を結んでいた。このことがロシアを刺激した。昨年夏にはウクライナ軍がドンバス地域の親ロシア派住民に対して無人爆撃機を使用した。昨夏にイギリスが黒海のロシア領海を駆逐艦で通過したときも、ロシア沿岸から約20㌔㍍以内の地域を爆撃機で飛行し、ロシアを挑発した」「ロシアのラヴロフ外相は今年1月、“なぜロシアがこのような状況になったのか”と問われ、“NATOの東方拡大やウクライナに関連する一連の軍事的挑発でロシアへの脅威が沸点に達した”と答えた。その結果、2月24日にロシアがウクライナに侵攻した」とのべている。
加えて、米政府要人などによる「(ロシアの侵攻と)NATOの東方拡大とは関係ない」という主張についても「ロシアの側は2008年4月以来、“NATOは東方拡大こそが目的であり、NATOのウクライナへの進出はロシアにとっての存亡の危機だ”と指摘し続けているのに、どうしてそんなことがいえるのか。まったく理解不能だ」と批判している。
西側諸国が「ウクライナはロシアをうち負かす」と色めき立っていることについて、「これは、2008年の南オセチア紛争や2014年に月のクリミア紛争よりもずっと悪い結果をもたらすことを認識すべきだ」と指摘した。
そして「太平洋戦争の末期、米国が何をしたかわかるだろうか? 終戦間近の1945年3月10日から、アメリカは日本各地の大都市の無辜の市民に、次々に無差別空襲爆撃をおこなった。その後、東京に最初に特殊爆弾(焼夷弾)を投下し、一夜にして広島や長崎の犠牲者よりもっと多くの一般市民を焼き殺したのだ。実に計画的かつ意図的に、アメリカは日本の大都市を空襲で焼き払ったのだ。なぜか? 大国日本が脅威を感じているときに、日本の主要な島々に直接軍事侵攻したくなかったからだ」「かつてのキューバ・ミサイル危機を思い出してほしい。キューバ危機で起こったことは、今回の状況ほど米国を脅かすものではなかったと思う。だが米国政府がどう考えていたか? 当時を振り返って見てほしい。米国は極度に脅威を感じていた。キューバにソ連のミサイルが配置されることは米国存亡の危機であるとみなし、ケネディの顧問の多くはソ連に対して本当に核兵器を使用することを計画していた」と強調。そのうえで「大国が存亡の危機に直面すると、これほどまでに真剣になる。だからこそ世界は今、極限的に危険な状況にある。核戦争の可能性は非常に低いと思われるものの、核兵器使用の可能性を完全に排除できない今、その結果を想像すると私は本当に怖ろしいと感じる。したがって米国も西側もロシアを追い込む行動には、細心の注意と自制心を払うことが最も重要だ」とのべている。
そして「ここで起こったことは、米国がウクライナを花で飾られた棺へとを誘導していった結果だ。米国はウクライナがNATOの一員になることを強く勧め、ウクライナ人をNATOの一員にするよう懸命に働きかけた。ロシアが“それは受け入れられない”とはっきりいったにもかかわらず、米国はウクライナをロシア国境の西の防波堤にしようと懸命に働きかけた」「米国は棒で熊の目を突いたのだ。当然のことながら、そんなことをすれば熊は反撃に出る。ここで起きている米国とロシアの対立は、まさにそういうものだ」と指摘している。
ミアシャイマー教授は最後に「今回のもっとも重要な問いかけに戻ろう。一体誰が、今回のウクライナ戦争の責任を負うのだろうか? ロシアが責任を負うのか? 私はそうは思わない。もちろん私はロシアの行為をたいした問題ではないなどと軽んじるつもりはまったくない。だが、誰が責任を負うべきか? という問いについての答えは、非常に簡単だ。それは米国だ」と結論づけている。
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「ウクライナ戦争勃発の責任は米国に」 シカゴ大学・ミアシャイマー教授の発言
長周新聞 2022年4月21日
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/23354
■日本人は「狂ったアメリカ」を知らなすぎる
「ディズニー、トランプ、GAFA」に熱狂するDNA
東洋経済 2019/01/18 塩野誠
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・現代アメリカを語る必読書
「アメリカ人の3分の2は『天使や悪魔がこの世界で活躍している』と信じている」
冒頭から、こんないぶかしい言葉が本書には並ぶ。
『ファンタジーランド:狂気と幻想のアメリカ500年史』
本書は、これまでにない視点で歴史をひもとき、現在のアメリカを語る試みである。
アメリカを語る者や研究者の必読書となる可能性のある大作だ。
日本人はアメリカが好きである。
正確に言えば、日本人がアメリカについて語る機会は、他国について語るよりも圧倒的に多い。
日本とアメリカがかつては戦争で対峙し、現在は同盟関係にあるという歴史的経緯に加え、高度成長期の政治・経済においてもかの国から多大な影響を受けたことは言うに及ばない。
加えて日本人は彼らのライフスタイルやポップカルチャーからも多大な影響を受け、それを語る。
その昔、日本の若者がアメリカにあると信じていたファッションやライフスタイルは、「UCLAの学生の着ている服は」「古きよきアメリカは」といった断片的な記号で語られた。
ディズニーランドは、聖地のような扱いを受けている。
少し前のビジネスシーンでは、「ニューヨークの投資銀行では」「ウォールストリートでは」「シリコンバレーでは」と、日本人は「アメリカでは」という想像によるイメージを繰り返し語ってきた。
むろん日本人は、「アメリカ」という言葉がさまざまなものを包含した雑な入れ物であることに気づいている。
サンフランシスコとデトロイトは異なり、中西部の名も知れぬ街とニューヨークでは国さえも違うかのようである。
2018年に出演俳優らがアカデミー賞を受賞した問題作『スリー・ビルボード』を見た私たちは、同作の舞台となった閉塞感ある片田舎とニューヨークが異なることを知っている。
・不可解なアメリカの起源とは
アメリカを語る日本人は、トランプ大統領の登場以降、説明のつかない不可解なアメリカに対してもやもやとした感情を抱いているのではないか。
特に「アメリカは」の後に「合理的」とか「ロジカル」と続ける人々にすればそうだろう。
メディアの報道を「フェイクニュース」と切って捨てる大統領の登場と、それに熱狂する支持者たちは、彼らにとって理解しがたい存在に映っている。
そしてニューヨークやボストン以外にもたくさんの「アメリカ人」が住んでいることに気づき、ラストベルト(中西部などのさびれた旧工業地帯)のトランプ支持層について納得しようとする。
しかし本当のところ、現在のアメリカを形づくっているものはいったい何なのか??本書はそこを掘り下げる。
『狂気と幻想のアメリカ500年史』とタイトルにあるように、幻想によって創られた「ファンタジーランド」としてのアメリカを膨大な資料を基にひもといていく。
アメリカは1776年に独立宣言を採択した国であり、500年の歴史を持つとはもちろん言えない。
本書では、イングランドで初めてのプロテスタントの君主だったエリザベス女王、その後を継ぎ聖書の公式英語訳を命じたジェームス1世(1566年生)が与えたアメリカでの植民地建設の勅許の中に、その起源を見る。
この勅許の中に福音伝道の使命が含まれており、著者が「常軌を逸したカルト教団」と表現しているピューリタン急進派が、アメリカ建国の「ピルグリム・ファーザーズ」になったとするのだ。
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日本人は「狂ったアメリカ」を知らなすぎる
「ディズニー、トランプ、GAFA」に熱狂するDNA
東洋経済 2019/01/18 塩野誠
https://toyokeizai.net/articles/-/260849
■じつは「日本」は「完全な属国」だった…日本が米国と交わした「ヤバすぎる3つの密約」
週刊現代 2023.03.02
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「戦後日本」という国が持つ大きな歪みの根底には、日米のあいだで結ばれた「法的な関係」が存在する。
しかしその姿が、日本人にはまったく見えていない。
最大の問題は、そもそも一九五二年に日本の占領を終わらせた「サンフランシスコ平和条約」が、じつは普通の平和条約ではなかったことだ。
たしかにそれは、「政治」と「経済」においては占領状態を終わらせた「寛大な」条約だったが、逆に「軍事」に関しては、安保条約と連動するかたちで日本の占領を法的に継続し、固定するためのものだった。
その結果、「戦後日本」という国は二一世紀になってもなお、
「軍事面での占領状態がつづく半分主権国家」であり続けている──。
多くの著者のみなさんとの共同研究により、そのことはほぼ証明できたと思っています。
これまで精神面から語られることの多かった「対米従属」の問題を、軍事面での法的な構造から、論理的に説明できるようにもなりました。
けれども最後までどうしてもわからなかったのは、「なぜ日本だけが、そこまでひどい状態になってしまったのか」ということでした。
「戦争で負けたから」という答えは明らかな間違いです。
世界中に戦争で負けた国はたくさんある。
けれども現在の日本ほど、二一世紀の地球上で、他国と屈辱的な従属関係を結んでいる国はどこにも存在しないからです。
そのことは第三章で紹介した、イラクが敗戦後にアメリカと結んだ地位協定の条文を読めば、誰にでもすぐにわかってもらえるはずです。
・「密約の歴史について書いてくれ」
その点について、ずっとモヤモヤしたものが残っていました。
もうひとつウラの構造があることはたしかなのですが、それが何かが、よくわからなかったのです。
そんなある日、「密約の歴史について書いてくれませんか」という出版社からのオファーがあったので、よろこんで引き受けることにしました。
以前からずっと、調べてみたいと思っていたことがあったからです。
じつは戦後の日本とアメリカのあいだには、第五章で書いた、「裁判権密約」「基地権密約」のほかに、もうひとつ重要な密約のあることが、わかっていたのです。
それが、「指揮権密約」です。
その問題について一度歴史をさかのぼって、きちんと調べてみたいと思っていたのです。
指揮権密約とは、一言でいってしまえば、「戦争になったら、自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う」という密約のことです。
「バカなことをいうな。そんなものが、あるはずないだろう」とお怒りの方も、いらっしゃるかもしれません。
しかし日米両国の間に「指揮権密約」が存在するということは、すでに三六年前に明らかになっているのです。
その事実を裏付けるアメリカの公文書を発見したのは、現在、獨協大学名誉教授の古関彰一氏で、一九八一年に雑誌『朝日ジャーナル』で発表されました。
それによれば、占領終結直後の一九五二年七月二三日と、一九五四年二月八日の二度、当時の吉田茂首相が米軍の司令官と、口頭でその密約を結んでいたのです。
・「指揮権密約」の成立
次ページに載せたのは、その一度目の口頭密約を結んだマーク・クラーク大将が、本国の統合参謀本部へ送った機密報告書です。
前置きはいっさいなしで、いきなり本題の報告に入っています。
「私は七月二三日の夕方、吉田氏、岡崎氏〔外務大臣〕、マーフィー駐日大使と自宅で夕食をともにしたあと、会談をした」
まずこの報告書を読んで何より驚かされるのは、米軍の司令官が日本の首相や外務大臣を自宅に呼びつけて、そこで非常に重要な会談をしていたという点です。
占領はもう終わっているのに、ですよ。
これこそまさに、独立後も軍事面での占領体制が継続していたことの証明といえるようなシーンです。
しかも、そこに顔を揃えたのは、日本側が首相と外務大臣、アメリカ側が米軍司令官と駐日大使。
まるで日米合同委員会の「超ハイレベル・バージョン」とでもいうべき肩書きの人たちなのです。
「私は、わが国の政府が有事〔=戦争や武力衝突〕の際の軍隊の投入にあたり、指揮権の関係について、日本政府とのあいだに明確な了解が不可欠であると考えている理由を、かなり詳しく説明した」
つまり、この会談でクラークは、「戦争になったら日本の軍隊(当時は警察予備隊)は米軍の指揮下に入って戦うことを、はっきり了承してほしい」と吉田に申し入れているのです。
そのことは、次の吉田の答えを見ても明らかです。
「吉田氏はすぐに、有事の際に単一の司令官は不可欠であり、現状ではその司令官は合衆国によって任命されるべきであるということに同意した。同氏は続けて、この合意は日本国民に与える政治的衝撃を考えると、当分のあいだ秘密にされるべきであるとの考えを示し、マーフィー〔駐日大使〕と私はその意見に同意した」
戦争になったら、誰かが最高司令官になるのは当然だから、現状ではその人物が米軍司令官であることに異論はない。
そういう表現で、吉田は日本の軍隊に対する米軍の指揮権を認めたわけです。
こうして独立から三ヵ月後の一九五二年七月二三日、口頭での「指揮権密約」が成立することになりました。
・徹底的に隠された取り決め
ここで記憶にとどめておいていただきたいのは、吉田もクラークもマーフィーも、この密約は、「日本国民に与える政治的衝撃を考えると、当分のあいだ秘密にされるべきである」という意見で一致していたということです。
結局その後も国民にはまったく知らされないまま、これまで六〇年以上経ってしまったわけですが、考えてみるとそれも当然です。
外国軍への基地の提供については、同じく国家の独立を危うくするものではありますが、まだ弁解の余地がある。
基地を提供し駐留経費まで日本が支払ったとしても、それで国が守れるなら安いものじゃないか──。
要するに、それはお金の問題だといって、ごまかすことができるからです。
しかし、軍隊の指揮権をあらかじめ他国が持っているとなると、これはなんの言い訳もできない完全な「属国」ですので、絶対に公表できない。
そもそも日本はわずか五年前(一九四七年)にできた憲法9条で、「戦争」も「軍隊」もはっきりと放棄していたわけですから、米軍のもとで軍事行動を行うことなど、公に約束できるはずがないのです。
ですから、一九五一年一月から始まった日本の独立へ向けての日米交渉のなかでも、この軍隊の指揮権の問題だけは、徹底的に闇のなかに隠されていきました。
この「戦時に米軍司令官が日本軍を指揮する権利」というのは、アメリカ側が同年二月二日、最初に出してきた旧安保条約の草案にすでに条文として書かれていたもので、その後もずっと交渉のなかで要求し続けていたものでした。
しかし、日本国民の目にみえるかたちで正式に条文化することはついにできず、結局独立後にこうして密約を結ぶことになったのです。
その後アメリカは、占領中の日本につくらせた「警察予備隊」を、この指揮権密約にもとづいて三ヵ月後、「保安隊」に格上げさせ(一九五二年一〇月一五日)、さらにその二年後には二度目の口頭密約(一九五四年二月八日:吉田首相とジョン・ハル大将による)を結び、それにもとづいて「保安隊」を「自衛隊」に格上げさせ(同年七月一日)、日本の再軍備を着々と進めていきました。
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じつは「日本」は「完全な属国」だった…日本が米国と交わした「ヤバすぎる3つの密約」
週刊現代 2023.03.02
https://gendai.media/articles/-/105793
■米軍、アジアに対中ミサイル網 6年で2.9兆円要望
日本経済新聞 2021年3月5日
■台湾有事なら日本が最前線に? 米台「同盟」に巻き込まれる恐れ 一触即発の米中
東京新聞 2021年12月27日
■台湾有事は「対岸の火事」ではない 日本がアメリカに求められる「責任の分担」
GLOBE+(朝日新聞) 2021.04.14
■「覚悟なき台湾有事支援」で日本が直面するとんでもない事態
米国追従の親台・反中ポーズは危険
JBpress 2021.11.11
■「台湾有事は日本有事」の思い込みは危うい~米中パワーゲームの駒になるな
日中国交正常化50周年の日本に必要なのは現実的で冷静な対中戦略だ
論座(朝日新聞) 2022年09月23日 藤原秀人
■防衛費大幅増など手土産喜ぶアメリカ、戦争に巻き込まれる懸念が現実味の日本 ワシントンで首脳会談
東京新聞 2023年1月15日
■安倍がつき菅がこねし「戦争餅」を何も考えずに食うがごとき態度
日刊ゲンダイ:2023/01/24
■米中衝突、戦場になるのは日本 布施祐仁氏「米国の戦略、覇権のための『防衛力強化』」
市民アクション・京都緊急学習会 2023年1月21日
■なぜ今「台湾有事」が煽られるのか―作られる危機と加速する戦争シナリオ
長周新聞 2022年10月10日
■現実味を帯びてきた、日本が米中「代理戦争」に利用される日
まぐまぐニュース 2016.04.21
■「台湾有事の時、メインで戦うのは日本」アーミテージ発言で露見した米国の“本当の計画”
TOCANA 2022.07.05
■武力で平和はつくれるの? 元米兵・元自衛官が語る戦争のリアル
長周新聞 2017年12月8日
■そして、メディアは日本を戦争に導いた
週刊朝日 2013年12月13日号 斎藤美奈
■教育、言論、テロの順で社会はおかしくなる――昭和史の教訓を今こそ
『そして、メディアは日本を戦争に導いた』半藤 一利 保阪 正康
文春文庫 2021.07.28
■憲法よりも国会よりも強い、日米「秘密会議」の危ない実態~これが日本の現実だった~
「自衛隊基地が米軍のものになる」
「すべての自衛隊基地を米軍と自衛隊が一緒に使って、米軍の指揮の下で共同演習をやる」
週刊現代(講談社)2017.10.24(田原総一朗×矢部宏治)
■「日本はまだ米軍の占領下」は真実だった
「私はずっと自衛隊は日本を防衛するための組織だと思ってきたのだが、そうではない。自衛隊は、米軍支援のための部隊だったのだ」
日刊ゲンダイ(講談社)2016/07/1
■なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?
・知ってはいけないウラの掟
「日本の空は、すべてアメリカに支配されている」
「自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う」
週刊現代(講談社)2017.08.05
■集団的自衛権、黒幕の米国が考えていること
日米安保体制はますます米国の思うまま
東洋経済オンライン 2014/07/01 高橋 浩祐
■米軍幹部と日本の官僚が進路決める「日米合同委員会」の存在
SAPIO 2015.03.16 NEWSポストセブン
■“米国追従の対中包囲は自滅の道” れいわ新選組・山本太郎の訴え 戦争経済で肥大化する軍産複合体 アジアを戦場にさせぬ外交を
長周新聞 2023年3月2日
■『日米合同委員会』/ 元自衛官 竹原信一氏
ニコニコ動画
■【日米合同委員会の深い闇】西部邁
2019/06/10 TOKYO MXテレビ 西部ゼミナール
■日本は今でも敗戦国扱い!?日本人が知らない国連の闇「敵国条項」とは
YouTube
■軍備増強で誰が得するん?ホンマにヤバい事なるで!
YouTube 2023/03/06
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