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■戦後74年が経っても日本はまだ「アメリカ占領下も同然」という現実~兵器を押し付けられ、カネをせびられて~
週刊現代 2019.08.14
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・イージス・アショアに新たな問題発覚
7月下旬から8月上旬にかけて、北朝鮮が再三にわたってミサイルを発射した。
これが、政府と防衛省内部で波紋を広げている。
防衛省関係者は、こう漏らした。
「イージス・アショア(地上配備型ミサイル迎撃システム)が役に立たないことが明らかになってしまった」
今年に入って北朝鮮は、5月、7月末〜8月と、数回にわたってミサイル発射実験を行っているが、実はこれが迎撃困難なものであったというのだ。
防衛省関係者が続ける。
「韓国大統領府は7月末の発射の当日、国家安全保障会議(NSC)を開き、『新たな種類の短距離弾道ミサイルだ』との判断を示した。一方、韓国軍当局は、今回北朝鮮が発射した2発が5月に発射した新型の短距離弾道ミサイルと同種か、さらなる改良型の可能性があるとしたうえで、ロシア製の『イスカンデル』に酷似していると指摘した。このミサイルは、固体燃料を使い移動式発射台から発射するため、事前の捕捉が難しいことに加えて、発射後には通常の弾道弾とは異なる軌道で飛行する特異性があるので、捕捉や迎撃が難しい。しかも飛距離は600kmを超える。つまり、日本は射程距離内にあるが、対応できないということだ」
今まさに、地元自治体から猛反発を受けているイージス・アショアに、さらに新たな問題が発生したというわけだ。
・5つの「日米不平等」の実態
ここでイージス・アショアに関する問題点を整理しておこう。
1.「アメリカ・ファースト」での導入決定
日本政府は2017年8月の日米外務・防衛担当閣僚会合で、弾道ミサイルの発射を続ける北朝鮮の脅威を理由に、イージス・アショアを購入する方針を米国に伝えた。
さらに同年12月には正式に閣議決定し、秋田県秋田市と山口県萩市に1基ずつ配備すること、2023年度に運用を開始することなど詳細も詰めたが、実はこの過程で、日本ではなく米国の防衛と経済的な利益が優先されたことが、政府内でもひそかに疑問視されていたという。
まず問題視されたのは、配備場所である。
「政府は、イージス・アショアの候補地を多数のなかから絞り込んだわけではない。最初から秋田市と萩市に決めていた。これは米国の安全保障上の理由からだ。米国のシンクタンク『戦略国際問題研究所』(CSIS)が発表したレポートのなかに「(イージス・アショアは)米国本土を脅かすミサイルに対し、前方に配備されたレーダーの役割を果たしうる」との記述がある。実際、秋田市は北朝鮮とハワイを結ぶ直線上に、萩市は北朝鮮とグアムを結ぶ直線上にそれぞれ位置している」
つまり、ハワイ、グアムの防波堤としての配備だというのである。
また、購入決定の背景には、こんなビジネス上の事情があったとされる。
「日本がイージス・アショア以前に米国から購入していた、ミサイル防衛システム装備などに対する支払いが2017年度に終了する。そこで、次はどうする、ということになった。同時にこれは、『アメリカ・ファースト』『バイ・アメリカン』を公言し、すぐにでも成果を得ようとするトランプ大統領の意向に沿ったものでもあった」
2.高額な費用、米国に有利な支払い方法
当初、日本政府はイージス・アショア1基あたりの価格を約800億円と見積もっていたが、その後、1基1340億円と発表した。
導入する2基の維持・運用費などを含めると4664億円にもなるというのだが……。
「イージス・アショアが搭載する新型迎撃ミサイル『SM-3ブロック2A』は、1発あたり40億円前後する。これに施設整備費なども含めれば8000億円くらいにはなる。しかも、維持管理費も高額になると見られるため、1兆円は軽く超えるのではないか」
この巨額の費用の支払い方法も問題である。
「米国に有利な武器販売方式(Foreign Military Sales。略称は FMS)で、日本語では対外有償軍事援助と訳されているが、これがとんでもない内容だ。代金は前払いで、価格や納期は変動するし、契約自体解除することもできる。それこそ、トランプ大統領が日米安保条約についてしきりと口にする『不平等』なものだ。前払いだから、米国側は納品までに資金運用までできてしまう悪名高いやり方でもある」
3.住民への電磁波の影響
日本政府がイージス・アショアの導入を閣議決定した2017年12月、すぐに野党側から電磁波による配備先住民への健康被害を懸念する声が上がった。
政府は被害を否定するばかりで問題を放置しているが、実態は深刻なようだ。
「電磁波の影響は確実にある。イージス艦が電磁波を出す時には、危険防止のため艦上に乗員は出さないし、防衛省も健康被害などさまざまな問題発生を想定して、敷地内にレーダーは置いていない。ごまかしはいけない」
4.過剰装備と欠陥
現在、日本は2021年に8隻ものイージス艦を保有する体制に向けて準備中だが、そうなれば、保有数世界第2位となる。
これは米国に次ぐ規模であり、スペインや英国なども及ばない。
イージス艦は1隻あたり1500億円~1700億円の建造費を要するが……。
「8隻体制の構築のために、建造費だけでトータルすると1兆数千億円。維持管理費やシステム更新費用などを含めれば2兆円もかけている。そのうえ、さらに1兆円かけてイージス・アショアを導入するなど、無駄と言う以外にない。そもそも、日本を防御するにはイージス艦1隻で足りるとの意見もある」
過剰装備だというのである。
さらにイージス・アショアには、当初から別の欠陥があることがわかっていたとも言う。
「2017年末に開催された『統合機動防衛力構築委員会』で欠陥が明らかになった。委員会で『事務連絡』と題する防衛省の極秘文書が提出されたが、そこには『飽和攻撃を受けた場合、全ての弾道ミサイルを迎撃することは困難』『ロフテッド(通常よりも高い角度で打ち上げる)軌道への対処能力が限定的』との記載があった。にもかかわらず、政府は導入を決めた」
5.設置自治体への説明ミスと失態
防衛省は、イージス・アショアの秋田市陸上自衛隊新屋演習場への配備について説明する際、誤った調査資料を提出したことが判明し、再調査を余儀なくされた。
また、説明会では職員が居眠りするような不祥事も発生した。
「信頼回復に向けて再調査を行うと言っているが、前述の通り、秋田に作ると最初から決まっていたのだから、結果が変わるはずもない。そんなことで地元自治体や住民の反発が抑えられるものか」
・足元を見てくるトランプ政権
こうした数々の問題点を踏まえて、防衛省関係者が総括する。
「イージス・アショアは米国のためにはなるが、日本にとってはカネ食い虫で、健康被害の危険がある、しかも欠陥品と悪いことづくめの装備だ。そのうえ、さらに穴があることも今回判明してしまった。自治体の反発も弱まる気配はない。果たして配備を強行していいものか」
一方、政府関係者はさらに広い視野から問題提起した。
「米国の有志連合の話や、地位協定と駐留費負担の件もある。通商交渉も……。米国は次から次へと要求してくるが、どれもこれもと言うわけにはいかない」
ホルムズ海峡での船舶の安全航行を名目にトランプ政権が呼びかける有志連合は、法的拘束力のある国連安全保障理事会の決議などを経ない非公式の軍事組織であるため、難色を示す国が多く、呼びかけから1ヵ月以上が経ってもまだ英国しか参加を表明していない。
日本も、安全保障関連法で集団的自衛権を行使する際の要件と規定されている「存立危機事態」には当たらないとして、有志連合の参加には否定的な考えを示している。
また、自衛隊法に基づく「海上警備行動」(治安維持などを目的に実施される措置)では、日本と関係のない外国の船を護衛できないなど制約があり、適用が難しいとされている。
ところが、日本に対して米国は強硬策に出た。7月21日に来日したボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が、翌22日に河野太郎外相や岩屋毅防衛相らと相次いで会談し参加を要請。
さらに25日、ポンペオ米国務長官はこうした要請について明らかにしたばかりか、「日本に期待するのは、海上警備にあたる艦船の派遣や資金協力である」として判断を迫ったのである。
日米地位協定についても、米国が日本に譲歩する気配はない。奇しくも同月25日、地位協定が改定されたが、大勢に影響はなく、日米の不平等性は揺るがなかった。
米軍機事故が起きた際、日本側が事故現場へ「迅速に立ち入りを行うことが明確になった」と政府は言うものの、そもそも立ち入りを認めるかどうかは米軍次第。
逆に事故機の残骸、部品などに関して「資格を有する者のみに(中略)アクセスが付与される」と明記され、警察に事故機の差し押さえや捜査の権限がないことが確定された。
犯罪を犯した米兵の身柄引き渡しや環境汚染への対応なども、米軍の裁量に委ねられたまま。国を挙げた「優遇措置」と言える状態が今後も続くわけだが、にもかかわらず、米側は駐留費の増額を要求してきている。
ボルトン大統領補佐官は、来日した21日に、米軍の駐留費について「5倍に増額を」と迫ったという。
菅義偉官房長官は要求があったことすら否定するが、これに従えば日本側の負担は年間2000億円から一気に1兆円にはね上がる。
防衛省予算の5分の1に相当する額だ。
・「まるで植民地だ」
トランプ米大統領は今年5月の日米首脳会談で「8月に発表がある。均衡のとれていない貿易の問題を迅速に解決したい」と述べ、参院選後の米国製品等の販売拡大をにおわせたが、実際その通りに交渉が進んでいる。
これから日本側はさらなる「バイ・アメリカン」を迫られる見込みだ。
「そろそろ日本は自国の国益を主張し、米国の要請を整理しなければならないときだ。財源には限りがあるし、そもそも少子高齢化が進むわが国に財政的な余裕はない。国策や外交政策を整えたうえで、支出を精査し、不要なものはカットしなければ立ち行かない」
政府関係者は、そうまとめた。
しかし、米国の専横と日本の追従に業を煮やしてきた自民党の古株は手厳しい。
「まるで植民地だ。こんな状態で憲法を改正して、戦争の放棄、戦力不保持、交戦権の否定を謳う9条を変えたりすれば、もっと米国にいいように使われるのは目に見えている。9条はそもそも米国の肝いりで盛り込まれたはずで、おかしな話だが、米国も時代の移り変わりとともに国策を変える。ならば日本もそれに応じて、対応を変えなければ国益は守れない。このままじゃ、いつまで経っても米国の占領下も同然だ」
確か、2006年の第一次政権スタート時には「戦後レジームからの脱却」とぶち上げていたはずの安倍晋三首相だが、最近はとんと聞かない。
あと1年で戦後75年の節目、そろそろ初心に立ち返るべき時ではないか。
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戦後74年が経っても日本はまだ「アメリカ占領下も同然」という現実~兵器を押し付けられ、カネをせびられて~
週刊現代 2019.08.14
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66488
本日は3つの記事をご紹介いたします。
2つ目の記事はこちらです。
■未だ米軍占領下。自民党が「日米地位協定」を見直そうともせぬ深刻な現実
gooニュース 2022/01/21
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・自民党政権に日米地位協定見直しができない理由
米軍基地が所在する自治体の首長や野党から、日米地位協定の見直しを求める声があがっている。
協定のおかげで米軍関係者とその家族は日本の検疫を受けずに入国できるため、沖縄県をはじめ各地の米軍基地で新型コロナウイルス「オミクロン株」のクラスターが発生し、基地から市街に“染み出し”ているからだ。
日米地位協定9条2項にはこうある。
合衆国軍隊の構成員は、旅券及び査証に関する日本国の法令の適用から除外される。
合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族は、外国人の登録及び管理に関する日本国の法令の適用から除外される。
これが根拠となり、米軍関係者ならフリーパスで日本の基地に飛行機で降り立ち、そのまま市街に出ることができる。
オミクロン株の出現を受けて岸田首相は昨年11月29日、「外国人の入国について、11月30日午前0時より全世界を対象に禁止する」ときっぱり宣言したが、この水際対策に大きな穴があいていることはすぐに明らかになった。
米国では12月1日に初めてオミクロン株の感染者が発見されて以降、急速に感染が広がった。
米軍関係者は日本への出発前、到着後とも、ろくに検査を受けず、到着後の待機隔離もいい加減だった。
基地内では日本人スタッフも働いている。
米軍基地が発生源になる条件はそろっていた。
本来なら、政府は米軍に感染対策を徹底するよう確約を取るべきであっただろう。
少なくとも、基地の外に出るときには、PCR検査で陰性を確認すべきだ。
日米両政府は今年1月9日になって2週間の外出制限を打ち出したが、遅きに失した感は否めない。
米軍にしっかりとモノが言えない日本政府の体質の背景には、後述するような歴史的経緯もあるが、直接的には日米地位協定によるところが大きい。
米軍のいわば“治外法権”を認めた内容のため、独立国であるはずの日本の地位を属国のごとく貶め、米側が日本政府を甘く見る原因になっている。
それゆえ、地位協定の見直しはこれからの課題ではあるのだが、それを自民党政権が米側に提起できるだろうかと考えると、絶望的な気分になる。
なにしろ、日米安保条約に基づく取り決めなのだ。
岸田首相は日米地位協定について「改定は考えていない」「現実的に対応するのが大事だ」と語り、全くやる気はない様子である。
もし、見直しを申し入れたら、国防総省を中心に米政府が反発するのは目に見えている。
そもそも自民党は、1951年9月のサンフランシスコ講和条約で日本が主権をとり戻した後、米国が“再占領”するためにつくった政党といっても過言ではない。
1950年に勃発した朝鮮戦争をきっかけに、日本の「赤化」を恐れるようになった米国は対日政策を転換し、「反共」の中核として利用できるA級戦犯を巣鴨プリズンから釈放した。
その代表的人物が、のちに首相になる岸信介氏であり、極右の巨魁、児玉誉士夫氏だ。
巣鴨から釈放されたあと、児玉氏はGHQの情報機関G2に雇われ、その後、米中央情報局(CIA)のエージェントとなった。
米情報機関にすれば、児玉の戦前からの闇のネットワークが魅力的に見えたに違いない。
児玉氏は戦前、右翼の秘密結社「黒竜会」を支援するとともに、政府の依頼で、中国大陸における資材調達を請け負った。
「児玉機関」と呼ばれるそのあくどいやり方が、のちにA級戦犯とされる根拠となった。
それは、ヤクザの部隊を結成して中国の村々で村長を射殺したうえ、金品を略奪させるという荒っぽさだった。
アヘンの売買でも荒稼ぎし、金、銀、プラチナなどの財宝をためこんだといわれる。
児玉氏は戦後、莫大な資産を持って上海から帰国。
巣鴨を出たあと、その一部を自由党結党資金として提供した。
自由党は1955年、日本民主党との保守合同で、いまの自民党になった。
CIAが1950年代後半から60年代初めにかけて自民党に秘密資金を提供していたことも、2006年に米国務省が刊行した外交資料で明らかになっている。
1958年5月の衆院選前、アイゼンハワー政権はCIAを通じて、自民党の「親米的、保守的な政治家」に資金を提供したといい、それは60年代まで続けられた。
「砂川裁判」の最高裁判決(1959年)がアメリカ政府の指示と誘導によってなされたという驚愕の事実も2008年、米公文書で明らかになっている。
最高裁長官、田中耕太郎は、安保条約のような高度な政治的問題について最高裁は憲法判断をしなくてよいという判決を出し、以来、そういう考えは保守派から「統治行為論」と呼ばれて、あたかも法学上の「公理」のごとく扱われている。
日米安保にかかわる問題なら、たとえ憲法に反する場合でも、最高裁は違憲判決を下さない。
そういうことであれば、日本の官僚は米国の言いなりになることこそ保身の道と考えるだろう。
米国はその後も、日米構造協議や、毎年の年次改革要望書などによって、米国資本に都合のいい社会、経済構造に日本をつくり替えてきた。
アメリカに追随することはできても、決して「ノー」と言えない遺伝子は自民党政権と、それを支えてきた官僚機構に受け継がれている。
安倍元首相などはトランプ大統領と何度もゴルフをして親密さを国民にアピールしたことをもって、外交に成功したと高く評価されているほどだ。
地位協定の見直しのチャンスがあったとしたら、政権交代で非自民政権が誕生した時だろう。
とくに沖縄返還や核持ち込みなどをめぐる日米間の密約を暴こうとした民主党政権の初期だ。
民主党が2009年の総選挙で掲げた政権公約には次のように記されていた。
「日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」
だが、日米地位協定の改定が提起されることはなかった。
当時の鳩山首相は普天間飛行場の移設先を辺野古ではなく「最低でも県外」と、それまでの日米合意を覆す発言をして、米国政府と日本の外務・防衛官僚から総スカンを食い、退陣に追い込まれた。
“日米安保”に触れると致命的な傷を負うのだ。
沖縄県外に新基地の候補地を捜していた鳩山首相の意向をことごとくはねつけたのは、日米地位協定に関する事項を協議する「日米合同委員会」だった。
鳩山氏は首相在任当時、この機関の存在を全く知らなかったという。
「日米合同委員会」は日本の幹部官僚たちと在日米軍との公式な協議機関だ。
日本側代表は外務省北米局長で、その下に各省の官房長、局長、審議官、課長クラスがずらりと並ぶ。
米側は、代表の在日米軍司令部副司令官以下、米大使館の公使や、陸、海、空軍、海兵隊の各司令部の幹部たちで構成されている。
各省庁のエリートたちが、在日米軍の幹部のもとにはせ参じ、安保条約を憲法より重視して合意形成をはかっているのである。
この機関が日米地位協定の見直しに応じるとはとても思えない。
戦後77年を経たいまでも、日本はアメリカの支配下にあるといっても過言ではない。
政府にいくら談判しても埒があかないのはそのためだ。
しかし、いつまでもこのままでいいのだろうか。
“占領”を継続しているかのような駐留米軍のありようは、米軍基地の集中する沖縄などで不信のマグマを溜め続けている。
日米関係が重要なのはいまさら言うまでもないが、それゆえにこそ、米国にきちんとモノを言える形をつくっておく必要があろう。
いかに荷が重くとも、岸田首相はこの問題から目をそらすべきではない。
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未だ米軍占領下。自民党が「日米地位協定」を見直そうともせぬ深刻な現実
gooニュース 2022/01/21
https://news.goo.ne.jp/article/mag2/world/mag2-525433.html
最後、3つ目の記事はこちらです。
■外務省が日米地位協定のウソ説明をコッソリ修正! 改憲を叫ぶ一方、日米地位協定を放置する安倍政権の欺瞞
exciteニュース 2019年1月17日
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日本国内での米軍の権限等を定めた日米地位協定。
沖縄の在日米軍基地問題で、安倍政権が辺野古新基地建設を強行するなか、その地位協定に関する“政府見解”がコッソリ変えられた。
朝日新聞が14日朝刊の1面・3面で報じた。
政府はこれまで、〈一般国際法上、外国軍隊には特別の取り決めがない限り、接受国の法令は適用されない〉と説明してきたのだが、11日になって、外務省のホームページに記されていた同様の記述から、「一般国際法」に関するくだり下りをカットするなどの修正が行われたのだ。
現在、外務省HPの「日米地位協定Q &A」では、〈米軍には日本の法律が適用されないのですか〉との問いに対して、このような回答に“修正”されている。
〈一般に、受入国の同意を得て当該受入国内にある外国軍隊及びその構成員等は、個別の取決めがない限り、軍隊の性質に鑑み、その滞在目的の範囲内で行う公務について、受入国の法令の執行や裁判権等から免除されると考えられています。すなわち、当該外国軍隊及びその構成員等の公務執行中の行為には、派遣国と受入国の間で個別の取決めがない限り、受入国の法令は適用されません。以上は、日本に駐留する米軍についても同様です。〉
相変わらず、在日米軍については原則、日本国の法令が適用されないと説明しているが、以前の「国際法」にその根拠を求める記述がなくなっていることがわかる。
日本政府が今回こうした“修正”を行なったのはなぜか。
その理由の前に、地位協定の問題を再確認しておく必要があるだろう。
そもそも、現実として、在日米軍および関係者が事故や犯罪などを犯した際、日米地位協定によって日本の国内法が適用されず、当局が捜査すら行えないという事態が相次いできた。
たとえば、2004年の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故では、米軍は地位協定を盾に日本側の検証を拒み、周辺住人やマスコミを現場からシャットアウト。
2016年、名護市安部沿岸部でのオスプレイ墜落事故でも、米軍は機体を回収し、日本の当局の捜査を認めなかった。
2017年に宜野湾市の保育園などにヘリの部品が落下した事件も同様で、米軍が関連を否定したため沖縄県警は捜査がままならず立件できていない。
それだけではない。
昨年12月には、米空軍の男が米軍嘉手納基地から拳銃を所持したまま脱走するという事件が起きた。
男は読谷村の住宅地周辺で米軍に逮捕されが、地元紙・沖縄タイムスが問い合わせるまで沖縄防衛局には連絡すらされず周辺自治体にも情報が伝わっていなかった。
日米地位協定において、犯罪を犯した米軍兵が「公務中」であれば、その裁判権は米国側にわたる。
このケースでは沖縄県警は「公務外」とみなして銃刀法違反容疑で捜査に乗り出したのだが、米軍が拘束している男の事情聴取ができなかった。
このように、米軍の犯罪に対して、日本の「主権」が及ばないケースが頻発している。
これらの根本は日米地位協定が米軍に与える“特権性”にある。
簡単に言えば、裁判優先権や損害補償の免責のみならず、米軍が望めば日本国内の施設や区域を提供せねばならないこと、米国の航空機などが自由に移動できる権利すら与えられているのだ。
米軍機が事故を起こせば、機密保持を名目に区域が封鎖され、事実上の“治外法権化”するのも地位協定の特性だ。
・日米地位協定をめぐる日本政府・外務省の欺瞞
これら明らかな「主権」の欠落を、日本政府はどのように正当化してきたか。
前述のとおり、国会の政府側答弁でも「一般国際法上、駐留を認められた外国軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令は適用されません」(2008年4月18日参院決算委員会、高村正彦外務相)との説明が繰り返されており、外務省HPにおける説明もこれを踏襲するものだった。
〈一般国際法上、駐留を認められた外国軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令は適用されず、このことは、日本に駐留する米軍についても同様です。このため、米軍の行為や、米軍という組織を構成する個々の米軍人や軍属の公務執行中の行為には日本の法律は原則として適用されませんが、これは日米地位協定がそのように規定しているからではなく、国際法の原則によるものです。〉(“修正前”の文言)
読んでのとおり、外国軍(在日米軍)の“特権”が日米地位協定に起因するのではなく、あくまで国際法の一般原則であると強弁してきたわけだ。
ところが、この政府側が根拠とする「国際法」には、実のところ、そんな規定などないことがすでに明らかになっている。
たとえば日弁連による意見書(「日米地位協定に関する意見書」2014年)では、〈外国軍隊を受入国の国内法令の適用から免除する一般国際法の規則は存在しない〉〈領域主権の原則からして、米軍等に対しても日本法令の適用があるのが原則であって、その適用の制限はその旨の地位協定等の条約・合意及び日本法令の規定が存在する場合に,その限りで認められるものであり、しかもその例外は限定的に解釈されるべきものである〉と指摘されている。
さらに、米国の連邦諮問委員会のひとつである国際安全保障諮問委員会の報告書(「日米地位協定(SOFA)に関する報告」2015年)でも、〈一般的には、その国が自国の裁判権についてある種の制限を設けることに同意していない限り、その国にいる人はその国の法律が適用されることが国際法上のルールであることが認められている〉とはっきり記されている。
同報告はこう続く。
〈地位協定は、受入国の政府が、この協定を締結することによって派遣国のために、特定の裁判権及び別途受入国が保有するその他の権利を放棄することに同意しているという理由から、両当事者の合意に則った前述の国際法上の規則の例外を規定している。〉
すなわち、日本政府のいうように「在日米軍に日本国の法令が適用されない」のは「一般国際法」の原則から導きだされるのではなく、むしろ真逆で、他ならぬ日米地位協定に依存した「例外」の規定であって、しかもそれを米国側が認識しているのである。
・安倍首相「日米地位協定は他国に比べ不利じゃない」は大嘘
また、ジャーナリストの布施祐仁氏が、外務省に「一般国際法上、駐留外国軍隊に国内法が適用されない」という日本政府の見解の根拠となる文書を情報公開請求したところ、「不存在」という回答だったという(布施氏の15日のツイートより)。
布施氏は〈そんな根拠はどこにもないから示せるわけがないのである。
こんな嘘が40年近くまかり通ってきたことが衝撃である〉と投稿しているが、まさにその通りとしか言いようがない。
ほかにも、この説明の矛盾については、昨年の国会でも野党が追及してきた。
朝日新聞は、辺野古新基地建設での土砂投入で、県が地位協定の見直し議論を深めようとするなか、外務省が急ぎ足で説明を変更したと伝えているが、そういうことなのだろう。
一方で、〈外務省は説明の変更について「批判をふまえわかりやすくしたが、『原則不適用』の根拠となる国際法があるという見解は変えていない」とする〉(朝日新聞)という。
つまり、安倍政権は文言だけこっそり変えて批判をかわしつつ、これからも「国際法が根拠である」との大嘘をつき続ける腹づもりらしい。
しかも、政府が国民についている“日米地位協定の嘘”はこれだけではない。
たとえば、“他国間で締結されている協定と比べて、日米地位協定は優遇されている”という話だ。
実際、安倍首相も2013年の参院予算員会で〈他国との地位協定との比較においても、日米地位協定が接受国側にとり特に不利なものとなっているとは考えておりません〉と答弁している。
しかし、これも大嘘なのである。
前述の布施氏と東京外国大教授・伊勢崎賢治氏の共著『主権なき平和国家』を読めば、そのことがよくわかる。
たとえば、日本と同じく第二次世界大戦での敗戦国であるイタリアは「モデル実務取り決め」で米国軍の駐留条件等を定めている。
これによれば、イタリアにおける駐留米軍の行動は、イタリアの法律と政府が許す範囲内でしか認められておらず、実際、米軍の飛行訓練の最低高度もイタリア側が決めている。
一方、日本では日米地位協定に伴う特別の法律によって、米軍機の飛行は国内航空法の最低安全高度の適用外となっているのだ。
また、米軍基地の管理権はイタリア側にあり、イタリア軍司令官が米軍の活動に介入する権限が認められているが、日米地位協定では日本側が米軍側の活動に介入することはできない。
・改憲を叫ぶ一方、日米地位協定の改定には及び腰の安倍政権
ドイツがアメリカを中心とするNATO諸国と結んだ地位協定を補足する「ボン補足協定」(1993年に大幅改定)では、NATO諸国軍の基地の使用には原則ドイツの法律が適用されると明記された。
また、基地の外でもドイツの法律に従って、国防大臣の承認を得ねばならないように変更された。
この改定によってNATO諸国軍の低空飛行訓練は厳しく制限され、改定前と比べて大幅に減少したという。
日米地位協定のいったいどこが“他国の協定と比べて優遇”なのだろうか。
安倍首相は日本国憲法を「米国から押し付けられたみっともない憲法」と攻撃し、9条への自衛隊明記などによる「自主憲法」制定を悲願としている。
だがその一方、沖縄に米軍基地の負担を押し付けてばかりで、地位協定についても対米従属で思考停止しているとしか思えない。
外務省がこっそり“政府見解”を修正しながら、相変わらず「根拠は地位協定でなく国際法」なる嘘をつき続けようという姿勢は、まさにその証左ではないのか。
前掲の『主権なき平和国家』は、序章で〈国論を二分する改憲論議をする前に、日本国民が力を合わせてやらなければいけないことがあります〉として〈日米地位協定の改定〉を訴えている。
〈なぜなら、現在の日本は形式的には「独立国」でも、日米地位協定によって主権が大きく損なわれているからです。主権とは、国家が他国からの干渉を受けずに独自の意思決定を行う権利のことです。主権が損なわれた、つまり、自国のことを自分で決められない国が、どんなに立派な憲法をつくっても、それは「絵に描いた餅」になります。だから、憲法よりも、まずは日米地位協定を変える必要があるのです。日米地位協定を改定し、真の主権を取り戻してこそ、日本は憲法を自らの意思で実行していく力を持つことができます。〉
米軍の要請を丸のみした2015年の安保法制からも明らかなように、安倍首相による改憲は、日本を「普通の国」にするものではなく、ただ「戦争のできる国」として、いっそう米国の「属国」にしてしまうだけだろう。
少なくとも、「普天間か辺野古か」と在沖米軍基地の固定化を迫り、「運用改善」との名目だけを掲げて地位協定の抜本改定に及び腰の安倍政権には、したり顔で「主権」を語る資格など微塵もないのである。
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外務省が日米地位協定のウソ説明をコッソリ修正! 改憲を叫ぶ一方、日米地位協定を放置する安倍政権の欺瞞
exciteニュース 2019年1月17日
https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_4494/
不平等、日米地位協定。
第二次世界大戦で日本同様敗北したドイツやイタリアは、戦勝国からの支配に対し明確に脱却し続けてきたのが、戦後の歴史でした。
一方、日本は今だ米軍の強力な権限が維持されたまま。
米軍基地に関する日本の税金による経済支援も拡大されていく一方。
見方によっては、逆に米軍の日本支配が強まっているのでは?と思えるほどです。
日本国内の空が、米軍機優先であったことを知ったのは、私自身、つい最近のことでした。
本当に勉強不足だったと、思い知りました。
でも。
独立国が、他国に制空権を握られているというのは、本当に良いのでしょうか。
今や天候も人工的に変えられる人類。
悪意があれば、選挙日に「雨」を降らせることも可能です。
さらに。
悪意があれば、あらゆるウィルスだって、飛散させることも可能です。
米国が同盟国とはいっても、あまりにも不用心ではないでしょうか。
懸念はそれだけではありません。
日米地位協定や日米安全保障の偏りは、日本の軍隊の「米軍化」というリスクも否めません。
例えば、軍隊指揮権。
有事の際、自衛隊は自らの意思で、自らの国益を守れるのか。
もし、仮に、自衛隊の指揮権が米軍が掌握していたら、本当に日本人のために自衛隊は行動できるのでしょうか。
米軍の都合によって自衛隊が使われる、というリスクも否定できません。
それが、日本の徴兵制とつながった場合、私たちの子どもや孫が、米軍の指揮下で危険な地域で戦闘させられる、という可能性もゼロではありません。
他国に軍隊を握られるということは、このようなリスクをはらんでいることを、私たちは今一度、しっかりと考えなければらないのではないでしょうか。
ただでさえ、ロシア・ウクライナ問題の状況下。
「戦争したい」軍需産業関係者などの思惑も、世界各国の政府関係者に大きな影響力を広げているとも聞かれます。
キナ臭い昨今。
他国の影響力が強すぎることは、大きな危険が伴うのかもしれません。
大事なのは、日本人による、日本人のための防衛。
対中国や対ロシアだけではありません。
対米も含めてです。
残念ながら、人類の歴史は「奴隷」「植民地」といった他国支配の歴史でした。
英国は米国やカナダ、オーストラリアなどを植民地化してきました。
1959年、米国はハワイも50番目の州に組み込んでいます。
自国を守るという強い気概がない国は、その主権を失い、その政治・経済・文化を失っていきます。
結果、どうなるのでしょうか。
日本語教育よりも、英語教育・・・
お米よりも、輸入小麦・・・
国産ワクチンよりも、外国産ワクチン・・・
日本古来の名前よりも、キラキラネーム・・・
外資系による水道民営化・・・
外資系による日本企業買収・・・
外資系による日本の土地買収・・・
外資系ファンドによる日本のテレビ局買収・・・
などなど。
あらゆる分野で日本が失われていく可能性もあります。
将来、日本の通貨「円」が本当に続いていくのかすら、危ぶまれます。
「日本」を失うリスク。
他国に依存することの「リスク」は、今、あらゆる分野で表面化しているのかもしれません。
日米地位協定、そして日米安全保障。
「子分」となるのか、「仲間」となるのか。
それとも「奴隷」となるのか。
失うのは、目に見える部分だけではありません。
本当に危惧するのは。
目に見えない、私たち、日本人の「心」なのかもしれません。
■【福沢諭吉の独立自尊の教え】
独立の気力なきものは必ず人に依頼し、人に依頼するものは必ず人を恐れる。
人を恐れる者は、必ず人に諛(へつら)うものなり。
常に人を恐れ、人に諛う者はしだいにこれになれ、その面の皮、鉄のごとくなりて、恥ずべきを恥じず、論ずべきを論ぜず、人をさえみればただ腰を屈するのみ。
(福沢諭吉『学問のすすめ』)
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