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土屋太鳳の「大切な」言葉たち~土屋太鳳の名言・人生・生き方など~

土屋太鳳の「大切な」言葉たち

きっかけは、小学生の時の劇の会でした。当時、スポーツは得意だったけど、喋るのは苦手。劇の会ではやりたい役もなく、発言しないでいたら酔っ払い役になってしまったんです。それでも、演じ切ろうと思って色々自分なりに考えてみました。ただひょろひょろしているだけだとつまらないから、ペットボトルみたいなものを絵具で塗って徳利(とっくり)にして持ってみたり、ネクタイを巻いてみたりして。そしたら、いろんな人が面白かったよ!と言ってくれたことが、とても嬉しかったです。

練習が厳しかったのはもちろん、上下関係もとても厳しいチームでした。でも、諦めるのは嫌で、絶対に両立させたいと思っていました。高校1~2年生までは何とか続けられたのですが、2年生のころから少しずつオーディションに受かるようになり、チームのみんなとすれ違いが生まれるようになってしまいました。休んでいると、一緒に練習をしていく中で分からないことがでてきてしまったり、上級生には「仕事で忙しいのはわかるけど、そういう中途半端な気持ちで来られたら困る」とも言われてしまったり。自分が変わってしまったのかなとも思いました。前だったらこの会話はもっと楽しかったはずなのに…と。疎外感を感じて悩む時期がありました。

私はダンスと演技は表現という面で違うと思っています。ダンスは、日ごろ感じている「こうなればいいな」「こうしたいな」という自分の感情を爆発できる場所。でも演技は、私ではない他者の願いや想いを表現するものだと思っています。

怖がらずに自分からコミュニケーションをとろうと、仕事の合間を見て10分でもいいから部活や学校に顔を出すように心がけました。そして、大会に自分が出場できないときは、しっかりサポートできるよう、みんなのために自分が今、何をすればいいかを以前よりも考えるようになりました。でも、結果的には、周りのみんなに恵まれて、ダンスを続けることができたんです。辞めようという話をしたときに号泣してくれた同級生。1つの作品に“土屋ありパターン”“土屋なしパターン”の2種類のフォーメーションを作ってくれた先生。私の居場所を作ってくれていたことが本当にありがたかったです。

自分の好きな人が傷ついた、となったら“私は許さない”と思うかもしれないです。姉とか弟、父や母、周りの大切な人に嫌なことがあったときは、どこかで許せない感が…出てしまいます。その相手に何かしてやろうとか、具体的にそういうわけではないんですけどね、そう思っちゃいますね。

小さい頃からウルトラマンが大好きで、憧れだったんです。まさか、ウルトラマンシリーズのヒロインを私が演じられるなんて!夢なんじゃないかと思うほど嬉しかった。そして、何よりもあの作品がなければ、鈴木(清)先生には出会えていなかったと思います。実は今もウルトラマンのスタッフの方たちとやりとりすることがあります。鈴木先生の作品を見に足を運んだり、逆に鈴木先生が私の作品を見に来て下さったり。兄弟の舞台作品にまで足を運んでくださって、「おう!ひさしぶり!」と、まるで親戚みたいな感じで声をかけて下さるんです。今でも信じられない繋がりだなと思っています。

『哀愁しんでれら』は、最後ああいうことが起こるまでの過程を、やっぱり観てほしいと思います。自分の中で、どこかに押し殺している気持ちや不安に思っている気持ちって、あると思うんですね。幸せになりたいと思うと、イコール結婚、子どもと考えてしまいがちですけど、…私もそういうところはあるんですけど、そこには壮絶な戦いがあるのかなと思います。この作品を観て、“自分はこういう形の幸せになりたい”と、自分なりのものを見つけてもらえたらいいな。そして、そこにいくまでの過程を大事にしてほしいと思います。

『日輪の遺産』(2011)は、ひとつの転機かもしれないですね。物語は太平洋戦争時代のことを描いていました。私は、病弱だけど芯の強い女生徒の役。戦時中、壮絶な時代の渦に巻き込まれる女の子を演じるために、まずは戦争のことを勉強して、病弱な子、その当時の子の雰囲気を出すため、体を絞りました。そして、死を選ぶ彼女の気持ちになるため、自分の大切なものや家族のことを思い出したりして、体力的にも、感情的にも必死に臨んだ作品でした。私に役作りが何かを教えてくれた作品です。監督に「芝居じゃない芝居だからよかった」と言ってもらえた。その時の気持ちは今も忘れないようにしています。

そこまで多くのお仕事をもらえていない時期にダークな役や口が悪い役をやらせていただいていたからこそ、いま明るい役を演じる時にも、優しさのなかに暗いものを入れたり、裏の気持ちを込めたりできるようになったのかなと思います。前半戦も明るい役ばっかりだったら、シリアスな役に対して『どうしよう…』と思っちゃっていたかと思いますが、一回そっちの道を通っているので、『この役が明るい理由は?』を考えるようになりました。例えば『本当はつらいけど明るく振舞っている』とわかれば、役がどんどん立体的になっていく。そういった意味では、いままでの経験が全部つながって、自分の演技になっているんだと思います。

雰囲気というか、立ち位置というか……心の中がドン! としている感じ。目が何個あるんだろうとか、脳が私の10個分あるんじゃないかとか思ってしまうくらい、すごいんです。でも集中力がありすぎて、つらいらしいです。不思議な母です(笑)。家族全員、仕事がうまくいって、自分のやりがいや、生きがいを探せるようであってほしいなって。今の仕事、家族、親しい人たちに「好きだよ」と伝えていきたいです。

反省はたくさんありますけど、後悔はないです。でもやっぱり、たくさんの人が周りで支えてくださっているからだと思うので、自分がもらった愛情はしっかり、お仕事やプライベートで返していきたいと思っています。

すごく高い壁にぶつかって、お芝居がわからなくなってしまったときに、うまくできる、できないは別として、愛情を込めてやることの大切さを教わりました。

ひとつひとつの作品で出会う方々の言葉があまりにもいつも多いので、たくさんあるんですが…。でも、今の私がここにあるという意味では『トウキョウソナタ』という映画でデビューさせていただいたんですが、その時に2日間だけの撮影だった香川照之さんが『太鳳が女優として生きていくなら、絶対に感謝を忘れないこと』と言ってくださって。女優ができているのは、カメラマンさんや照明さん、編集の方…本当にたくさんの人がいて女優でいられるんだから、その方たちへの感謝を忘れないことだと教えてくださいました。そして、『自分が不利だと思ったら、人一倍大きくあいさつをすること』。それは心に残っています。

やっと最近、いろいろな感情はすべて愛情から出てくるものなんだって気づきました。だから演じる前はなるべく愛情深く“大好きだ!”とか“ありがとう”って気持ちを込めるようにしています。だけど本当に難しいです、そこにたどり着くまでが……。不安でいっぱいです。

自分の好みや価値観だけで選ばないようにしています。よく母が「自分が若い頃はレコードでもA面B面、映画でも同時上映があって、自分の好みで選ぶ作品に『そうでもないなぁ』とか『あまり好みじゃないかも』という先入観を感じる作品がセットになっていることが多かったけれど、いざ観てみると同時上映として組まれていたほうの作品が心に残っていたり、B面の曲に感動したりしたから、何でも自分の好みだけにこだわって選ばないほうがいいと思うよ」と話してくれるんです。最初はその感覚がよく分からなかったのですが、いまでは私もそう思います。作品は人と同じで「出会い」だから、自分の価値観や好みで選ぶよりは、偶然でも何でもどんどん出会って、出会ってから選べばいい。だからコツはないんですが、それがコツだとも思います。

「幸せになりたい」と願うこと自体はすごく素敵なこと。でも、幸せという状態を通して別の何かを確認しようとしたり、アピールしようとしたり、つまり「幸せにならなくちゃ」と思い始めると、何かがちょっとずつズレていくことって、あると思うんです。童話でも伝承でも神話でもそうだと思うんですが、「願い」と「欲」って紙一重で、そのバランスが壊れた時に何かが起こる。

周りへの感謝は一番大事にしています。いつも感謝の気持ちを持つことが、一番夢を掴むために必要なことじゃないかな。それから努力。努力が必ず結果に繋がるかどうかはわからないけれど、絶対何かに繋がると思っています。夢を掴むことって難しいことだなと思いますが、私自身、今目標に向かって走っているな、という感覚があって。そう感じられることが幸せです。

今、当たり前のことが当たり前にできないじゃないですか。ご飯に行ったり旅行に行ったりすることもできなくて、人と生きることがすごく見直されたと思うんです。失ったものが多ければ多いほど、やっぱり人といることが大事だなと思わされます。

土屋太鳳とは?(人生・生き方・プロフィール・略歴など)

土屋太鳳。

1995年生まれ、東京都出身。

2005年、角川映画、ソニーミュージック、Yahoo! JAPAN が合同で実施したスーパー・ヒロイン・オーディション ミス・フェニックスにて審査員特別賞を受賞。

同オーディションの受賞者の中では最年少。

初仕事は2007年12月1日より放送されたカプコンのゲームソフト『WE LOVE GOLF!』のテレビCM(松原剛監督)。

2008年に公開された『トウキョウソナタ』 で映画デビューを果たした。

その撮影現場で共演者の香川照之・津田寛治と交流し、彼らの仕事ぶりを目の当たりにしたことで、女優への決意を強める。

2008年、ジュニアファッション誌『Hana*chu→』(主婦の友社)のニューフェイスオーディションを経て専属モデルとなった。

同年、約500名の候補者の中から劇場版『釣りキチ三平』のゆりっぺ役に抜擢され、主人公・三平の幼馴染を演じる。

2010年、芸能活動が許される高校に入学。女子校で、在学中は創作ダンス部に所属し、仕事の合間をぬって全国大会にも出場した。

同年、NHK大河ドラマ『龍馬伝』でテレビドラマ初出演、主人公・坂本龍馬の姉・坂本乙女の少女期を演じた。

2011年、『鈴木先生』(テレビ東京)で連続ドラマ初レギュラー出演。

キーパーソンとなる女子生徒・小川蘇美役を演じ、注目を浴びる。

2012年10月、当時の所属事務所・ウエストサイドの吸収合併に伴い、親会社で、現在の所属事務所であるソニー・ミュージックアーティスツへ移籍。

2013年、浜松市天竜区水窪町を中心とした地域振興プロジェクト、映画『果てぬ村のミナ』の松下神菜役にて、初の主演を務めた。

2013年3月、高校を卒業。同年4月、日本女子体育大学体育学部運動科学科舞踊学専攻に入学。

2014年、NHK連続テレビ小説『花子とアン』出演期間中に、2015年上半期放送の『まれ』のオーディションに参加し、2020人の応募者の中からヒロインに選ばれる。

オープニング・テーマ曲「希空〜まれぞら〜」の1番の作詞を担当した。

2017年、初めての洋画吹替となった劇場アニメ『フェリシーと夢のトウシューズ』では、主題歌「Felicies」の作詞と歌唱も担当した。

2018年第41回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞(『8年越しの花嫁 奇跡の実話』)

2018年12月30日、『第60回輝く!日本レコード大賞』で、安住紳一郎(TBSアナウンサー)と共に総合司会を務める。

2019年1月19日より12月19日まで日本テレビ系バラエティー番組『ぐるぐるナインティナイン』の企画「グルメチキンレース・ゴチになります!」で、「パート20」のメンバーとしてレギュラー出演した。

2019年12月30日、『第61回輝く!日本レコード大賞』で、安住紳一郎と共に総合司会を務める(2年連続)。

2019年ジュエリー業界が選ぶ“第7回ウーマン オブ ザ イヤー”

出演

フード・ラック!食運(2020年11月20日) – 主演・静香 役

今際の国のアリス(2020年12月10日、Netflix) – 主演・宇佐木柚葉 役

哀愁しんでれら(2021年2月5日公開) – 主演・福浦小春 役

ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜(2021年5月公開) – 西方幸枝 役

大怪獣のあとしまつ(2022年公開) – ヒロイン・雨音ユキノ 役

arashidaisuki