山口智子の「大切な」言葉たち~山口智子の名言・人生・生き方など~




山口智子の「大切な」言葉たち

家が商売をしていたので、子供の頃の夜ご飯はいつも一人。家業の店から毎晩出前が届く。一年のうち300日はハンバーグ定食で65日はヒレカツ定食。だから今でも一番癒やされる食べ物はヒレカツと洋食屋さんのハンバーグ(笑)。だから大人になって主婦になったら、テーブルの上に3〜4種類はおかずが並ぶ完璧な食卓を演出してみたいとずっと思ってた。で、それが30代の頃に爆発しちゃったんでしょうね。

学生の頃、陸上部だったのですが、顔面に風を受けて前に進むことが大好きで……。風に吹かれていると、自分の精神状態もハッピーになれる。風と共に私の人生はあるようなものです(笑)

私は『家』という宿命に縛られるのではなく、自分自身が後悔しない人生を自分で選び取りたいと、いつしか心の奥で強く願うようになりました。そして、定められた道から逃れるように、故郷から飛び出したわけです。だから今も、故郷というものへの喪失感は強いですね。自分の帰る場所がどこなのか定まらないまま、何かをずっと探し続けているような……。

○○しなきゃ、ってストイックに制限すると、必ず反動が来る。私は暮らしから『ダメ』を極力減らして、逆に何が『欲しい』かを真剣に考える。体と心が喜ぶ声に、本気で耳を傾けますよ(笑)。本当に食べたいものは? どのくらい食べたい? いつ食べたい? って。ポテトチップスでも何でも、体が欲する時は喜んで食べる。欲しない時は食べない。心身の声を聞いていると、細胞が勝手にベストな状態をキープしてくれるようになる。

身につける服や髪だって同じ。オーガニックコットンや自然素材は、本当に体が喜んでいる実感がある。髪も自然の風をバサバサと感じられるスタイルでいると気持ちいい。衣食住すべて、自分をとりまくものは、心と体が『心地いい』という指標で選び取ること。最高の環境を自分自身で作り出して、疲れをちゃんと癒やして、次なる挑戦への英気を養わないといけないでしょ(笑)

料理は、素材そのものを生かした調理で、エネルギーを瞬時に凝縮した瞬間にいただくのが最高。料理は勢いが大事。たまに作るエネルギーいっぱいの超簡単料理が、アヒージョ。ぐつぐつ煮えたぎる大きな土鍋をテーブルに出すだけでイベント感満載。エネルギーをいただくから元気になれる。

演技のお仕事は一時的なものだと親をだましだまし続けていくうちに、幸運にも途切れることなくお仕事をいただきながら、気づけば30歳。でも今度は、その不純な動機に対する負い目というか……。『こんな気持ちで芝居を始めた人間が、このまま続けていっていいのだろうか』という、いつも心にひっかかっていた疑問が徐々に大きくなっていきました。

私自身の人生は、これから先もずっとずっと続いていくのだから、自分が何に興味を持って、何を学びたいかを明確にして、自分自身で合点がいくことをしてみたいと思ったんですね。だから、『ロングバケーション』以降、俳優の仕事からしばらく離れていたのも、とくに大きな決断をしたというわけじゃないんです。

私は特殊な育ち方をしているので、血の結びつきを全く信用していない。私はずっと、『親』というものになりたくないと思って育ちました。私は、『子供のいる人生』とは違う人生を歩みたいなと。

私はずっと、子供を産んで育てる人生ではない、別の人生を望んでいました。今でも、一片の後悔もないです。人それぞれ、いろんな選択があっていいはず。もちろん、子供を持って初めてわかる感動もあると思います。実際に産んでみないとわからないことだと思うけれど。でも私は、自分の選択に微塵の後悔もないです。夫としっかり向き合って、二人の関係を築いていく人生は、本当に幸せです。

子どもを持たない選択をした私たちは、二人でいる時間をより楽しくするために、積極的に力を注いでいます。人と同じである必要はないのだから、誇りを持って自分ならではの人生の選択をすればいい。自分で選択してさえいれば、後悔はないはず。いろんな選択のバリエーションが、世界をもっと楽しく美しく彩っていくと思う。

『明日、明後日出す答えだけで、勝負しなくていいんだ』と、心がすーっと軽くなりました。売り上げとか視聴率とか、短期的な判断基準だけじゃない、もっと長期的な視野に立った、人の心に残る判断基準があってもいはずだと。早く結果を出すことだけがすべてじゃないと思います。

100年先の未来に誇れるかどうか。その問いかけを胸に、自分の仕事に責任を持ちたいと思うようになりました。そうしたらとてもラクになった。こういうものが世の中に生まれたら楽しいだろうな、と自分自身思えるもののために力を注ぐ仕事は、楽しくてたまらない。ものでも、文化でも、受け継がれてきた素敵なものに、さらに夢を加えて、次に手渡すことが私は好きなんだと、やっと気づきました。

時間と手間はかかるけれど、世界の魅力的な人々の姿を、夢ある映像に収めて、100年後の未来に自慢できる、タイムカプセルみたいなものが欲しいなあと思って。未来に誇れる『今』を収めた宝のカプセル。ターゲットを100年先ぐらいに設定すると、余計な雑念なんてどこかへ吹き飛んで、大河にたゆたうように心地よく、安心して新しいチャレンジができる。

自分は『ほんとうに何も知らない』という事実に直面すると、猛烈に新しい世界を学びたくなる。その連続です。日本人でありながら、日本のもの作りの極意を知ることもなく、のほほんと40年も生きてきたことに啞然としました。言い訳がきかない、生み出す〝形〞で潔く勝負する職人さんたちは、ほんとうにカッコいいと思います。

若い頃はきっと誰でも、『この決断は果たして正しいのか』と悩んだり迷ったりしますよね。でも、しっかりと時間をかけることで見えてくる答えがある。人間同士、たとえ何十年一緒にいても、ええ? こんな一面があったんだと驚くことばかり。人間にはバイオリズムがあるから、自分でも『同じ人間か?』と思うぐらい、ものの見方や判断ががらっと変わることがある。だから結論をそんなに焦ることはないんです。時が経てば、知らなかった世界がどんどん広がる幸せが待っている。

丸顔コンプレックスだった私に、唐沢さんは『丸顔じゃなきゃダメ』って言ってくれた。捨てる神あれば拾う神ありですね(笑)。たとえ世の風潮の型にはまらなくても、人と違うものを誇っていいんだと思えるようになりました。

醜く老いたくない。やっぱり、知恵や話術を磨いて世の中の役に立って、大人として若い人から憧れられるバアさんになりたい(笑)。年のとり方って、人生における最大の課題だと思います。老いに対しては、喜んで挑んでいきたいですね。まだまだ見なきゃいけないこと、学ばなきゃいけないことが山積みで、人生楽しくてしょうがない。

人間、常にちゃんと勝負していれば、老化なんてしないと思う。憧れられる大人になることは、大人の責任。カッコいい大人が増えないと、若者がついてこないでしょ? でも、美しく老いるためには、見えない努力が必要。心身の健康を自分で律して、チャレンジ精神や向上心を持ち続けること。女性としての可愛さやお洒落も忘れず、美しいオーラを放てる人間を目指したいです。

だって、俳優でいるためには人間として成長し続けなきゃいけない。年を重ねたぶんだけ、人間としてストンとそこに立っただけで人生の厚みを醸し出せる存在感を放てるようになりたい。『ザマーミロ、ここまで来てみろ』って言えるような、カッコいいオーラを発したい(笑)。とにかく学び続けて、目一杯感動して、『世界一幸せだ』と胸を張れる人生。いろんな再発見や感動は、そのための修行の道だと思っています。

人生って、どれだけ自分でエキサイトできてるかですよね。まずは、自分が率先して幸せにならないと、人を巻き込んで幸せにしていけない。自分で道を選び取れるということが、何よりの幸せだと感じます。YESかNOか、自分で選び取ることは、大人の嬉しい責任であり、大人ならではの特権。あれこれ悩む暇があったら、自分の心に耳を傾けて、着々と選択していけばいいんです。選び続けていれば、人生は前に進んでいく

もっと原初的な、血のルーツとしての『故郷』って何だろうと考えたときに、胸を張って生まれた場所の名を挙げられない虚しさがある。本当の魂の故郷はどこなのだろうと……。でも今は、知らない世界を旅して、プライドを持って生きている人々に出会うことが、何より楽しい。遠い異国の地に無性に懐かしさを感じて、ときめきます。地球のいろんな風土に育まれた、色とりどりの文化の多様性ってすばらしい。美しい地球こそ、私の故郷です(笑)

今の時代って、〝突出してはいけない〞〝失敗してはいけない〞って考え方に縛られて、無難にすまそうとする人が多い。私はそういう、平均的に単一になっていく世界って寂しいと思う。世界はもっと色とりどり、様々な個性で輝いていてほしい。人と同じではつまらないでしょ? 平均点ばかり狙ってたら、面白いものなんか世の中に生まれてこない。

人生において大事なのは、自分のスタイルを見つけることだと思います。結婚も、”人それぞれ”の形があると思う。人の真似をする必要はない。私はもちろん、世界で一番幸せだと思って生きてます。すっごく幸せです(笑)!

悩んでいる暇があったら、イエスかノーか、自分の心に聞いて、まず選択してみることです。その選択の連続の先に、自分の未来が続いてゆく。自分で選ぶ人生に誇りを持って進めば、絶対に大丈夫! 自分の道を作っていくのは、自分しかいないのですから。

人生、日々が旅でしょう。この瞬間瞬間、いかに人生を面白がって、感動を自分で引き寄せていくかが勝負です。

今、ちょっと手抜いたら、手抜いた未来しかやってこないから。毎日真剣に人生楽しんでます。

山口智子とは?(人生・生き方・プロフィール・略歴など)

山口智子。

戸籍名、唐澤智子。

旧姓:山口。

栃木県栃木市出身。

研音所属。

夫は俳優の唐沢寿明。

栃木市立栃木西中学校時代には生徒会会長を務め、栃木県立栃木女子高等学校を経て、青山学院女子短期大学家政学科卒業。

短大在学中は広告研究会に所属。

家業の旅館を継ぐ以外の道を模索する中で、短大在学中よりモデルとして活動を開始。

1986年、東レキャンペーンガールでデビュー。

1987年にはこの年からスタートしたアサヒビールのキャンペーンガールにも就任。

たまたま受けた朝ドラのヒロインオーディションに合格し、1988年度後期放送のNHK連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』でヒロインを務め、後に夫となる唐沢寿明と義弟役で共演。

1990年代、全盛期の山口智子出演ドラマは同世代の女性達から支持を集め、いずれも高視聴率が取れたため「連ドラクイーン」や「高視聴率の女王」とも呼ばれた。

1996年の『ロングバケーション』出演を境に女優業から一旦遠ざかり、幼い頃より抱いていた「主婦になりたい」という夢を叶えるため当面の間主婦業に専念。

1995年に唐沢寿明と結婚してからは女優業を徐々に縮小し、CMを中心に仕事をシフト。

2012年の『ゴーイング マイ ホーム』で『ロングバケーション』以来16年ぶりに連続ドラマに出演、2015年には『ロングバケーション』以来19年ぶりの連続ドラマのラブストーリーとなる『心がポキッとね』に出演。

2019年NHK連続テレビ小説『なつぞら』で『純ちゃんの応援歌』以来31年ぶりに朝ドラに出演。



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