ご存知、AI(人工知能)。
映画「ターミネーター」や「AI」、「マトリックス」など、AIの未来を描くストーリーは数多くあります。
AIの持つ影響力は計り知れません。
今、あらゆる分野で飛躍的に活用方法が広がってきており、多数のベンチャー企業も生まれています。
今回はAIについてわかりやすい説明から、AIの未来についてお伝えします!
Contents
AI(人工知能)とは
昨今、ニュースなど話題になっているAI(人工知能)。
AIとは「Artificial Intelligence」の頭文字を取った言葉で、日本語では「人工知能」と訳されます。
人間の使う自然言語を理解したり、論理的な推論を行ったり、経験から学習したりするコンピュータプログラムなどのことを指します。
つまり「自ら考える力が備わっているプログラム」のことです。
人間越えしつつあるAI
人工知能がすでに人間越えしている事実はご存知かと思います。
特に将棋の世界で一躍有名となりました。
2017年4月、将棋の「電王戦」に挑んだのが、人工知能「ポナンザ」。
対する人間側は将棋界最高峰の29歳の佐藤天彦名人。
佐藤天彦名人はレジェンド羽生善治を破った天才プロ棋士で有名となった名人です。
一方、人工知能のポナンザは東大卒の天才プログラマー、31歳の山本一成氏が生み出しました。
結果は。
4勝1敗で「ポナンザ」勝利。
もう、既に将棋の世界では人間は太刀打ちできなくなってきています。
人工知能の強さの秘密とは?
では、なぜ人工知能はこれほどまでに強いのでしょうか。
それは、人工知能が「自らが学ぶ」ことを導入したことです。
これが「機会学習」と呼ばれるものです。
ポナンザはプロ棋士の過去20年にわたる「5万局」にも及ぶデータを読み込ませ、自ら分析・解析を繰り返し、勝利の方程式を創造してきたのです。
この「5万局」という膨大な数字はどのようなものでしょうか。
例えば、人間が1日に1局、1年で360局、仮に100年継続したと仮定しても、3.6万局にしかなりません。
つまり、人間が一生将棋をしていても、この5万局には及ばないは数字なのです。
このプロ棋士データを教師のようなデータとして、自ら学び続けることで人工知能は創造性を身につけ始めているといっても過言ではありません。
この現象は将棋界に限ったことではありません。
囲碁では、2016年1月、人工知能「AlphaGo」が世界最強の韓国イ・セドル九段棋士に4勝1敗で勝利し、そして2017年5月、囲碁世界レーティング1位、中国の柯潔(カ・ケツ)九段に3連勝で圧勝。
囲碁の世界でもすでにAIは「人間越え」しています。
ビジネスの世界でも浸透しつつあるAI
ビジネス社会でも徐々に浸透しつつあります。
株式売買における証券業界では千分の1秒単為の変化を読み、その未来予測をAIが担ってきています。
金融業界も多くはこのAIが取り入れ始めているが、一般ビジネスにも浸透しつつあります。
ネットで買い物をすると「お勧め商品」が出てきますが、この「レコメンド機能」も、同じような属性のユーザーがどのようなものを購入する傾向が強いのか、機会学習により、膨大なデータを解析した上で表示させているのです。
ネット分野だけではありません。
タクシー業界では、どの時間帯でどの場所を通ると客がいる可能性が高いのか、などもAIがマーケティングを主導しています。
AIは、あらゆるビジネス社会に浸透しつつある、といっても過言ではありません。
機械学習の発展版、ディープラーニング(深層学習)
AIの機械学習は、これまで述べてきたように、大量のデータから規則性や関連性を見つけ出し、判断や予測を行う手法です。
しかし、さらに、この機械学習を発展させる「ディープランニング(深層学習)」というものの研究が進められています。
ディープラーニング(深層学習)とは、「分けるための軸を自分で見つけることができる」ものを指します。
例でご紹介します。
私たちは「犬」を一目見ただけで「犬」だと判断できます。
人間にとっては当たり前のことですが、人工知能には「犬」というものの「特徴」を覚えさせる必要があります。
どの部分が犬と判断できる特徴なのか?を識別し、その特徴を元に認識した総体が「犬」であると理解するのです。
しかし、これまで人工知能は、この「特徴とは何か」を人の手でプログラムし、判断させていたのです。
「特徴とは何か、という部分を自ら学習できないこと」が最大の壁でした。
ディープラーニング(深層学習)は、高度に多層の特徴分類が連携し推測することができる技術。
つまり「特徴とは何か」を自分で見つけ出すことができる技術のことです。
このディープラーニング(深層学習)技術が発明され、AIは自ら学ぶべきものを学ぶことができるようになり、ブレイクスルーを果たしたのです。
人口知能のレベル4段階
人工知能といってもレベルが4段階あります。
以下、人工知能のレベル4段階です。
【人工知能のレベル4段階】
Lv1:入力したことだけ
単純な制御プログラムのことです。
ここ数年前まで、私たちが一般的に生活に使っていた家電製品のことです。
入力したプログラムが、そのまま実行しているだけです。
マイコン制御のエアコンや洗濯機などです。
会社組織で例えると、パート・アルバイト、派遣社員などが該当するのかもしれません。
Lv2:ルールを理解して判断する
古典的なAIレベル。
ルールや仕組みを理解し、簡易的判断を実施することができます。
将棋のプログラムや掃除機ロボットなどです。
会社組織で例えると、一般社員に該当するかもしれません。
Lv3:ルールを改善し、より良い判断をする
機械学習を取り入れたAI。
事前に学習した対応パターンや、人が設計した特徴量を使い、学習していくものを指します。
具体的には、検索エンジンや、ビッグデータ分析に使われています。
会社組織で例えると、係長や課長に該当するかもしれません。
Lv4:自分で判断基準を設計し、判断できる
ディープラーニング(深層学習)を取り入れたAI。
最新の研究レベル段階です。
プログラム自体が大量のデータのインプットと特徴量抽出を繰り返し、「特徴量」の学習を自ら行います。
現在、最新将棋AIや顔画像認識、天気予報などにも使われ始めています。
会社組織で例えると、経営層に該当するかもしれません。
AIの未来
学ぶべきものを学ぶことができるようになってきたAI。
すでに人の手を介さずに、自ら学び続けることが可能となってきました。
ここからAI(人工知能)は、さらに「加速的に」進化するでしょう。
AI(人工知能)がより高度な学習を自ら行うようになれば人間の負担は減り、業務は飛躍的に効率的になると予想されます。
AIは2035年までに16の業種で経済成長を平均1.7%向上させ、2035年までに生産性を40%以上向上させる可能性があると発表もされています。
出典:アクセンチュアリサーチとフロンティアエコノミクス発表
https://www.accenture.com/jp-ja/company-news-releases-20161117
さらに、人工知能市場は、2016年から2021年までに年間平均成長率は73.6%、2021年の市場規模は、2016年の約16倍となる2,501億900万円になると予想されています。
出典:IDC Japan「コグニティブ/AI(人工知能)システム」国内市場予想2017年11月
しかし、課題もあります。
2045年問題と言われるものです。
コンピュータ技術が、今のペースで発達し続けるとある地点で、人類の知能を超える、というものです。
このタイミング、瞬間を「技術的特異点(シンギュラリティ)」と言います。
正確かつ信頼できる、人類の技術開発の歴史から推測され得る未来モデルの限界点を指します。
つまり、人間の推測の範囲、ヒトが考え得る枠を超えるタイミングであり、2045年、究極のAIが誕生すると言われるものです。
そのAIが、人間の手を離れ、更に自分よりも優秀な「AI」を開発し、更にその「AI」が、次のもっと優秀な「AI」を開発する・・・。
映画「AI」「ターミネーター」の世界が近づいているのかもしれません。
最後に
少し怖い話となってしまいましたが、とはいいつつもAIはすべての産業、業界に多大な効率化、改善をもたらし始めています。
金融業界のフィンテック、仮想通貨、ブロックチェーン、IoTなどは、人工知能AIと連携し、飛躍的な発展を遂げるものだと思っています。
多くのベンチャー企業も生まれています。
結果、決済手段も、決済方法も、取引条件選定に至るまで大きな革命が起きると思われます。
バックヤードだけではありません。
新製品開発はAI実装機能に、そして新サービスはAIによるマーケティングが最適解を導くはずです。
AIなくて、未来は語れません。
今、AIをどのように活用するのか、その設計をした企業がその業界で生き残る、その分岐点にいるのではないでしょうか。