ライフネット生命保険共同創業者、出口治明:人間の脳が活性化する条件とは?

ライフネット生命保険共同創業者、出口治明:人間の脳が活性化する条件とは?

人間の脳が活性化する条件とは?

 

出口治明/ライフネット生命保険共同創業者

 

 

人間の脳が活性化する条件はふたつあります。
ひとつは楽しいこと。
もうひとつはビックリすることです。
異質の文化が出会ったとき、お互いにビックリして脳が活性化します。
ですから日本の大学はもっと積極的に留学生を受け入れる方がいい。
隣の席で外国人留学生が必死で勉強していたら、日本の学生も刺激されて頑張るようになるでしょう。

 

 

出口治明とは?

 

 

出口治明。

ライフネット生命保険の創業者の一人。

 

三重県津市出身。

三重県立上野高等学校を経て、京都大学法学部卒業後、1972年日本生命に入社。

 

経営企画を担当として企画部や財務企画部に所属。

1981年、日本興業銀行出向。

 

1988年、生命保険協会で財務企画委員の初代委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。

1992年、ロンドン事務所長、ロンドン現地法人社長、北欧の政府やバルセロナ、コペンハーゲンといった欧州の大都市に融資を行う。

 

1995年、国際業務部長 就任、中国における生命保険事業の認可申請などを手掛ける。

2005年、東京大学総長室アドバイザー(非常勤)。

 

2006年、58歳の時に日本生命を退職。

その後、ライフネット生命保険の前身であるネットライフ企画を設立。

 

ライフネット生命保険は、日本で74年ぶりに誕生した親会社に保険会社を持たない独立系生命保険会社。

2013年に社長職を岩瀬大輔に譲り、自らは代表取締役会長に就任。

 

2017年6月に取締役を退く。

2018年1月に立命館アジア太平洋大学第四代学長に就任。同大学初の民間出の学長となる。

 

 

厳選!出口治明の珠玉名言

 

 

私は人の頭の良し悪しに大差はないと思っています。みんな「チョボチョボ」ですよ。もともとの頭の出来で言えば、そんなに賢い人もいなければ、そんなにアホな人もいません。

 

 

ミスを隠そうとするから余計にミスが起こる。私の会社では、問題が起きたらまず「ギャーッ」と叫べと言っています。叫んだら皆が集まってきて「どうしたんだ?」となるのでミスが直るのです。原因や責任はあとで考えればいい。

 

 

上司に嫌われたら困るという人はリアリズムに欠けていると私は思います。会社員は左遷される可能性のほうが高いからです。社長になれる確率を計算すれば明らかでしょう。社長になれなければ、みんなどこかのタイミングで左遷されるのです。自分だけが嫌われているなんて考えるのは幻想です。

 

 

勉強を始めるタイミングに、「遅い」ということはありません。「無知ほど人間を堕落させるものはない」と肝に銘じて、今日から始めましょう。

 

 

私たち年輩の人間は、若い人をもっと助けていかないといけません。日本の将来は若い人が引っ張っていくしかないんですから。

 

 

当社の採用基準はグローバル基準にのっとっているだけ。我々はベンチャー企業ですから、中途採用が基本です。その条件は「働きたいか(意欲)」「職場に来られるか(体力)」「どんなスペック(能力)があるか」だけです。年齢は問いません。

 

 

脳も人間の体の一部。筋肉を鍛えるように、脳も鍛えなければ賢くなるはずがない。

 

 

当社の保険の約款が平易な言葉で書かれているのは、僕自身が、読んでみて分からなかったから。会社を立ち上げる時に、同業他社の約款を改めて読みました。保険のプロのつもりだったのですが、その僕でも「これは分かりづらい」と思った。だから、平易な言葉にしたのです。

 

 

具体的な夢がなかったら、仮置きでもいい。人間は怠け者ですから、何か目的を設けないと動けない。

 

 

異質な人間を多く揃えないと経営は良くならないし、健全なビジネスにならない。

 

 

ピーター・ドラッカーの本が世界で一番売れている国は、日本だということをご存知ですか。ドラッカーの読者が増えたからといって、企業が成長しているかといえば、日本企業の業績も株価も低迷したまま一向にあがってきていません。要するに、他人に遅れまいとして、横並びの発想で同じ知識を頭に詰め込むことばかりにとらわれているからでしょう。

 

 

子供の頃、ほとんどの人は「偉人伝」を読んだことがあるでしょう。そのときは、昔の英雄たちの活躍に、胸を躍らせたり、感動したり、憧れたりしただけだったかもしれません。ビジネスパーソンの皆さんには、そうした伝記をぜひ、もう一度読み返してもらいたい。なぜなら、偉人伝こそ、最高の人生の教科書だからです。

 

 

残業をなくすポイントは「無・減・代」。つまり、「その仕事は無くせないか」「無くせないのなら、減らせないか」「他のやり方に代えられないか」。「無・減・代」を考えれば、残業が減ったからといって業績が下がることはありません。

 

 

21世紀の私たちは、いわば「海図のない航海」に出ているのです。絶対的なモデルがないから、どうしたらいいかは自分の頭で考えるしかない。

 

 

アメリカの面白い実験があります。部下が不満を持っている場合、責任ある上司が丁寧に話を聞いてあげると、原因が除去されなくても不満の7~8割は消えたそうです。人間は「聞いて欲しい動物」なのです。

 

 

私はよく「『済んだことに愚痴を言う』『人を羨ましいと思う』『人に褒めてもらいたいと思う』、人生を無駄にしたいならこの3つをたくさんどうぞ」という言葉を口にして、自分を戒めるようにしています。

 

 

私はリーダーの条件とは、究極的には3つしかないと思っています。
・自分がこのポストにいる間に何をしたいのかを明確にすること。
・自分のやりたいことにはどういう意義があり、いかに自分たちの組織のためになるのかを仲間に説得できること。
・仲間を当初考えた目的地まで引っ張っていく統率力。
一人では何もできませんから、リーダーは自分の考えていることを仲間にもわかるように話せなければなりません。

 

 

真のリーダーとは、「志」「共感力」「統率力」の3つがある人。一言で言えば、自然に人がついていきたい気持ちになるような人。それが、リーダーの条件。

 

 

スタートアップの9割は3年以内につぶれる。だが、そのリスクにチャレンジしなければ社会は変わらない。

 

 

会社の経営には「タテ・ヨコ思考」が一番大事だと思います。タテ思考とは、10年前に比べて成長率はどうなっているかを見るという時間軸での発想です。しかし、売上が伸びていることだけで満足したらダメです。同業などと比較するヨコ思考も必要で、業界内のシェアも見ないといけません。「タテ・ヨコ思考」はいろいろな場面で応用できるのでお勧めです。

 

 

うまく仕事ができない人は、たいてい「詰め」が足りない。とくに外国人と仕事をするときには、詰めが甘いと通用しません。

 

 

歴史を振り返ると、年長者と若者というコンビは多い。あのクビライは南宋接収という大事な局面で、イランからきたバヤンという若者を抜擢しました。カエサルも後継者として、18歳のオクタヴィアヌスを指名した。年長者と若者のコンビは、互いを補完しあい、また新しい挑戦をするにはふさわしい。

 

 

経営者にはビジョンが必要です。ライフネット生命は私の子供のようなものですから、日本人の平均年齢以上、最低でも100歳までは生き延びてほしい。そして、100年後には、必ず世界一の生命保険会社にする。これが、私の描くビジョンです。ちなみに、明治生命が日本で初めて保険会社をつくり、日本生命が1989年に世界1位になるまでがちょうど100年。そのファクトとロジックと数字から考えれば、私たちでも十分なれる。そう確信しています。

 

 

ビジネスは、「数字」「ファクト」「ロジック」がずべてだと考えています。会社というのは合理的な経営体で、長期の経営計画や決まった年間の予算がある。こうした取り決めに対して、どうやった方が効果的かということでしか意見の対立は生じないわけです。「数字」と「ファクト」を出し合って、どちらの「ロジック」が正しいかを考えれば、結論なんてすぐ出ます。

 

 

経営者の仕事は大きく2つ。メンバーが毎朝、会社に行きたくなるような楽しい組織をつくる。楽しければ必ずいいアイデアが生まれますから。これが9割。そして、残りの1割は、メンバーがわからないことをはっきり決めてあげる。これだけですよ。

 

 

事業は遊びではない。ビジネスです。どんなビジネスでも、徹底して事前調査をするのは当たり前のこと。

 

 

我々は全国枠でテレビCMをやったことがなく、地区と期間を限定して流しています。その結果、どのくらいのお客様がホームページにアクセスし、実際にどれくらい契約に至ったかを見ているのです。地区を限っているから、何もしなかったところとの比較ができます。効果があり1件あたりの獲得コストも安いという仮説が立てられれば、ほかの地区でもやる。いくつかの地区で行った結果、費用対効果が見えてくれば、料金が高い東京地区でもやってみようとなるわけです。

 

 

自分の中身を磨くには「人、本、旅」。普段からたくさんの人に会い、たくさんの本を読み、いろいろな場所へ足を運ぶことが、あなたの魅力をアップさせる。

 

 

1990年代に米シティコープのリーダーだったジョン・リード氏は、経営者の資質があると思った若者をまずシティグループの子会社の社長に抜擢した。そしてナンバー1として孤独に耐え、きちんと1人で物事を決めることができるかどうかを見極め、初めてグループの幹部候補にした。日本の大企業や金融機関にもたくさん関連会社がある。選手として優秀な人間に関連会社の社長をさせ、素質があるかどうかテストしてみてはどうか。

 

 

長所を伸ばし短所を直すことは、トレードオフの関係です。短所を直すと、長所も削られて丸くなる。つまり、同様なメンバーばかりになり、環境変化に対応できなくなるのです。

 

 

ライフネット生命は、生まれて間もないベンチャー企業。人もお金も足りません。同じ保険業界には歴史ある大企業がいくつもあり、新興企業がそれと同じことをやっていては、絶対に勝てません。生き残っていくためには「いかに人と違うことを考えるか」がすべてです。

 

 

ある分野で飛び抜けた実績を収めている人は、「好きなことはとことんやる人間」だと考えられる。そういう人を採用して、あとは長所を徹底的に伸ばせばいい。長所とは、言い換えれば尖っている部分。

 

 

立派な指導者は、一番下の人の意見を良く聞く。

 

 

普段、私が経営判断をするうえでもっとも参考にしているのは、モンゴル帝国の皇帝クビライです。ヨーロッパでは十字軍や異端審問が行なわれていた時代に、彼は思想・信条・宗教と政治を切り離していました。首都・大都(のちの北京)の設計をムスリムの技術者に任せたことが好例です。この例にかぎらず、彼は中国人やペルシャ人、アラブ人など、さまざまな国・地域から優秀な人材を登用しています。徹底的に合理的なのです。いってみれば、ダイバーシティの先駆けですね。経営判断をするときには、社会の常識に囚われていないだろうか、クビライのように合理的に判断できているだろうか、とつねに自分を顧みています。

 

 

努力が実りそうもないから何もしないというのは、生き方として疑問です。「この世界に生きる一人一人の人生は、世界経営計画のサブシステムである」というのが私の考えです。全員がいずれかのパートでふさわしい役割を果たすからこそ、この世界が維持されている。あなたの努力はあなたの人生だけでなく、この世界のあり方にも確実に影響を与えているのです。

 

 

僕がかつて、同期で最初に部長になったとき、山ほど祝電が届きました。でも子会社に行くことになったときは10通も来なかった。「人の気持ちは変わる」という事実を知らなければ、ショックを受けたでしょう。でも、変わるのが当たり前だと知っていれば平静でいられます。

 

 

世の中のことを考えると、経済も政治も文化も常に変わり続けている。たとえば、ダウ平均の発足当時から現在まで同一名称で採用されている銘柄はGEただ一社。ほかは全部入れ替わっています。それが世の中の常なのです。

 

 

最初は迷ってもいい。ラン・アンド・テストを繰り返し、分からないことがあれば、人に聞き、本に問い、道を探せばいい。そうしてひとたび腹が決まったら、迷わず振り返らずに進めばいい。

 

 

3年後や5年後にはあまり興味がありません。私が考えているのは、100年後の世界一だけです。

 

 

大事なのは個人の人生であって、仕事はその一部でしかありません。重視すべきはワーク・ライフ・バランスではなく、ライフ・ワーク・バランス。

 

 

感情の波もあるし、天気と同じでやる気が曇る日もある。そういう人間性を理解した上で、どういう仕組みを作ればポンコツの脳を上手く働かせることができるのか。これを考えるのが知恵というもの。だから、ちょっと観察してみてください。あなたの周りにいる、仕事ができる人、頭がいいと思われている人は、みんな自分を上手にごまかす仕組みを持っているはずですから。

 

 

これからの人生では、いまのあなたが一番若いのです。どうか頑張ってください。

 

 

失敗するのは当たり前。失敗を積んでいくうちに、人はだんだんと賢くなっていく。そもそも人生は、失敗の連続。僕もたくさん失敗してきた。

 

 

人生には波がある。天気と一緒で、晴れの日もあれば雨の日もある。その方が自然ですよね。鷹揚に構えていればいい。

 

 

自らが信じる何かを実現したいと強く思い、たとえ失敗しても諦めずに、1%の可能性を信じて挑み続けた人たちが、世界をより良く変えてきた。

 

 

世の中の常識のほとんどが非常識。

 

 

人間は感情の動物であり、人生の豊かさは喜怒哀楽の総量。

 

 

人生は自分探しの旅。人間は一生自分に合ったものを探し求めるもの。

 

 

僕は、世の中の人はほとんどみんな変な人だと思っています。人間はみんな顔が違うし、能力も異なるので、みんな異能人であり変人なのです。

 

 

businessカテゴリの最新記事