セルソース株式会社創業者、裙本理人:文系出身が、なぜバイオベンチャーを創業できたのか?

セルソース株式会社創業者、裙本理人:文系出身が、なぜバイオベンチャーを創業できたのか?

 

文系出身が、なぜバイオベンチャーを創業できたのか?

 

 

裙本理人/セルソース創業者

 

 

文系出身の僕は、「なぜバイオベンチャーを創業できたのか」とよく質問を受けます。

確かに、文系出身のバイオベンチャー創業者は、ほとんどいません。

 

多くは、有名大学出身の医師や科学者です。

しかし、そうした企業が必ずしもうまくいっているとは限りません。

 

僕は住友商事にいた時から企業やビジネスモデルの研究が好きで、よく色んな会社の業績や株価をチェックしていました。

財務諸表を眺めながら、この会社は伸びる、伸びないと分析して、実際に投資もしていました。

 

もちろん、バイオベンチャーもすべて研究しました。

ところが、医師や科学者が経営している企業の業績は、大半が赤字。

 

成功している会社は少なかったのです。

専門知識を備えた医者や科学者でなければ、バイオベンチャーは経営できないというのが常識ですが、もしかしたらそれは間違っているのかもしれない。

 

そこでこう考えました。

だとすると、本当にバイオベンチャーの経営者に必要な要素は、専門知識や技術ではないのではないか。

 

むしろこれまでの常識とは逆に張って、文系で商社出身の僕が、ビジネスマインドを医療業界に持ち込む方が成功できるのではないか、と。

つまり、課題ドリブン・マーケットイン思考ではなく、技術ドリブンで生まれるプロダクトアウト側のサービスでは、ビジネスは成功しにくいということです。

 

その中で、僕は文系出身。

技術的なスペシャリストではありません。

 

だからこそ、マーケットインの発想、課題ドリブンでビジネスを考えるしかありませんでした。

今セルソースがコアビジネスにしている細胞加工事業は、明らかにニーズが大きいマーケットでした。本来は当たり前のはずですが、バイオベンチャーでは珍しいマーケットインという逆張りの発想で、再生医療の世界に足を踏み入れました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裙本理人(セルソース創業者)とは?

 

 

裙本理人(つまもと まさと)。

1982年生まれ、兵庫県出身。

 

2005年神戸大学発達科学部卒業。

同年、住友商事株式会社に入社しロシア・北米地域の木材資源関連ビジネスを担当。

 

2007年よりロシア サンクトペテルブルグ大学にロシア語学研修生として留学。

その後、極東のプラスタンにて、ロシア最大級の木材加工工場立ち上げプロジェクトに従事。

 

商社の最前線で様々な情報に触れる中で、これからの社会における医療の可能性と必要性に着目。

その中でも臨床の段階に進み始めたばかりである再生医療の分野での挑戦を決意。

 

2014年、再生医療等安全性確保法が施行されるタイミングで住友商事を退職し、再生医療関連の事業をスタート。

2015年、セルソース株式会社を設立し代表取締役に就任。

 

2019年10月、東証マザーズへ上場。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裙本理人(セルソース創業者)の「コトバ」

 

 

 

 

これまでに剣道とトライアスロンをやっていて、いわゆる体育会系でずっときました。そして大学卒業後、総合商社、住友商事に入るという選択をして約10年働きました。そのうち約5年間はロシアに駐在して資源ビジネスをしていました。具体的には、ロシアの都市部から遠く離れる雪山の中で、駐在員として、木材加工工場新設プロジェクトを担当し、日本・中国・韓国・台湾に加工品を輸出するというビジネスを構築しました。色々なビジネスに触れ、多くの人と出会う中で、これからの未来において必要とされるビジネスが何かを考えていました。その中で医療は間違いなく必要なものの1つと確信し、医療をテーマに新しい挑戦をすることにしました。時期を同じくして、世界に先駆けて日本で、再生医療等安全確保法(通称、再生医療法)が施行されたことも、この決断に至る大きな要因となりました。

 

 

 

 

 

 

 

小中高大と剣道に明け暮れ、スポーツ一筋だった僕のキャリアのスタートは、住友商事でした。新入社員時に、自ら希望して社内で最も過酷と言われる木材資源事業部の配属になり、起業するまでの10年間のうち約5年をロシアで過ごしました。ロシアでの生活は、僕の人生に大きな影響を及ぼしています。起業を意識したのは、入社6年目。28歳の時です。僕が当時所属していたトライアスロンの社会人チーム「ALAPA」には、経営者の方がたくさんいました。チームの先輩たちの話を聞いて、単純に新しいチャレンジをしたいと思った。簡潔に話すと、それだけです。ただ、住友商事での仕事も刺激的で、そう簡単には辞めようと思えませんでした。自分はこのまま、会社に居続けるか。それとも、外の世界に飛び出すか。もしかすると、ビジネスパーソンの中には、僕と同じような悩みを抱えている人もいるかもしれません。僕が、その悩みに結論を出すきっかけとなったのが、自分の人生の「成功」を定義したことでした。一生かかっても使い切れないくらいお金持ちになる、世の中から賞賛されるような地位や名声を得る。人それぞれ、成功の定義は異なります。そして僕は、そんなに物欲もないし、有名になりたいと思うタイプでもありません。自分の人生は、どうなれば成功だろう。住友商事を辞めることが幸せか、起業だけすれば満足か。散々悩んだ結果、導き出した成功の定義が「自由」でした。

 

 

 

 

 

 

 

自由にも色々な種類があります。僕はその中から、以下の3つの自由を手に入れることが、成功であると定義しました。
1. 経済的自由(ある程度余裕のある暮らし)
2. 空間的自由(好きな時に好きな場所に行ける)
3. 人間関係の自由(尊敬できる仲間と時間を過ごす)
やりたい時にやりたいことができる。経済的にも、不自由しない。働く場所も時間も制限されない。そして、付き合いたい人とだけ付き合う。もしそれが実現できれば、自分にとってこれ以上ない幸せだと気がつきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

書き出した選択肢の中で、全ての自由を満たす可能性が最も高かったのが、自分に投資をして起業することでした。自分に懸けるのは刺激的で、もし失敗したとしても後悔だけはしないのではないか。そう考えた時に、僕は「起業」を強く意識し始めました。スタートアップの起業ストーリーは、強烈な原体験に起因していたり、日常生活の中で不便なことに出会ったりするケースが多いように感じます。でも僕は、自分が自由になりたいという、圧倒的に「個人的」な理由で起業しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

起業することだけを決断しても、ビジネスはできません。どの分野で戦うか、様々な可能性を探りました。まず前提として、絶対に譲れなかったのは自分が心の底から打ち込めるということ。当たり前の話ですが、自分のビジネスで誰かが損をすることはしたくありませんでした。さらにいえば、お金が儲かればいいというだけではなく、社会的な課題を解決するという点も重要視しました。あれば生活が豊かになるというエンターテインメントのようなジャンルではなく、人の苦痛など、生命活動の根底に関わる領域です。そして、ずっとビジネスの種を探している中で、少しずつ話題になり始めていたのが、世界で初めてとなる再生医療関連の法律の施行についてでした。2014年、再生医療の実用化推進を目的として、「再生医療等安全性確保法」などが施行されました。この法律によって、再生医療に必要な細胞加工の外部委託が可能になったのです。それまで細胞の加工は医療機関が加工センターを併設して行うしかありませんでした。しかしそれでは、稼働率が低く、医療機関は採算が合いません。莫大な初期投資も必要です。ところが、法律ができたことで、企業が細胞の加工を一手に引き受けられるようになりました。僕はそれを、絶対に逃してはならないチャンスだと思いました。住友商事時代に、法律ができる、変わる際には、ビジネスチャンスが眠っていると過去の経験から学んでいたからです。しかも医療は当然、僕が譲れなかった社会的意義もあります。また、マーケットとして捉えると、医療は絶対になくならないと思いました。それは、ビジネスを継続する上でのリスクヘッジにもなります。

 

 

 

 

 

 

ロシアでの生活とともに、僕の人間形成に大きな影響を与えたのが、スポーツです。僕は5歳から剣道に励み、神戸大学時代も体育会剣道部で主将を務めました。剣道は団体戦もあり、チームスポーツの側面もありますが、基本的には究極の個人戦です。自分の集中力を極限まで高めて一瞬に賭ける。それがとても刺激的でした。

 

 

 

 

 

 

 

当時、志していた職業は教師です。ずっと体育会で育てられた僕は、いつか学校で剣道部の顧問をやってみたいと、中学生くらいからぼんやりと思っていました。スポーツに恩返ししたいという思いが強く、大学2年生の頃までは、教師以外の選択肢を考えたことはあまりありませんでした。実際に大学で、中高保健体育の教員免許も取得しています。

 

 

 

 

 

 

尊敬していた剣道部の先輩が勤めていたのが、住友商事でした。話を聞くと、商社には海外駐在があり、世界中でビジネスができるらしい。僕は、より高いレベルで戦えそうな「グローバル」というキーワードに強く惹かれました。何をやるにしても中途半端ではなく、できるだけ上のレベルで挑戦したい。とことんやったほうが面白いという感覚があります。

 

 

 

 

 

 

面接で重要なのは、付け焼き刃の対策ではなく、答え方や眼の力強さなどからにじむ人間性だと思います。回答の内容よりも、立ち振る舞いや声のトーンなどから、「この人は面白いな」と感じてもらえるかが大切。それまでの人生経験が、何よりも問われるのだと思います。当時、僕はちょうど剣道で足をケガしていて、リクルートスーツではなく、ジャージーに松葉杖姿で面接に臨んだ記憶があります。理由を説明すれば、理解してもらえると確信していました。就活本などからすれば、全くTPOをわきまえないとんでもない学生ですが、それでも採用してもらえたことを考えると、一般的に言われている対策は、あまり本質的ではないのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

目の前の仕事に一生懸命にならず、一足飛びに面白い仕事ができる人材になれるわけがないとも思っていました。こうした考え方は、剣道からの学びも多分に影響していたと思います。当時、常に考えていたのが、効率です。例えば、コピー。100部必要な場合、コピー機を1台使うよりも、当然ですが、2台で50部ずつ刷ったほうが早く終わります。そうした細かい一つひとつの作業を、ゲーム感覚で効率化していくことを徹底していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

セルソースのコア事業は、細胞加工の受託ビジネスです。そこに狙いを定めたきっかけは、新たに施行された法律でした。2013年の議員立法を経て、世界で初めて日本で、再生医療関連の法律が制定されました。2014年に施行された再生医療等安全性確保法と呼ばれる法律によって、今まで医療機関に限定されていた、細胞の培養などの加工について、外部委託が可能になりました。株式会社が事業として展開することを許されてこなかった細胞の加工が、1つのビジネスとして認められたわけです。それまでの細胞加工は、医療機関が細胞加工センターを併設するしかありませんでした。しかしその場合、自医療機関の患者分の加工しか担えず、加工センターの稼働率が低く、採算が合いません。また細胞加工センターの設置に、莫大な初期投資が各医療機関で必要となります。細胞加工を各医療機関から一手に引き受けて、再生医療に用いる細胞加工のセントラルキッチンを作ることができれば、きっと重宝されるはずだ。僕はそう、確信しました。ただし、再生医療といっても、疾患ごとに、多種多様な細胞が用いられます。その中で、僕たちが最初に注目したのが、大きな変形性膝関節症のマーケットです。日本だけで膝の痛みを抱える人は、約3000万人いるといわれています。にもかかわらず、痛みの原因を取り除く安価な根治療法は現時点では確立されていません。いまだに約3000万人の患者が、日々、膝の痛みで苦しんでいるのです。

 

 

 

 

 

 

創業時、僕には2つのこだわりがありました。1つは、まずは自己資金だけでビジネスを始めることです。スタートアップがベンチャーキャピタル(VC)からお金を調達することを、当然とする風潮がありますが、僕たちはその前提を疑うことから始めました。VCから投資してもらう際、起業家は夢を語ります。最初は赤字だけども、将来、社会を変えて、きっと大きなリターンを生みますと。もちろん、夢が現実になり、最終的に投資家に大きなリターンをもたらす企業もあるので、VCからの調達を全て否定したいわけではありません。ただ、その夢が実現しないケースは多いし、調達額がメディアでニュースになり、それに一喜一憂しながらお金を集めることが目的になっている企業も少なくないように感じていました。リスクを投資家に負担してもらいながら、結果も出ないうちから、都心のオシャレなオフィスで働いて、社有車に乗ってという起業家は、優先順位がおかしいと僕は思っていました。夢だけを売っていても、いつか本当の実力は晒されます。だからこそ、スモールでも良いから、自分たちのミニマムのサービスを創り、トライアンドエラーを繰り返しながら、市場化を図る。その繰り返しこそがまずは重要であると考えています。結果的に、稼ぐ力がない企業は、初期のリスク負担を負担してくれた投資家にさえ、迷惑をかけることになります。それこそが、僕にはどうしても大きなリスクだと思えました。創業メンバーの出資による自己資金のみで始めて、最初は小さくても、しっかり世の中に価値を提供する。そして徐々にその規模を拡大させる。その対価としてお金をいただき、売り上げや利益が成長していくのが、あるべき起業の1つのスタイルだと思います。そして、ミニマムで成功することがわかり、さらにドライブをかける勝負の時に、初めて出資してもらったり、上場によってお金を調達したりすれば良い。セルソースは、2019年に上場するまで出資は一切受けず、創業メンバーの自己資金だけで経営してきました。結果的に、上場による資金調達が初めてのエクイティファイナンスとなりました。

 

 

 

 

 

 

もう1つの僕のこだわりが、1期目から事業を黒字化させることでした。もちろん1期目から黒字にしなくても、ビジネスとして成り立つ可能性は十分にあります。でも、収益化が難しいといわれるバイオベンチャーで1期目から黒字を出せば、センセーショナルなデビューになると思っていましたし、バイオベンチャーの常識を覆す一歩になると思いました。もちろん、創業当初は苦しみました。VCからの出資も受けず、無名の文系の起業家が再生医療を手がけるといっても、簡単には信用してもらえません。病院に営業に行っても冷たい反応が大半でした。そのため1期目は、再生医療のビジネスだけでは黒字化できませんでした。そこで、キャッシュフローの獲得を目的に手がけたのが、美顔器と化粧品の販売でした。当時は再生医療だけでは毎日、赤字を垂れ流しているだけなので、黒字化どころかすぐに資金が尽きてしまいます。その赤字をイーブンくらいにまでカバーするために、最も手っ取り早くマネタイズできるものが物販でした。大量に安く仕入れて、少し利益を乗せて売る、非常に単純なビジネスモデルです。ビジネスモデルそのものは美しいとは決して言えません。ですが、貪欲にこのビジネスでキャッシュフローを回し、稼いだお金を再生医療関連事業に投資する。それによって、本来あるべきセルソースのビジネスモデルを作り上げる姿勢こそ、正しい起業家の姿だと本気で思っていました。アマゾンの売れ筋であり、物販を手がけても勝算がありそうだった美顔器と化粧品。資本金9000万円のうち3500万円使って、1000台規模で大量に仕入れました。今振り返れば、極めて異例のスタートだったと思います。バイオベンチャーが資本金を使って美顔器を買うのですから。もしVCからの出資を引き受けていたら、この判断はできなかったかもしれません。結果的に、アマゾンのマーケットプレイスで飛ぶように売れて、再生医療の赤字を補填し、1期目から黒字化を達成しました。美顔器に助けられたわけですが、いきなり黒字化できたことは、上場の際に高く評価してもらいました。特に、「黒字」に貪欲な当たり前の考え方が、逆に新鮮であると多くの方から驚かれたことを覚えています。

 

 

 

 

 

 

まず僕たちは、どんな仕事をするにしても、最初に「そこに課題はあるか」を問います。課題がないこと、誰かの問題解決につながらないことは仕事にしない、というのが僕たちの考えです。大きいものから小さいものまで、何か価値を生み出すということは、何らかの課題を解決するということです。それは、資料の修正1つでも同じです。本当にそこに修正を要する課題があるのであれば、整えるべき。でも、それを修正したところで何の課題も解決されない、単なる自己満足なのであれば、仕事の対象外である。やめてしまおうと考えます。その中で、消えていった作業はたくさんあります。例えば、社内チャットでの挨拶。「お疲れ様です」とか「お世話になっています」というワードは、社内では必要ありません。活用率の低かったリフレッシュ休暇制度も廃止しました。その分、有給休暇を増やして、より自由に休みを設計できるように変更しています。1週間まとまった休みが取れない、取りたくない人が、無理をしてまでリフレッシュ休暇を利用する必要はありません。旅行に行くなどで1週間まとめて休みたい人は、有給を続けて取れば良いし、小まめに使う人がいても良い。制度のために社員が働きづらくなるという状態は、好ましくありません。

 

 

 

 

 

 

「そこに課題はあるか」という原則をクリアしたものは、2つ目の問いに進みます。次が「それは真実か」。どうしても自分がのめり込んだ仕事は思い入れが強く、絶対にやるべきだと考えてしまいがちです。そのため、冷静に判断するためには、バイアスがかかっていないかチェックが必要です。このステップでは、課題を再考する意味を込めて、本当にやるべき仕事なのかを他のメンバーと一緒に検証します。もし真実ではない、課題はないと結論づけられれば、事業であれば即座に撤退しますし、どれだけ小さな仕事であってもやめることを徹底しています。そして最後の段階が、「私たちはそれを解決しているか」。もし解決できているのであれば、それこそが意味のある仕事であり、そのまま続けるべきものです。一方で、解決に至っていないのだとしたら、改善や向上を続けてリトライする。課題があることは検証済みなので、難しくても撤退を検討するのではなく、解決の方法を探ります。そこに課題があって、解決策を何度も何度もトライ・アンド・エラーで練り直すこと。このサイクルは、まさに意味のある仕事であると僕たちは考えています。セルソースの仕事は、すべてこのルールに基づいています。今、世の中では「働き方改革」が重要だといわれています。もちろん僕も賛成ですが、単純に働く時間を短くするだけではなく、本当に必要な仕事かどうかを精査することから始めるべきだと思います。働き方改革がワークしないのは、個々の従業員のやりたいことと、会社として取り組むべき課題を整理できていないケースが大半です。残業が増えてしまう働き方の多くは、意味のない仕事をしているから。僕は、真の働き方改革とは、単純に短時間労働と定義づけるのではなく、意味のある仕事に集中するべきことだと思っています。手がけるべき仕事を整理して、それだけに打ち込めば、おのずと労働時間の短縮につながるはずです。

 

 

 

 

 

 

 

「売上や利益は、社会に対して提供した価値の対価である」ということ。そこを正しく真面目に追求することは、恥ずかしいことではないし、むしろ絶対に必要なことであると考えています。永く続く会社を創ることが、社会へ責任を果たすことに直結します。社員の生活ももちろん大事です。利益がなければ、研究が途中で止まってしまいますし、将来提供できる価値が小さくなってしまいます。つまりビジネスがしっかり回っていなければ、そもそも会社としての目標を達成することは不可能であるということです。一般的な資本主義社会では当たり前と思われるこの考え方が、医療業界においても極めて重要だと定義して、日々の事業に邁進しています。決して利益第一主義ではありません。社会に対して正しい価値を提供することが最大の目標です。利益はその結果として必ずついてくるものだということです。

 

 

 

 

 

セルソースが今1番力を入れていることは、再生医療がまだほとんど実際の臨床応用のフェーズ、ビジネスのフェーズになっていない中で、いち早くサービスとして事業を構築することです。社会に確かな価値を提供して、その対価を得つつ、医療を通じてより良い世界に変えていくチャレンジを全メンバーが本気になって取り組んでいます。やはり人間は健康が何よりものベース。健康でなければ、新たな価値の創造は非常に難しいと思います。「これからの将来、どのように生きたいか?」と根源的な欲求に迫る質問を、様々なタイプの成功者に聞くと、「健康」は絶対に出てくるキーワードでした。「不老不死」も何度か出てきました。そこは、医療と密接に関わっているところであり、非常に意義深いテーマだと思っています。単なるお金儲けでは決してありません。これからの人間が抱える非常に重要なテーマと考えています。

 

 

 

 

 

 

既存の医療業界を破壊することではなくて、関係者全員が高い倫理的な思考を持ち、正しく安全な医療を通じてより良い社会を作っていければ良いと思います。きれいごとではなく、これからの社会にとって最も重要なことだと思っているので、必要なことを1つ1つ粛々とやる。人生1度だけですし、時間も限られているのでとにかく早く、最大の効率で進めないといけない。そのためにAIやブロックチェーンの技術を学び、取り入れ、革命を起こしていく会社にしたい。医療は医療の世界で、ガラパゴスでやっていきましょう、ではなくて、異分野で起こっていることも真摯に貪欲に学んでいくことが必須。既存の権利を守るためではなくて、いい社会を作るためにどうしたら良いのか、医療を通じてフラットに考えていきたい。

 

 

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