コールセンターをアウトソーシングしない理由とは?
高田明/ジャパネットたかた創業者
アウトソーシングはメリットが多いといいますが、まったく逆だと思います。
なぜ私たちがコールセンターも自社で持っているかというと、自分の会社を大きくするよりも、100年続く会社にしたい。
会社のやっていることをブランドにしたいと思っています。
買っていただいた後のアフターケアまでをパーフェクトにしたい。
コールセンターは通信販売会社にとっては生命線です。
リアル店舗と違い、お客様と相対できませんから、電話を受けるコミュニケーターの一声に、お客様の気持ちは左右されます。
ですからコールセンターは単に受注するだけの場所ではないのです。
1番大事なものは責任だと思います。
アウトソーシングでは、結局は責任を果たせないと考えています。
高田明とは?
高田明。
長崎県出身。
通販会社「ジャパネットたかた」創業者。
プロサッカークラブ「V・ファーレン長崎」社長。
大阪経済大学経済学部卒業後、京都府内の機械製作会社の阪村機械製作所に入社。
大学時代に鍛えた英語が認められ東欧を中心に数年間海外赴任する。
帰国後、翻訳会社設立を目指すも挫折し、実家のカメラ店を手伝った後、独立しジャパネットたかたの前身であるカメラ店を創業。
その後、たまたま知人に依頼され出演した長崎放送のラジオショッピングで驚異的な売上を達成し、通販分野に進出することを決断。
ラジオだけでなくテレビにも進出し、独特な語り口で多くのファンを得た。
厳選!高田明の珠玉名言
スティーブ・ジョブズはプレゼンが上手いとよく言われますが、1か月前からプレゼンのプロを雇って、部屋にこもって猛勉強していたそうです。それぐらいやらないと伝わりません。
私は20数年間、食事時間は常に10分、社長室は1回しか使っていません。本当にそれくらい、ずっとスタジオに立ち続けたのです。どうすれば皆さんに商品の魅力が伝わるか、お客様目線で試行錯誤し続けました。だからこそジャパネットは皆さんにご支援いただけたのだと思います。
相手に納得してもらうには、「何を伝えるか」「どう伝えるか(方法)」の2つを考える必要がある。
最初の1分間は大切にしています。人は相手を見ると1秒でどんな人かを決めると言われます。テレビ通販でも、最初の1分間で心をつかまなければチャンネルを変えられてしまう。反対に、最初の1分間の話が面白ければ、1時間だって集中して聞いてくれます。ビジネスパーソンがプレゼンする時も同じ。持ち時間が20分あったとしたら、最初の5分間で何を言いたいかを相手に伝えられなければ、その提案は採用されないでしょう。
言葉だけに頼らないことも大切。私たちは口から声を発しますが、最もしゃべっているのは目かもしれません。「目は口ほどにものを言う」ということわざがありますよね。目だけではなく、手もしゃべっている、指もしゃべっている。何かを伝えたいなら、全身を使って表現することです。
「ジャムの理論」って知っていますか。ジャムをスーパーに並べて、5個並べた場合と20個並べた場合とでどちらがレジで売れるかといえば、5個のほうが売れる。人間は20も30も選択肢があると、もう面倒くさくて迷う。結果的に、その選択の部分を我々がやっているのだと思います。その代わり、ひとつの商品をたくさん売るのです。
私はこれまでの人生で眠れなかったことは1日もありません。私はいつも、今この瞬間を生きている人間です。これまで数えきれないほどスタジオに立ち続けてきましたが、毎回全力投球。そういう生き方をしてきたので、後悔がないのです。
異なるモノを混ぜて新しい物が生まれる例はたくさんある。異なる絵の具を混ぜたら全く違う色になるように、素材は今あるもので良いのです。天才的な独創性やひらめきが無くとも、イノベーションは起こせる。人生は変えられます。
ある女性のお客様はずっとお姑さんとうまくいっていなかった。でも、あるときジャパネットでカラオケセットを買ってくださったんですね。すると、実はお姑さんがカラオケが大好きで、これがきっかけでとても仲良くなることができた。そんな手紙をいただいたのです。まさに、その方の人生はこの商品で、価格で言えば29800円で変わったわけです。一つの商品には、人の人生を変える力があるのです。
失敗はないんです、100%(笑)。人生をシンプルに捉えて生きてますから、悩みもしないし、あえて失敗もないと。そういうと、なにかすごく横着に聞こえるかもしれないですけど、違うんです。失敗というのは、後悔するから失敗なんです。僕は、失敗を「試練」と思ってますから、一所懸命やった結果の失敗、いや、試練は必ず自分の身になります。
伝えることは饒舌に語ることではありません。本当の心を出せるかどうか。
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