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【本日のニュース・記事】
■「コロナ経済対策」を誤れば、日本の“後進国”化がほぼ確定する件について
消費増税の「デフレ効果」は、リーマン・ショックを超える
ダイヤモンドオンライン 2020.4.7
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日本が負け続けている理由は明らかで、財政支出を抑制しているからなんです。
アメリカや中国に負けている理由をほかにいろいろ探してもしょうがないんです。
ちなみに、1995年には日本のGDPは世界全体のGDPの17.5%でしたが、2015年には5.9%まで減っています。
このままいけば、日本は先進国から後進国へ転落するということです。
新型コロナウイルスがもたらす巨大な経済的打撃への対応を誤れば、後進国化は確定すると言っても過言ではないでしょう。
――かなり、ショッキングなデータですね……。しかし、アベノミクスでは金融緩和が第一の矢で、第二の矢で機動的な財政政策をすると言っていたのでは?
中野 そうなんですが、実際には、第2次安倍政権下の公共事業関係費は、「コンクリートから人へ」というスローガンを掲げて大幅に公共事業を削った民主党政権の時とたいして変わりません。
当初予算で見ると、鳩山民主党政権下の公共事業関係費の当初予算(2010年)よりも、むしろ低いくらいです。
1990年代から進められている緊縮財政になんら変化はないということになります。
そして、図5のとおり、先進各国のなかで日本だけが公共事業を大きく削減しているわけです。
日本だけがデフレなのに、こんなことをやっていたら、“後進国化”するのも当然ですよね。
消費増税の「デフレ効果」は、リーマン・ショックを超える
中野 しかも、日本は、財政支出を抑制し続けたうえに、「財政赤字をこれ以上、増やすべきではない。政府の借金の返済の財源を確保するために、消費税の増税が不可欠だ」などという通説のもと、この約20年の間に1997年、2014年、2019年と3度も消費税を上げたんです。
その結果がこれです。
日本は、1990年代初頭にバブル崩壊があって、資産価値が半分になるという激しいショックが起きたので、当然、物価がドーンと下がって、そのままデフレに突入するというタイミングの1997年に消費増税を行いました。
その結果、ご覧のとおり、98年から消費支出がドーンと下がって、見事にデフレに突入したわけです。
その後、時間はかかりましたが、徐々に消費が復活していきましたが、ようやくデフレから抜け出せるかなというタイミングだった2014年に、再び消費増税をしたので、再び消費支出がドーンと落ちた、と。
1997年と2014年の消費増税による消費抑制効果というのは、「100年に一度の危機」と言われたリーマン・ショック、「1000年に一度の大震災」と言われた東日本大震災と同じくらいの効果をもっていることがわかります。
しかも、リーマン・ショックや東日本大震災よりも、消費増税のときのほうが、消費支出の回復に時間がかかっていることが見て取れます。
つまり、消費増税は、リーマン・ショックや東日本大震災よりも強大な消費抑制効果を誇ると言えるわけです。
2019年の消費増税の影響は、データが出始めています。
2019年10月~12月期で、実質GDPは年率換算で7.1%減と大幅に低下。
まだその全貌は見えていませんが、結果は火を見るよりも明らかでしょう。
――デフレが悪化すると?
中野 当然ですよ。日本全体の総需要に民間消費が占める割合は約6割に上り、民間消費こそが日本経済の最大のエンジンなわけです。
消費税によって、そこにブレーキがかかるのですから、需要が抑制され、さらにデフレが促進するのは当然のことです。
しかも、2020年に入ってから、新型コロナウイルスの問題が起きて、さらなる景気悪化が不可避の状況です。
「令和恐慌」が起きても、何もおかしくない状況です。
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「コロナ経済対策」を誤れば、日本の“後進国”化がほぼ確定する件について
消費増税の「デフレ効果」は、リーマン・ショックを超える
ダイヤモンドオンライン 2020.4.7
https://diamond.jp/articles/-/230846?page=4
本日は2つの記事をご紹介いたします。
2つ目の記事はこちらです。
■「日本経済は消費税10%で完全に終わります」ノーベル賞経済学者クルーグマン
~とんでもない愚策~
ポール・クルーグマン(ノーベル賞経済学者、米プリンストン大学教授)
週刊現代(講談社)2014.9.16
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とんでもない愚策
私はこれまで安倍晋三政権によるアベノミクスを支持してきました。
金融と財政の両面から経済を刺激するというアベノミクスの戦略は、これまでどこの先進国も実行したことがない「経済実験」でした。
これを批判的に見る専門家もたくさんいましたが、私は必ず奏功すると主張してきました。
実際、アベノミクスが実行に移されてから、株価も上昇し、景気も回復基調に入ろうとしていました。
しかし、私はここへきて、安倍政権の経済政策に懐疑心を持ち始めています。
というのも、安倍政権はこの4月に消費税を5%から8%に増税し、さらに来年にはこれを10%に増税することすら示唆しているからです。
消費増税は、日本経済にとっていま最もやってはいけない政策です。
今年4月の増税が決定するまで、私は日本経済は多くのことがうまくいっていると楽観的に見てきましたが、状況が完全に変わってしまったのです。
すでに消費増税という「自己破壊的な政策」を実行に移したことで、日本経済は勢いを失い始めています。
このままいけば、最悪の場合、日本がデフレ時代に逆戻りするかもしれない。
そんな悪夢のシナリオが現実となる可能性が出てきました。
さらに、いま世界を見渡すと、先進各国の経済に多大な打撃を与える「危機の芽」が生まれる土壌ができつつあります。
日本がその大打撃から逃れられる保証はありません。
最悪の場合、世界の危機が日本経済を壊滅的に破壊する可能性すらあるのです。
安倍政権は、本当に「しでかしてしまった」というのが私の印象です。
最もやってはいけない増税に手を付けたことで、日本経済はin suspense(はらはらしている状態)に陥ろうとしています。
なぜ安倍総理はこんなとんでもない政策に手を付けてしまったのかと考えると、「間違った人々」の声に耳を傾けてしまったのでしょう。
離陸するには時速300マイルが必要な時に、「それはちょっと速すぎるから時速200マイルで行こう」と吹き込む人がいたのです。
しかし、中途半端な速度で離陸しようとすれば、飛行機がクラッシュしてしまうことは目に見えています。
実は日本の経済政策の歴史を振り返ると、経済が少しうまくいきだすと、すぐに逆戻りするような愚策に転向する傾向が見受けられます。
’90年代を思い出してください。
バブル崩壊から立ち直りかけていたところで、財政再建を旗印に掲げて、日本の指導者は消費増税に舵を切りました。
これで上向いていた経済は一気に失速し、日本はデフレ経済に突入していったのです。
安倍政権がやっているのが当時と同じことだといえば、事の重大性をおわかり頂けるでしょう。
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■「日本経済は消費税10%で完全に終わります」ノーベル賞経済学者クルーグマン~とんでもない愚策~ポール・クルーグマン(ノーベル賞経済学者、米プリンストン大学教授)週刊現代(講談社)2014.9.16
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/40411
三谷幸喜監督、映画「記憶にございません」。
ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。
豪華なキャスト陣、笑いあり、感動ありの素晴らしい映画だったのではないでしょうか。
この映画の中で印象に残ったのが、消費税に関するセリフです。
例えば、「何も考えないで消費税あげるからだ!」とか「消費増税しなきゃいけないんでしょうか、法人税を少しあげればいいんじゃないでしょうか、素人考えですけど。」といったセリフが登場します。
コミカルな映画の中に、時折光る風刺。
三谷幸喜監督の、才能の一つともいえるのではないでしょうか。
そもそもこの消費税。
消費税は貧しい方から裕福な人にまで一律の課税率がかかる税金です。
逆累進性の強い税金であることから、貧困層に負担が大きく、富裕層の負担を減らすことに直結する徴税システムと言われています。
欧州で主に導入されていますが、アメリカでは導入されていません。
その他多くの国では貧困層に負担が大きいことを背景に「悪税」と言われている税金の一つだと言われています。
実際、マレーシアなど消費税を撤廃し、経済改善を実現させている国もあります。
日本は消費税導入をきっかけに経済が停滞。
バブル崩壊を引き起こしたきっかけともいわれています。
日本は消費税の歴史と共に「失われた30年」という長期に渡る経済停滞を続けてきました。
消費税率がアップし続ける一方、富裕層の所得税や企業の法人税といった税率は減少方向を辿っています。
所得税や法人税の税率が減少すればするほど、富裕層の負担は軽減され、貧富の差は拡大してきました。
そして、2019年10月、消費税は8%から10%に引き上がりました。
消費税アップによる日本経済の減退が大きくなった矢先、2020年、コロナウイルスが世界を席巻します。
日本の経済は消費税増税による消費落ち込みの中、2度の非常事態宣言が出され、コロナ不況と消費税増税不況の「ダブル不況」を迎えることになりました。
多くの中小、零細企業が苦しんでいるのではないでしょうか。
失業、そして倒産・廃業。長引くデフレ。
消費税増税とコロナによるダブルの景気悪化は、日本そのものを弱体化させています。
今求められているのは「外圧」や「官僚」「政治家の取り巻き富裕層」の政策ではありません。
国民、しかも、一番辛い立場にある人たちではないでしょうか。
右翼でも、左翼でも構いません。
与党でも、野党でもいいです。
どの政党でも、どの派閥でも関係ありません。
コロナが人と人を引き離すウイルスならば、私たちはより強く「一つ」になる必要があるのかもしれません。
最後に、映画「記憶にございません」のセリフを2つご紹介いたします。
「約束する。国民の皆様には二度と政治に失望はさせない。どうかわたしを信じて欲しい。もうわたしは逃げない。」
「支持する人もしない人もみんなが幸せなればいい。総理、あなたならできる。」
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