【Jアラートと民放一斉電波ジャックは憲法審査会「緊急事態条項」改憲の煽り?】自民党と維新・国民民主が戦争「緊急事態条項」実現のメディア操作?~日中戦争画策する黒幕米国、民放各社は米国に乗っ取られているのか~
■コロナ禍のテレビ報道への「強烈な違和感」…あまりにも無責任ではないか?
検証しなければ、また同じことが…
週刊現代 2022.06.15 松野 大介
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・テレビ報道への違和感
たいていの方もそうだと思いますが、私は2年前(2020年)の2~3月には新型コロナにかなりの恐怖を抱いていました。
完全に引きこもり、地上波のあらゆるニュースとふだんは観ないワイドショーを1日中つけっぱなしにし、ネットで欧米のデータやニュース記事、さらに科学者・医療従事者が発信するコメントを観まくりました。
やがてテレビ報道に違和感を持ちました。理由は主に3つ。
1. 欧米のテレビではインフルエンザと比較しているのに、日本では3月頃からインフルエンザとの比較をしなくなった(医学はデータ比較で前進する学問のはずなのに)。
2. 志村けんさんをはじめ、亡くなったり感染した芸能人・著名人をセンセーショナルに報じる姿勢。
3. 第一波後の5月に『バイキング』(フジテレビ系)が「不安 人出増加 気の緩み」と人混みを捉えた映像を放送しましたが、そのうち1つが3月の映像と発覚。『モーニングショー』(テレビ朝日系)でも人混みが写った画像が別の日に撮影されたものでした。他のワイドショーでは、新型コロナの治療にあたっていた医師が、自分の映像が編集され真逆の意見として見えるように放送されたといいます。
主にこの3つから、新型コロナを収束させたり国民の生命や健康を守ろうとする報道姿勢ではなく、視聴率やテレビ関係者の利益のための“煽り報道”だと気づきました。
私が気づけたのはテレビタレントに身を置いた経験もあるでしょうが、多くの人(特にテレビがお友達で何でも信じてしまう一部の高齢者)は、恐怖におびえる日々でテレビを疑うことがなかったろうと思います。
・無責任な“言いっぱなし”
「東京は2週間後に20万人死にます」「2週間後には○○万人死にます」と、たびたび話す番組がありました。
確かにそういう解析をする専門家もいた一方で、「1000人」などと予測する科学者もいたのに、そちらは報じない。
そして2週間過ぎたら死亡数が桁違いに少なくても、決して「間違えました」とは言わず、2週間前の発言には触れないように努める。
この無責任な“言いっぱなし”が、テレビの煽り法の1つ。
煽れないデータは極力無視し、煽れるデータを採用してそれ用のパネルを用いて大々的に報じるわけです。
もう1つわかりやすい例。
営業している飲食店を隠し撮りなどで放送し、店のドアに「開けるなバカ」とかの貼紙を見つけたら「自粛警察現わる」などと放送する。
テレビそのものが自粛警察の役目をやり、自粛しない店や人に憤慨する人たちが現れたら「自粛警察が現れました!」と報じる。
「マスクしてない人がいる!」と隠し撮りして生み出した「マスク警察」も同じ。テレビは自分たちが煽って生み出したことを報じる側に転じて“自分たちは関係ない”という態度をとってきたわけです。
・また同じことが起こる…
あるワイドショー関係者の知人に対して「もっと正しいデータを見せて報じないとフェアじゃない」と私は訴えたことがあります。
その関係者からの返信は「松野さんのお考えもわかりますが、今の視聴者はリテラシーが低い。異様に低い。データを見せてもわからないんです。そこはあきらめてます」でした。
私にはいいわけにしか思えなかったし、リテラシーが低いことが正しいデータを見せない理由にはならないでしょう。
私は2年以上、ウェブマガジンにコロナ煽り報道を指摘するコラムを書いてきました(今となっては古かったり間違いもありますが、直さずにネット上に存在しています)。
しかしなぜ今回、小説を刊行したかというと、番組を作る制作側の実情を物語にしたほうが作り手側が何を考えているかがコラムより伝わると思ったからです。
「松野さんなら小説で書けるだろう」と編集者が言ってくれたのも大きい。
私は新型コロナを軽んじているわけではありません。
だが煽り報道を続けてきたテレビの無責任さを軽んじてもいけないと思います。
テレビ報道の検証がなければ、次に感染症が流行した時、または現在のウクライナ情勢で取り沙汰される日本の安全保障でも、テレビ関係者やテレビを私利私欲のために利用したい側が都合よく報道することを止められないと、私は思います。
小説はワイドショーの制作会社に非正規で入った若い女性の視点で、第1波からの2年余を時系列で描いたので、読みやすいと思います。
テレビを信じてきたり、または「テレビって変だよ」と違和感を持った人たちには、ぜひお読みいただきたい。
テレビと大学病院からにらまれた老人の専門家が、クライマックスでカメラに向かって訴える台詞は、私の思いを込めています。
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コロナ禍のテレビ報道への「強烈な違和感」…あまりにも無責任ではないか?
検証しなければ、また同じことが…
週刊現代 2022.06.15 松野 大介
https://gendai.media/articles/-/96175
■コロナのメディア報道と世論に思う「90年前と同じ無責任な過ち」との酷似
COMEMO日経 2020年8月8日 荒川和久
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相変わらず、テレビでも新聞でもネットニュースでも毎日のように「コロナ感染者数がどうだこうだ」というネタが続いています。
個人的に違和感があったのは、先日8月6日、75年前のその日は広島に原爆が投下された日、その日の午前8時15分はまさにその時刻です。
しかし、その時間に広島の式典の放送をしていたのはNHKだけで、他の民放各局はすべて「コロナ」の話をしていました。
ほとんどのワイドショーは8時から始まるのですが、冒頭でも8時15分でも、へたすると番組内で一度も触れなかったところもあります(見逃していたらすみませんが…少なくとも8時15分までに放送していたのはNHK以外ありませんでした)。
広島で行われた式典自体もコロナの影響で参列者の数を制限するという縛りがあったようで、もしかしたら報道機関の数も制限されていたのかもしれません。
だとしても、8月6日のあの日あの時を日本人が忘れてしまっていいのでしょうか?
被爆者であろうとなかろうと広島にゆかりがあろうとなかろうとです。
こうしたテレビの放送を見て、個人的に感じたのは、メディアが大事な理性的客観性を失っているのではないかという危惧と、「これは、まさしく昭和初期のメディアと世論」とそっくりだという思いです。
こちらの記事にある通り、コロナのパンデミックが起きた時、欧米各国の首脳は「コロナとの戦争」という言葉を使用していました。
各国首脳の口をついて出てきたのはコロナとの闘いを戦争に見立てる発言だった。
トランプ米大統領はみずからを「戦時下の大統領」になぞらえた。
フランスのマクロン大統領も「戦争」と繰り返した。
・75回目の夏が来た 戦争体験の継承いかに
もうじき戦後75回目の8月がやって来る。
経験したことのないコロナ禍の夏だ。
昨今の報道、特にテレビは、平日朝のワイドショー関連では民放全局がコロナの話題ばかり流しています。
2月あたりから半年くらいずっとです。
そして、その論調にはコロナ感染拡大を煽る方向に統一されていて、客観的に見ても偏りが見られます。
最近では、厚労省が「陽性者」という言葉を使用しているにも関わらず、無症状の陽性者もすべてひっくるめて感染者という扱いをし、見ている側にも、いかにも3月時点のような「症状のある感染者が増えている」かのような誤解を与えてもいます。
どんな切羽詰まった事情があるかも知らず、夜、店を開けていたり、通勤する人たちを非難したりするコメンテーターもいて、非常に見るに耐えない。
要するに「コロナは怖い。コロナは駆逐すべき敵だ。コロナに対して国民は連帯して立ち向かわないととんでもないことになる」と各局統一で言い続けているのです、半年も。
コロナを昭和初期の中国や米国に当てはめると、まさに戦争前夜のメディアの報道と瓜二つなのです。
戦前のメディアは、政府や軍に統制されて、嫌々ながらそういう報道をさせられていたんじゃないの?メディアも被害者なんじゃないの?
そう事実誤認している人も多いと思いますが、違います。
1931年満州事変が勃発して以来、新聞各社は号外の売上が爆発的に伸び、売りを作るために自ら、戦争のスクープ合戦、速報合戦へと突き進んでいきました。
1929年からの世界恐慌のあおりを受けて、売上低迷にあえいでいた新聞社にとってはこれは天の恵みでもあったのです。
東京日日新聞(現毎日新聞)の七瀬又三郎氏の証言によれば「当時は、血みどろの号外競争をやったんだ。競って戦地に人を出した。戦争の号外を出す度に販売部数が伸びた」とある。
また、元朝日新聞記者だった武野武治氏は「戦争になれば部数は確実に伸びる。新しい読者が増える。戦争になれば、新聞にとっては経営面ではマイナスじゃないんです」と述懐しています。
戦争に夫や息子を送り出した家族が心配して新聞を買うだけではなく、不景気に沈んでいた国民にとっても、関東軍の快進撃のニュースは元気付けられるネタだったということもあります。
号外に加え、本紙でも満州事変支持、満蒙を死守せよという論調が主流になりました。
政府が「不拡大方針」を打ち出していたにも関わらずです。
よって、政府の要請でもなく、本国の軍の圧力でもなく、自ら進んで新聞は戦争拡大を打ち出していったわけです。
当初慎重論だった朝日新聞でさえ、全国的な不買運動が起きると、軍部の行動を追認する方向に社論を転換、戦争加担の方向に舵を切りました。
その後、内閣情報部と情報局によって言論統制が徹底され、1941年の国家総動員法にもとづく新聞事業令で大本営発表を報じるしかなくなりますが、それは結果論で、当初は新聞各社の自発的な行動に起因するものです。
なぜ、そうした世の中の空気が生まれたかというと、満州事変の前に起きた陸軍の中村震太郎大尉が敵情視察中に中国軍によって捕えられ惨殺された事件によります。
耳や鼻を削がれ、手足を切り落とされ、いわゆる拷問死させられたという報道によって、日本国民は同情と怒りにより「中国人は敵だ」という空気に一変しました。
そうした人の死が空気を変えた事例は、コロナにおいて志村けんさんの死が衝撃を与えたことと酷似しています。
戦争報道が中心になると、記者たちはどうしても情報源の関東軍との接触を密にするようになります。
自分たちだけのスクープを求め、軍に意向に沿うようになっていきます。
そうして、軍にとって都合のいい情報だけが国内に報道されていくことになります。
ひとつ念押ししますが、この時点では、軍はそうした行為をメディアに強要はしていません。
むしろ、メディアの方が、センセーショナルな話題に飢え、軍をけしかけたと言えるでしょう。
・これも何かに似ていませんか?
関東軍を「コロナの専門家」に変えると、まさに今の報道やワイドショーの有りようそのものです。
メディアはコロナの不安を煽り、恐怖を訴求して、国民を扇動する物語を先に作り、それの裏付け事実として専門家の口を使っています。
そのためにコロナというウイルスは極悪非道のヒールであり続けてくれないと困る。
だから「コロナはそれほど恐れる必要はない」と番組で発言した専門家がいれば、その人は二度と番組に呼ばれません。
勿論、コロナ自体を軽視するつもりはありませんが、どこのメディアも報道も判で押したような論調になっていくことは、まさに満州事変のあの時となんら変わらないという恐怖を覚えます。
「満鉄爆破は中国軍の仕業ではなく、関東軍が仕掛けた謀略だ」という事実も、新聞各社は当時の陸軍から直接聞いていました。
しかし、それらの事実を報道する新聞は一社もなく、終戦までその事実は隠ぺいされました。
国際連盟のリットン調査団による報告書で「満州国は認めない」とされると、日本中の大手新聞社が共同で世界に向けて「そんな報告書は断じて受け入れられない」という共同宣言を出します。
もう、メディアではなくまるで外務大臣のような振る舞いです。
そして、政府より先に、メディアの大政翼賛会化が実現していたわけです。
さらに、新聞各社は「そんな国連からは脱退せよ」と連日報道します。
世論もそれを支持します。
当時の高橋是清蔵相が、荒木陸軍大臣に「新聞の報道をなんとかしろ」と言って困ったと言われます。
政府や軍が統制していたどころか、政府や軍すらメディアと世論をコントロールできなくなったのです。
その後、松岡外相が国連を脱退したわけですが、松岡氏は帰国に際して「よくぞやってくれた! 」と英雄のような扱いを国民から受けます。
もう、メディアだけではなく、国民全体がそういう空気に侵されていました。
誰も異を唱える者はいなくなります。
これは、メディアが作った世論に、自分たちメディア自身もいつしか巻き込まれて行って、そもそも誰がその情報の発信者だったかという意識はどこにもなくなっていきます。
国民は「メディアが言ってるんだから」、メディアは「国民がそういう世論なのだから」と、互いに無責任な状態に陥るのです。
これこそが無意識の全体主義であり、独裁者のいない独裁国家の姿なのです。
90年前と同じ過ちを今、我々は繰り返してないでしょうか?
コロナという病気を敵としているうちはまだいいですが、昨今の状況は、いつの間にか敵はウイルスではなく、そのウイルスにかかってしまった人間に向けられています。
岩手の一人目の陽性者に対する誹謗中傷だったり、ただの無症状の陽性隔離者を「施設から脱走」などと、まるで犯罪者のように扱うようになってきたら、もうこれはいよいよおしまいな気がしています。
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コロナのメディア報道と世論に思う「90年前と同じ無責任な過ち」との酷似
COMEMO日経 2020年8月8日 荒川和久
https://comemo.nikkei.com/n/n676b1ef7a163
■マスメディアの戦争責任(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
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マスメディアの戦争責任(マスメディアのせんそうせきにん)とは、マスメディアが国民に事実を報道することを怠ったり、対外強硬論を助長する報道を行うことで、開戦に至ったり戦争の長期化を招くことに対する責任論である。
・言論統制
戦前の日本では1909年(明治42年)5月6日に公布された新聞紙法によって新聞は検閲の対象となっており、軍や政府は記事差止命令や写真の不掲載といった措置を取ることができた。
大正時代まではこうした環境下にあっても露骨な言論統制が行われる機会は少なかったが、1931年(昭和6年)の満州事変以後、軍の政治に対する発言力が増大すると、正面から政府や軍を批判する記事の掲載が困難となっていった。
とりわけ、1937年(昭和12年)からの日中戦争の勃発とそれに続く1938年(昭和13年)の国家総動員法の制定はそれを決定づけることになった。
この点は当時唯一の放送機関であった日本放送協会においても変わるところはなかった。
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マスメディアの戦争責任(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%81%AE%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%B2%AC%E4%BB%BB
■フェイクをうんだ大本営とメディア いま向き合うべき「報道責任」
朝日新聞 2021年12月2日
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軍部に批判的だった朝日新聞はなぜ、戦争礼賛に傾いていったのか――。
戦時下の「報道責任」を検証するため、朝日新聞は2007年から08年にかけて「新聞と戦争」と題した連載を夕刊に掲載し、当時の社論の変遷や社会の姿を伝えました。
12月8日で太平洋戦争開戦から80年を迎えるにあたって、朝日新聞デジタルで改めて「新聞と戦争」の一部を配信します。
朝日新聞の元東京本社編集局長で、ジャーナリスト・作家の外岡秀俊さんに、当時、この企画を発案した狙いや、いまの時代に再読することの意義について寄稿してもらいました。
・「報道責任」を問う 外岡秀俊さん《寄稿》
毎年8月15日前後になると、メディアは一斉に戦争特集を組む。
それに比べ、太平洋戦争の「開戦の日」は、あまり注目されない。
軍人・軍属230万人、民間人80万人が亡くなり、敗戦の日が誰にも身近な共通体験だったせいだろうか。
それに比べ、開戦では極秘とされた真珠湾攻撃が、誰にも事前に知らされなかったためだろうか。
だが戦争を振り返り、「敗戦責任」を問うなら、無謀な企てに突き進んだ「開戦責任」を問うのが筋ではないだろうか。
ところが「敗戦」には責任を問うべき軍部という「顔」があるのに、誰が「開戦」責任を負うべきかは、はっきりしない。
戦時中、透徹した目で国内外の出来事を「暗黒日記」に記した清沢洌は、1944年4月末にこう書いた。
「日本はこの興亡の大戦争を始むるのに幾人が知り、指導し、考え、交渉に当ったのだろう。おそらく数十人を出でまい」
「我国における弱味は、将来、この戦争が国民の明白な協力を得ずして、始められたという点に現れよう。もっともこの国民は、事実戦争を欲したのであるが」
「この時代の特徴は精神主義の魔力だ。米国の物質力について知らぬ者はなかった。しかしこの国は『自由主義』『個人主義』で直ちに内部から崩壊すべく、その反対に日本は日本精神があって、数字では現わし得ない奇跡をなし得ると考えた。それが戦争の大きな動機だ」
清沢は別の箇所で、その正体を「空気」であり、「勢い」だと表現する。
では、その「空気」を醸成し、「勢い」を加速させた者は誰だろう。
政治家。軍部。知識人。さまざまな顔が思い浮かぶが、忘れてならないのは、彼らの声を伝えたメディアだろうと私は思う。
朝日新聞デジタルは開戦80年の今年、かつて夕刊に連載した「新聞と戦争」の一部をアーカイブ配信するという。
・【新聞と戦争・アーカイブ】社論の転換:1 満州事変
この連載を始めたきっかけは、私が東京本社編集局長だった2006年に受け取った読者からの一通の投書だった。
「私が小さな頃、祖父が口癖のように言っていたのを思い出します。朝日の論調が変わったら気をつけろ、と」
祖父の警告が、今回真っ先に配信される「社論の転換」、つまり1931年の満州事変を境に、軍部批判から戦争の翼賛に転じた朝日新聞の変貌(へんぼう)を指すことは明らかだった。
私は開戦前夜の「空気」を醸成した「報道責任」を問うべく取材班を編成し、徹底的に検証するようお願いした。
その際にお願いしたのは、たった二つだった。
一つは一切のタブーを恐れない。
二つ目は、「もし自分がその場にいたら、どうしていたのか」を常に考えてほしいということだ。
この二つは表裏の関係にある。
朝日新聞をはじめ多くのメディアは、自らの戦争責任を問うことなく戦後を歩み始めた。
「墨塗り教科書」のように、戦時に呼号した「鬼畜米英」「一億一心」を隠し、「民主主義」の看板を掲げた。
戦後、何度か機会はあったはずなのに、報道責任を徹底究明することはなかった。
先輩や上司に累が及び、ひいては自らに跳ね返るのを恐れたためだろう。
それが社内の「タブー」となっていた。
だが、この検証は当事者個人の責任を追及するために行うのではない。
穏やかな川が奔流の「勢い」になって、誰もが激流にのまれるメディア状況の全体像を示してほしい。
それが、「もし自分がその場にいたら」と自問を促す意味だった。
20人余の取材班は2007年4月から1年間にわたって243回の連載を続けた。
おそらく当時が、関係者から話を聞ける最後のタイミングだったろう。
取材は記者やカメラマンだけでなく、広告、販売、航空、旧植民地の関係者にまで及んだ。
今連載を再読して思うのは、メディアが自らの報道責任を問うことの大切さだ。
「大本営発表」は、軍部だけが作り上げたのではない。
軍部と一体化し、それを報じるメディアがあってこそ成り立つ「フェイク」だった。
もし「フィルターバブル」と呼ばれる「情報分断」の時代にメディアが生き残ろうとすれば、自らの報道の誤りや見通しの甘さをそのつど検証し、読者や視聴者に説明することは欠かせない。
その説明責任なしに、メディアへの信頼を得ることはできない。
80年前の開戦は、けっして昔の話ではない。
コロナ禍のさなか、メディア報道は「大本営発表」になってはいなかったろうか。
あるいは、今は「戦後」ではなく、「開戦前夜」になってはいないだろうか。
この連載を、そうした「空気」に対する「頂門の一針」としてお読みいただければ、と思う。
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フェイクをうんだ大本営とメディア いま向き合うべき「報道責任」
朝日新聞 2021年12月2日
https://www.asahi.com/articles/ASPD13JMFPCTDIFI01L.html
■役立たず「Jアラート」を使ったのは北朝鮮危機を煽りたい安倍政権のパフォーマンスだった!
excite.ニュース 2017年08月30日
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本日8月29日早朝の北朝鮮による弾道ミサイル発射は、日本の国民にかつてない恐怖感を与えた。
何しろ、早朝から、全国瞬時警報システム「Jアラート」と緊急情報ネットワークシステム「エムネット」が発動したのだ。
北海道や東北、北陸、北関東地方の広範囲で警報が鳴り、新幹線や在来線なども運転を停止。
Jアラートを受けたNHKや民放各局も「国民の保護に関する情報」の速報を打った。
黒塗りの画面の白抜き文字とともに、「ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射された模様です。頑丈な建物や地下に避難して下さい」なる無機質なアナウンスを聞いて、一瞬、パニックに近い状態なった人も少なくなかったはずだ。
官邸の姿勢も緊迫感に拍車をかけた。
安倍首相は官邸に到着したときの会見で「我が国に北朝鮮がミサイルを発射し」などと発言。
そのあとの会見でも「わが国を飛び越えるミサイル発射という暴挙はこれまでにない深刻かつ重大な脅威」と記者団に語った。
こうした官邸の姿勢にひきずられるように、テレビ局も朝から報道特番体制をしいて、この問題を大々的に報道。
「これまでにない脅威」「日本にとって非常に深刻な事態」と首相そっくりのコメントを垂れ流した。
もちろん、北朝鮮が事前通告もなく日本の上空にミサイル発射したことは、国際法違反のみならず、国際社会で大きくなっていた対話の動きをひっくり返すものであり、徹底的に批判する必要がある。
しかし、同時にこの日本の騒ぎ方、危機の煽り方にも違和感をおぼえざるをえない。
象徴的なのが、首相のコメントだ。
上空を通過したミサイルを「我が国に発射」というのは明らかに言い過ぎだし、「かつてない脅威」というのも事実ではない。
そもそも北朝鮮は日本全域を射程にしたミサイルを10年以上前から開発しており、今回のことで脅威が高まったわけではない。
日本上空を越えてミサイルが発射されたのも過去に2回あり、1998年には今回と同様、事前予告がなかった。
安倍首相の様子は明らかに芝居がかかった表現で危機を煽ろうという意図がみえみえだった。
・全く役に立たないJアラートをなぜ発動したのか
さらにもうひとつ、違和感を覚えたのはJアラートだ。
ホリエモンはじめ、早朝から警報音で起こされたことに不満の声をあげている国民も多いが、必要な情報なら叩き起こされてもやむを得ないだろう。
しかし、本当にこんなものが必要だったのか。
何しろ、ミサイル発射時間は午前5時58分頃なのに、Jアラートによるアナウンスがあったのは6時2分。
6時5~7分頃には、ミサイルが北海道上空を通過していたのだ。
わずか4分で、どうやって「頑丈な建物や地下に避難」しろというのか。
安倍首相は会見で「発射直後から北朝鮮ミサイルの動きは完全に把握していた。国民の生命と安全を守る万全な態勢を取っている」と胸をはっていたが、実際はなんの役にもたたなかったのだ。
それどころか、時間が通勤ラッシュと重なっていたら、パニックを引き起こしていた可能性もある。
100億円以上の予算がつぎ込まれてきたJアラートだが、もともと導入時からミサイルからの避難などには全く役に立たないと言われていた。
まさにそのことを証明してしまったわけだが、にもかかわらず、政府が今回、Jアラートを強硬に発動したのはなぜか。
そもそも、これまで北朝鮮ミサイル関連でJアラートを発動したのは、北朝鮮が事前にミサイル発射を通告していた2012年12月12日と2016年2月7日の2回だけ。
今年の5月14日に中距離弾道ミサイルが発射され、日本海に落下したときにも、Jアラートは発動されなかった。
5月の発射の際、菅義偉官房長官は「日本に飛来しないと判断し、Jアラートは使わなかった」などと述べていたが、しかし、ならば今回も同じだったはずだ。
実際、小野寺五典防衛相はきょうの会見で、イージス艦や地対空誘導弾PAC3などで破壊措置を実施しなかったことについて、「わが国に向けて飛来する恐れがないと判断したからだ」とはっきり説明していた。
5月も今回も同じように「飛来する恐れはない」という認識を持ち、破壊措置を行わなかったのに、今回だけ、全く役に立たないのを承知で、Jアラートを発動したのだ。いったいなぜか。
・Jアラート発動は政権浮揚のためのパフォーマンスだった
考えられるのはただひとつ、安倍政権による北朝鮮危機の政治利用のためだ。
安倍政権はこの間、森友学園疑惑、加計学園義に対する国民からの反発をかわすために、北朝鮮危機を必要以上に煽ってきた。
今回も全く同じで、疑惑に蓋をし、支持率を回復させるために、この北朝鮮ミサイル発射を利用して、Jアラートで危機を煽ろうとしたのではないか。
実際、ミサイル飛来などの国民保護事態案でのJアラートは菅義偉官房長官が率いる内閣官房が判断を下すことになっているが、その内閣官房が事前に、Jアラートの発動を決定していたという情報がある。
「そもそも、Jアラートは、ミサイルへの警告で使用するのはかなり困難で、事前に察知していないと、発動するのは無理、という見方が強いんです。これまで事前通告のあった2回しか使っていないのもそのためではないか、といわれています。ところが、今回は韓国からの情報で、事前に発射を察知できた。それで、官邸はミサイルが発射されたら必ずJアラートを使うことに決めていたようです」(全国紙政治部記者)
たしかに、韓国の朝鮮日報(日本語版)の報道によれば、今朝のミサイル発射に先立って「北朝鮮のミサイル発射の兆候をとらえた」との報告を受けた文在寅大統領は、午前2時の段階ですでに軍を待機させ、対応態勢を指示していたという。
事実ならば、日本政府も同じ頃には北朝鮮ミサイル発射の情報を、かなりの確度で得ていたはずだ。
「ただ、コースまでははっきり特定できなかったので、広範囲で警告を鳴らしたんでしょう。実際、今回は、ミサイルが上空を通過した北海道からおよそ千キロも離れている長野県でも警告が鳴ったわけですからね。こんなおおざっぱな警告じゃ、なんの対策にもならないと思いますが(笑)」(前出・全国紙政治部記者)
ようするに、あの何の役にも立たない警告音は、安倍政権のパフォーマンスでしかなかったわけだ。
いや、Jアラートだけではない。安倍首相自身も明らかに事前に発射を察知し、パフォーマンスを準備していたフシがある。
・ミサイル発射を事前に察知してパフォーマンスを用意していた安倍
というのも、普段から公邸をあまり使わない安倍首相が、昨日27日から今朝にかけては官邸に隣接する公邸に泊まってからだ。
しかも、昨日は午前10時に官邸に行くと、正午には北村滋・内閣情報官、午後4時15分に石川正一郎・拉致問題対策本部事務局長、午後5時17分に兼原信克・国家安全保障局次長と金杉憲治・外務省アジア大洋州局長、同30分に薗浦健太郎・首相補佐官(安保重要政策担当)など、諜報、外交、安保周りの要人と面会し、午後6時台には公邸に入って、そのまま永田町で朝を迎えた。
誰がどうみても、本日早朝を見越したような動き方だ。
そして、安倍首相は、北朝鮮からミサイルが発射されるや、すぐさま官邸に向かい、記者団に対して例の芝居がかかったセリフを口にし、国民の危機を最大限煽ったというわけだ。
もし、安倍首相が北朝鮮のミサイル発射を「これまでにない深刻かつ重大な脅威」ととらえ「国民の生命と安全を守る万全な態勢をとる」などというなら、事前に察知したミサイル発射情報をきちんと公開して、国民に冷静な対処を呼びかけるべきだろう。
ところが、安倍首相は実際に発射されるまで情報を隠し、それを自らのために利用した。Jアラートを使って不必要な国民の不安を煽ると同時に、自らの「迅速な対応」や「毅然とした態度」をメディアで大げさに宣伝し、政権浮揚のきっかけにしようとしたのだ。
改めて繰り返しておくが、北朝鮮のミサイル発射自体は危険極まりなく、世界平和を求める国際社会の一員として、冷静に批判していかねばならない。
しかし、一連の北朝鮮危機と生活者の不安を煽って、好戦的な世論形成と支持率上昇に利用しようとしている安倍政権の企みもまた、平和主義にとって危険きわまりない。
早朝から叩き起こされたことに腹を立てたホリエモンは、「クソ政府」とつぶやいて炎上しているが、それとはちがう意味で安倍政権はまさに「クソ政府」である。
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役立たず「Jアラート」を使ったのは北朝鮮危機を煽りたい安倍政権のパフォーマンスだった!
excite.ニュース 2017年08月30日
https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_3420/
■Jアラート茶番と憲法審査会
note さや 2023年4月13日
■憲法改正・緊急事態条項)本日のJアラートは、日本国民を煽り、憲法改正・緊急事態条項へ持ち込むための、雰囲気醸成
はてなブログ 2022-10-04
■「Jアラート」で国民の危機意識を煽り、支持率アップを画策する「嘘つきコソ泥」安倍政権
はてなブログ 2017-06-30
■【なぜ、北朝鮮は予算審議と選挙時にミサイルを打つのか?】北朝鮮のミサイル発射は安倍晋三首相の自作自演!?トランプと金正恩はなぜ奇妙に仲がいいか~トランプと金正恩、そして自民党…米国と自民党のマッチポンプなのか?~
note 2023年2月19日
■安倍政治はこうしてメディアを支配した?
「クローズアップ現代」「報道ステーション」「ニュース23」と、硬派な報道番組で政権に物申してきたキャスターたちが全て降板」
週刊現代(週刊新書)2016/06/11 堀川惠子
■安倍政権の重圧か…各局批判キャスター相次ぎ交代
「報道ステーション」の古舘伊知郎氏をはじめ、TBS系「NEWS23」の岸井成格氏と膳場貴子氏、そしてNHK「クローズアップ現代」の国谷裕子氏らが番組を去る
「この一連の流れの中で共通するのは、安倍政権の批判は許さないという、確固たる姿勢だ」
日刊スポーツ 2016年1月29日
■「報道ステーション事件」はメディア界の問題だ
安倍政権の「揺さぶり」にどう向き合うか
論座(朝日新聞) 2015年04月13日 篠田博之 月刊『創』編集長
■『報道ステーション』から安倍政権批判が消えた理由! 杉田水脈問題も赤坂自民亭もスルーする異常事態
excite.ニュース 2018年07月29日
■安倍政権のメディア支配はなぜ成功したのか 上杉隆氏が解説
週刊ポスト 2013.12.20
■<メディア時評・安倍政権と報道の自由>言論の多様性 劣後に 規制と介入推進した前歴
琉球新報 2013年1月12日
■日テレ元局員が告発!テレビ局が行っている安倍政権PRの”偏向報道と印象操作”
「今回の衆院選では、マスコミ、とくにテレビ局の安倍政権に対する弱腰な姿勢が改めて浮き彫りになった。自民党が出した選挙報道に関する圧力通達にいとも簡単に屈し」
「安倍政権によるテレビへの圧力は第2次政権が発足した当初から始まっており、今やテレビはほとんど安倍政権のいいなりになっているのが現状」
「安倍政権を利するような印象操作を繰り返し、露骨な安倍政権寄りの偏向報道を繰り広げている」
excite news(エキサイトニュース)2014年12月11日
■安倍政権の黒幕「日本会議」のナゾと、支配されたマスコミの危機?「憲法改正」に向かう不気味なものの正体
週刊現代 2016.07.03
■ペンタゴン下請けのメディア 大本営発表から変わらぬ体質見せるウクライナ報道 反省なき戦後出発から今日に
長周新聞 2022年5月19日
■いま、桐生悠々に学ぶべきこと『そして、メディアは日本を戦争に導いた』 (半藤一利・保阪正康 著)
文春文庫 2016.03.16 保阪正康
■そして、メディアは日本を戦争に導いた
週刊朝日 2013年12月13日号 斎藤美奈
■報道自由度、日本は4つ下げ71位に 国境なき記者団
日本経済新聞 2022年5月3日
■報道自由度、日本は71位 国境なき記者団、四つ低下
共同通信 2022/05/03
■米国・電通のマスコミ支配
gooブログ 2015年03月14日 アメリカ:闇の支配構造と略奪戦争
■アメリカ→官邸→マスコミの共認支配
@niftyココログ 2016年2月25日
■電通を媒介にしたアメリカによるメディア支配
gooブログ 2012年09月21日
■日本のテレビ局が外国資本に支配されている件。
note 2022年3月12日 Noboru Matsushita
■日本のテレビ・マスメディア・政府は外国資本が買収済み「苫米地英人」
■上場「放送事業会社」14社の「外国人持ち株比率」リスト
直近3年分の調査結果を一挙公開
会社四季報オンライン(東洋経済)2021/03/31
■民放各社は米国に乗っ取られているのか
「民放各社大株主に米国系の投資ファンドが名を連ねている」
・外国人株主比率は日テレ22%、フジ約30%
「テレビ朝日が12.7%、TBSは13.34%」
日刊ゲンダイ(講談社)2015/11/09
■これが戦後の元凶だ! 米占領軍の日本洗脳工作「WGIP」文書、ついに発掘
「日本人を洗脳するために、どのように日本のメディアを操り、どのような情報を流すかを考え実行した」
「日本政府や日本の報道機関を通じて実施した間接統治」
産経新聞 2015/4/8 関野通夫
■【Jアラートと民放一斉報道テレビジャックは緊急事態条項改憲への政府とメディアの煽りなのか?】
緊急事態条項を自民・維新訴え 参院憲法審
毎日新聞 2023/4/6
■【Jアラートと民放一斉報道テレビジャックは緊急事態条項改憲への政府とメディアの煽りなのか?】
衆議院 憲法審査会 ~令和5年4月13日~
■【Jアラートと民放一斉報道テレビジャックは緊急事態条項改憲への政府とメディアの煽りなのか?】
衆議院 憲法審査会 委員名簿(令和 5年 1月20日現在)
■知らなきゃヤバい!緊急事態宣言と緊急事態条項の違いについて
2021/05/09
■憲法への新設が議論 「緊急事態条項」の危険性
2022/06/23 サンテレビニュース(兵庫県)
■伊藤 真 弁護士が語る「加憲」の危険性②「緊急事態条項」
2017/10/12
■【緊急事態条項】9割の国民が知らない危険な中身
2023/01/19 堤未果 / 月刊アンダーワールド / 公式チャンネル
■『ナチスの「手口」と緊急事態条項』
2017/10/03 集英社新書
■憲法改正 古舘伊知郎が語る緊急事態条項の危険性 報道ステーション
2022/07/14
■集団的自衛権、黒幕の米国が考えていること
日米安保体制はますます米国の思うまま
東洋経済オンライン 2014/07/01 高橋 浩祐
■現実味を帯びてきた、日本が米中「代理戦争」に利用される日
まぐまぐニュース 2016.04.21
■「台湾有事の時、メインで戦うのは日本」アーミテージ発言で露見した米国の“本当の計画”
2022.07.05
■安倍晋三首相が愛してやまない祖父、岸信介がA級戦犯を逃れるため米国と交わした裏取引きが!
「岸がアメリカから言われた最大のミッション」「アメリカの資金でつくられた首相」
exciteニュース 2015年8月17日 野尻民夫
■安倍首相の危険な最終目標
徴兵制復活、上世代に雇用奪われた若年層を戦地へ派兵の懸念
Business Journal 2014.12.13
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