どんなに小さなことでも、目の前のすぐできることから始めてみませんか!


今回のテーマは教育です。

日本の教育には、お金がかかりますね。

一方、日本の大学の世界ランキングは低いまま。

では、日本の子供たちが世界競争力のある人材に育つためには、どうするのがいいのでしょうか。

今回は日本の教育問題から紐解きながら、子供たちの「やる気スイッチ」を入れる方法についてお伝えします!



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Contents

大学卒業までの日本の教育費は1人いくら?!

教育はお金がかかりますよね。

一体、大学卒業までに1人当たりの教育費はいくら必要なのでしょうか。

幼稚園入園から大学卒業までの教育費は、国公立で約1,080万円!

私立で約2,560万円ということになります。

※出所:文部科学省「平成30年度子どもの学習費調査」より

この数値はあくまでも平均値。

3,000万円以上という教育費の可能性もあります。

もちろん、生活費も含めると、1人当たりの養育費は大変な数値になってしまいますね。

日本の公的教育費の支出額のランキング!

高い日本の家庭教育費。

一方、日本は経済大国ですが、教育への日本の公的支出が少ないことはよく知られています。

以下、日本のGDP(国内総生産)に占める公的教育費の支出額の割合です。

※出所:OECDの報告書「図表でみる教育2019年版」(Education at a Glance 2019)

2016年の初等教育から高等教育の公的支出が国内総生産(GDP)に占める割合は、日本が2.9%と、35か国中最下位。

2016年の初等教育から高等教育の公的支出が国内総生産(GDP)に占める割合は、「ノルウェー」が6.3%ともっとも高く、「フィンランド」5.4%、「ベルギー」5.3%、「スウェーデン」5.2%などが続いています。

一方、「日本」は2.9%と比較可能な35か国中で最下位、OECD諸国平均は4.0%、EU23か国平均は3.9%でした。

教育は国の礎だと思うのですが、実際のところ、日本はあまり力を入れているようには見えませんね。

寺子屋とは?

日本の低い公的教育支出。

なぜでしょうか。

もちろん、各政権運営などの判断もあるとは思います。

しかし、継続的に数値が低い背景には、日本は江戸時代から「寺子屋」というものがあったからだ、と個人的には思っています。

つまり、日本には江戸時代から「民間」による教育の仕組みがあったことも一つの背景だと思っています。

江戸時代の各藩には、主に武士向けに公的な「藩校」もありましたが、「寺子屋」は民間教育施設としては世界に例のない数を誇っていました。

どれくらいだと思いますか。

なんと1.5~2万軒!

寺子屋で教えていたのは、大半が地元の民間人です。

現役の村役人や僧侶、神官、医師、町人などで、本職の仕事をする傍らで、子どもに指導をしていました。

寺子屋の先生は、お師匠さんと呼ばれており、お師匠さんはほとんどボランティアで、授業料などは生活の足し程度でしかなかったようです。

子供たちは大半が農民でした。

そのため、学費はそれぞれの家庭の事情で払える分だけで運営されていました。

支払いできない農民などは野菜などで授業料を支払っていたともいわれています。

こういった民間発教育施設が整っていた日本は、現代にいたるまで「教育」という支出に関心が薄かったのかもしれません。

世界大学ランキング

では、現在、日本の世界における教育レベルはいかほどでしょうか。

学力だけのランキングではないのですが、「世界大学ランキング」と呼ばれる世界各国の大学のレベル順位があります。

以下、世界大学ランキング2020版 です。

【世界大学ランキング2020版】

世界大学ランキング2016-2017の100位以内にランクインした日本の大学は、東京大学と京都大学のみです。

その他の日本の大学は 200位以内にもランクインしていません。

日本の大学における国際競争力は低いと言わざるを得ません。

また、アジアの大学に限定したランキングは以下です。

【アジアの世界大学ランキング2020版】

1 シンガポール国立大学(NUS) シンガポール
2 南洋理工大学(NTU) シンガポール
3 香港大学 香港
4 清華大学 中国
5 北京大学 中国
6 浙江大学 中国
7 復旦大学 中国
8 香港科技大学 香港
9 KAIST 韓国
10 香港中文大学 香港
11 ソウル大学 韓国
12 高麗大学 韓国
=13 東京大学 日本
=13 マラヤ大学(UM) マレーシア
15 京都大学 日本
16 成均館大学 韓国
=17 上海交通大学 中国
=17 東京工業大学 日本
19 香港城市大学 香港
20 国立台湾大学(NTU) 台湾
21 延世大学 韓国
22 大阪大学 日本
23 東北大学 日本
24 漢陽大学 韓国
25 香港理工大学 香港
26 浦項工科大学 韓国
27 中国科技大学 中国
28 名古屋大学 日本
29 北海道大学 日本
30 九州大学 日本
31 南京大学 中国
32 国立清華大学 台湾
33 マレーシアプトラ大学 マレーシア
34 IIT Bombay インド
35 国立成功大学(NCKU) 台湾
36 武漢大学 中国
37 マレーシア大学 マレーシア
38 早稲田大学 日本
39 マレーシア・ケバンサーン大学 マレーシア
40 慶煕大学 韓国
41 慶応大学 日本
42 中山大学 中国
43 IIT D インド
44 国立交通大学 台湾
45 チュラロンコン大学 タイ
46 マレーシア工科大学 マレーシア
47 国立台湾科技大学 台湾
48 マヒドン大学 タイ
49 筑波大学 日本
50 IIT M インド

世界の大学ランキングにおけるアジアの大学ランキングを見てみると、シンガポールや中国の大学が強いことが分かります。

アジア諸国での比較でも大学の国際競争力という面では、低いと言わざるを得ないのでしょうか。

もちろん、「世界大学ランキング」は主に「研究力」に比重を置いたランキングですので、一概にこのランキングが、「偏差値」「就職力」などの基準とは異なります。

ただ、この「世界大学ランキング」は、イギリスの教育専門誌である「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(Times Higher Education)」より発表されており、世界でも注目され、権威あるランキングの一つです。

日本の大学の場合、英語を軸とした「国際性」に弱みを有しています。

グローバル化の時代、様々な国の人と協力しながら発展する有意性はご存知の通りです。

世界を代表するような人材を育成する仕組み、世界経済をけん引するような人材を輩出することは、今の日本には難しいのかもしれません。

それでは、グローバル人材やチャレンジする気概をもった人材を多く輩出するにはどうしたらよいのでしょうか。

教育改革のヒント!

この教育問題。

国際競争力のある人材に育っていくにはどうしたらよいのでしょうか。

少しヒントとなる事例をご紹介します。

東京の品川にある「品川女子学院」はご存知でしょうか。

以前カンブリア宮殿などマスメディアにも取り上げられた学校です。

この学校が注目された背景は「教育改革」でした。

その「奇跡」とも呼ばれる教育改革の軸となった方が校長の漆紫穂子(うるししほこ)さんです。

漆さんが、1989年に校長に就任して以来、教育改革を推進、偏差値20アップ、応募人数60倍、実倍率10倍の人気校となりました。

その教育改革の秘訣。

それは「やる気スイッチ」

生徒一人一人のやる気を起こし、有名大学への進学や多分野での活躍を増やし続けています。

漆さんが大切にしている言葉の一つに「6割GO!」があります。

「6割準備できたらGO!」という意味です。

何か新しいことを始めるとき「完璧を期す」という思いが強すぎて、結果、実行できないことはよくあることです。

それでは何も変わりません。

しかし、小さなことは成功しやすく、結果も早く出ます。

例え、どんなに小さなことでも、目の前のすぐできることから始めること、これが生徒の自信を深め、次なるステップを生み出すのです。

この小さなステップが、周りの人みんなが「変わったな」という印象を持ちます。

この反応が本人の次の「やる気」につながるそうです。

どんな小さなことでもいい。

結果を出すこと。

これが良い結果を生み、良いスパイラルを創り出すというのです。

やる気スイッチ4つの「ON」!

校長の漆さん自体、様々な「6割GO」を実践してきました。

新しい試みとしてチャレンジしたのが「企業とのコラボ授業」

「修学旅行」と「海外語学研修」をセットにした改革もチャレンジの一つでした。

漆さんは「やるリスクより、やらないリスクの方が大きい」、現状に甘んじることなく、たとえ失敗してもどんどん新しいことをやっていくという方が、ずっとリスクが小さいと考えています。

生徒はいずれ卒業し、一般社会に入っていきます。

生徒の将来のためにも、今のうちから社会に必要とされる人に育ってほしい、そう願う生徒への強い信念が生み出した「6割GO!」なのかもしれません。

漆さんが教育改革を実践してきた中で、生徒が「やる気スイッチ」が入った瞬間に立ちある場面が多かったそうです。

生徒が「やる気スイッチ」が入る理由はなぜでしょうか。

漆さんの様々な成功体験から、その「やる気スイッチ」が入る4つの背景があることに気が付いたそうです。

それが以下、「やる気スイッチ4つのON!」です。

【やる気スイッチ4つのON!】

好きなことができたとき

目標ができたとき

出来ないことができたとき

人のためにやるとき

いかがでしょうか。

どれにも、共通するのが「自分はやれば出来る」「人に認められた」という自己肯定感です。

学校は10教科くらいで成績がつきますが、社会に出れば「くだらないことを思いつく」ことも才能なのです。

「社会に出れば100教科」

今、世界の教育の潮流として、注目されているのは「非認知能力」です。

IQなどの数字で認知されない力のことです。

「目に見えない力」を生徒に身に付けてほしい、漆さんの学校改革はその強い想いから出てきたのかもしれません。

この「目の前に見える、小さな、すぐできること」「6割GO!」、そして「やる気スイッチON」は学生だけに当てはまるものでしょうか。

私たちにも十分学べる「ヒント」ではないでしょうか。

新しいことに挑戦する人、すべてに。

最後に

新しいことに挑戦する人に名言を贈ります!

不可能と思っていることのほとんどが挑戦したことのないこと
福島正伸

始まりはいつも一人の小さな覚悟です。
永松茂久著 『感動の条件』より

とにかく具体的に動いてごらん 具体的に動けば 具体的な答が出るから
相田 みつを

がんばるというのは、「無理をせよ」ということではなく、「とりあえずやってみる」ということです。
『勇気をくれたこのひとこと』ディスカヴァー21編集部より

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