市川実日子の「大切な」言葉たち~市川実日子の名言・人生・生き方・性格など~




市川実日子の「大切な」言葉たち

人と会ったあと、映画を観たあと、写真を見たあと、なぜか私は印象の中に「手」が残る。

初めて自分のものを自分で選んだのは、文房具だったような気がする。

こんな私だけれど、ここに居ていいと言われた気がしてすごくうれしかった。たぶん、そんな喜びとつらさが積み重なって今の私があるんだと思うし、他では感じられないものがあるからこの仕事を続けているのかなと思います。

だけど、モデル一本にしてから時間が経って、自分の中に隙間ができたことがあって。タイミング良く映画の話がきて、『監督に会ってみない?』と、当時の事務所の社長に言われて。『会ってみて、あなたが感じることもあるだろうけど、監督だって”やっぱり違った”ってこともあるんじゃない?』と言われて、”あ、そうか!”と、気が楽になったんです(笑)

もしかしたら、毎日会社のなかで意識的にも無意識的にも女性が感じている、ちょっと我慢したりとか、男性上司に対して思っていることとか、そういうのが無意識レベルから発散される何かがあるんですかね、尾頭さんのキャラって。みんな何を思っているのか、わたしが知りたいです。

”この方、どういう方なんだろう?”と思って(笑)。家に帰って、余計にまた混乱して。すごい悩んでいたのを覚えてます。だけど、知らないことに飛び込む好奇心はあるので、”怖いけど飛び込んでみよう!”と思って。

恥ずかしい気持ちは隠そうと思っても隠しきれないし、”周りはプロの仕事をされているのに、恥ずかしがっていてどうする!”と思って、”恥ずかしがっていることが、恥ずかしいんだ!”って思うようになって。私はそこの場に行きたいわけだから、自分ができる意識の変え方というか、どうしたらいいのかなというのを考えたりしましたね。

怖いです。でも、怖いで逃げていたら続いていませんから、立ち向かいはしますけど。逃げたいけど逃げずに向かうと、いつも何か発見や知ることがあるし、出会いも、喜びも見つかる。いつも怖くて、緊張して、でも何かを知って続けていく…そんな繰り返しです。

自分の物差しみたいなものができてきたというか。20代のころは周りの人に何か言われて、わからなかったり、おぼろげに違うと思っても”あぁ、わからないや”で終わっていたけれど、今は自分の思いを前よりも伝えられるようになった。わからなければ質問するし、やりたいことを伝えます。もちろん、私が思っていることが毎回正解ではないですけど、昔はおぼろげだった”こうしたい”という思いが、自分の中でだんだんはっきりしてきた。

ピンときて”これはやったほうが良さそうだ”なんて思うこともありますね。もう、理屈じゃないんです。ただ、事務所の人に相談もしますよ。自分で自分のすべてを客観視することはできないですから、周りの声を聞くことも大切だと思っています。

20代は埋めるために何かしたこともありましたけど、今は空いたままでいいんじゃないかなって。穴が埋まっている日もあれば、空いてしまうこともある。人ってそういうものなんじゃないかと思うんですよ。それに、空いている人のほうが私は惹かれますね。

市川実日子とは?(人生・生き方・性格・プロフィール・略歴など)

市川実日子 (いちかわ みかこ)
1978年6月13日生まれ、東京都出身。

趣味は写真・手芸。
スールキートス所属。姉は同じくモデル出身の女優の市川実和子。

10代の頃からモデルとして活躍。
市川実和子の妹として雑誌『Olive』に何度か登場したあと、1994年に同誌の専属モデルとなる。

2000年『タイムレスメロディー』で長編映画デビュー。
03年に映画『blue』(安藤尋監督)で第24回モスクワ国際映画祭最優秀女優賞を受賞。

主な出演作に、『嫌われ松子の一生』(06/中島哲也監督)、『めがね』(07/荻上直子監督)、『マザーウォーター』(10/松本佳奈監督)、『レンタネコ』(12/荻上直子監督)、『ぼくたちの家族』(14/石井裕也監督)、『シン・ゴジラ』(16/庵野秀明総監督)、『三度目の殺人』(17/是枝裕和監督)、TBS系金曜ドラマ『アンナチュラル』など。

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