東京証券取引所がシステム障害によって終日売買停止するトラブルがありました。
東証社長「市場運営者として責任痛感」 終日売買停止
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64470900R01C20A0000000/
あまり株式取引しない一般の方々は、あまり気にならなかったかもしれません。
ただ、このシステム障害。
個人的には非常に大きなインパクトがあると思います。
世界の金融市場の中でも、日本の金融取引の中枢とも言うべき存在が揺らいだ一件ではないでしょうか。
世界各国の金融関係者はほぼ全員、「日本大丈夫かな?」と思ったことでしょう。
私もその一人でした。
少し不安になったので、東京証券取引所システムに関して少し調べてみたところ、このような記事が、2017年「週刊ダイヤモンド」にありました。
それが以下です。
■東証がITシステムに初採用した「謎の米ベンチャー企業」の正体(週刊ダイヤモンド 2017.9.12)
https://diamond.jp/articles/-/141133
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長年、大手のITベンダーの牙城だった金融機関や自治体のITシステム。この牙城に異変が起きている。名だたる優良顧客が続々と、ITシステムを設立わずか8年の米国のベンチャー企業が提供するものに置き換えているのだ。(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木洋子)
東京・兜町で8月、ある“事件”が起きた。これまで大手日系ITベンダーが長年独占してきた東京証券取引所のITシステムを、一般人はほとんど聞いたこともない謎の企業が受注したのだ。
その企業の名はニュータニックス。米オラクル、グーグルなどの出身のエンジニア3人が、2009年に創業したばかりの米国のソフトウエア会社だ。
東証は多種多様なシステムを抱えており、株式などの売買を行う取引系の基幹システムと、上場企業の銘柄管理などを行う約30の情報系システムに大別される。
東証は今回、取引系以外の情報系システムの全てのインフラ部分でニュータニックスの採用を決めた。情報系システムの中には新規上場企業の審査情報や、投資家への情報配信など、重要情報を取り扱うシステムも多くある。デスクトップ仮想化システムを皮切りに、3〜5年かけて全ての情報系システムのインフラに広げていく計画だ。
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東証がITシステムに初採用した「謎の米ベンチャー企業」の正体(週刊ダイヤモンド 2017.9.12)
https://diamond.jp/articles/-/141133
2017年にすでに日本の金融を支えるべき東証は、海外企業が徐々にシステムの一部を担うようになってきていたのです。
驚きですね。
このような海外企業が徐々にシステムを担ってきていると仮定するならば、現在の国産富士通システムを切り替えるという可能性も出てくるのではないでしょうか。
今後の動きを注視する必要はありそうです。
仮に、海外企業が、東証システムを担うという決済がなされた場合、日本の金融の象徴「東証」は、ある意味コントロールすることも可能となる、そのような危惧もあり得ます。
非常に怖いですね。
そういえば、昨今の「資本主義」も最近行き過ぎているのでは?と感じることがあります。
今米国の金融業界は世界的に非常に大きな「力」を持っています。
米国の金融業界は、いわゆる「IT業界」を取り込み、「フィンテック(FinTech)」なる、金融サービスと情報技術を結びつけた動きが加速しています。
このIT業界、金融業界が、今の米国政権と結びつき、非常に世界をも覇権を握る「権力」に成長していると言われています。
例えば、大統領の発言の前後には、株式市場の動きが活発化するような動きが感じられます。
その大統領発言と株式市場の動きが連動し、一部事前に用意された「シナリオ?」とも感じられるような事象が度々見受けられます。
一つの国家以上に「資金力」を持つ、米国系ヘッジファンド、PEファンド、投資ファンドは、その意向で各欧州株式市場、アジアの株式市場など、世界の株式市場をリードし、ある意味金融市場をコントロールするような力をも持ち合わせている、とも言えます。
このような状況下、大きなリスクとなるのが、日本企業の買収です。
敵対的買収TOBが日常茶飯事となっている昨今。
上場しているほぼすべての企業は、あらゆる「資本」の傘下になる可能性があります。
もちろん、あのトヨタも、日本を代表する企業も、買収される可能性があるのです。
このような意味では、「資本主義」は、日本の企業、日本の組織、日本の技術も、簡単に買収できる「仕組み」ではないでしょうか。
私たちが信じる「自由主義」の株式市場、金融市場。
一つの国家以上に「資金力」を持つ巨大権力は、「意志」を持ちながら、世界各国の金融市場を動かし始めている可能性もあります。
もしかしたら、今、あらゆる金融市場は「操られている」と言っても過言ではないかもしれません。
仮に、このような状況となった場合、最後の砦は政治、日本政府です。
しかし、米国政府は金融業界、IT業界の超富裕層から多くの影響を受けているのも事実です。
これまでのように米国政府にただ言われるがまま、追従する日本政府であることは、このような金融市場の観点においても、大きなリスクではないでしょうか。
金融市場の動きは、私たちの生活をも直結しています。
「職場」「失業」「給料」「ボーナス」「貯金」「保険」「投資」などなど。
大きな影響があります。
行き過ぎた「資本主義」による危機は、私たちの日々の営みをも、変える力を持っています。
私たち日本は、安全だ、安心できる、という常識。
日本経済は強いという常識。
でも、その常識は、過去のものかもしれません。
今少し、日本は経済大国という常識を疑ってみる必要があるのかもしれません。
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