柴咲コウの「大切な」言葉たち~柴咲コウの名言・人生・生き方など~

柴咲コウの「大切な」言葉たち

私が芸能界の仕事を始めたのは、早く仕事をしてお金を稼げるようになりたかったからなんです。でも実際に仕事を始めてみると、ふがいないときや期待に応えられないことがあり、「次はこうやろう」と思っているうちに、やりたいことがどんどん膨らんでいきました。今もできないことがいっぱいありますが、浅かった自分の器が少しずつ削られているかなと思います。

“月のしずく”がたくさんの人に聴いてもらえた楽曲なので、その印象が強いのかなって思うんですね。ただ、女優業をやっててもそうですけど、人が自分に抱く印象とか先入観に捉われてきたので、音楽でもそうだとつまらないなっていうのはあって。

私自身は東京生まれの東京育ちで、あまり自然に縁のない生活環境だったんですが、小学生の頃、静岡に住む父の友人家族の家に、夏休みの間“ホームステイ”させてもらっていたんです。毎年、ひとりで高速バスに乗って訪ねていました。田んぼもあって、あぜ道があって、山に行くと渓流があってそこで魚釣りをして。思い返してみると映画『おもひでぽろぽろ』の主人公みたいな気分でしたね。この時に豊かな自然にふれた経験が、後の環境問題に興味を持つきっかけになったのかもしれません。

自信があるからやるってわけでもないんですけど、単純に、今年は私の心も穏やかな年だったかなって思うんです。バイオリズム的に、激しいものを好むというよりは、「ここいらで落ち着いた音楽をゆっくり聴きたいな」っていう。実際に長いお休みを取ったわけじゃないけど、心がお休みしてる感じだから、それにすごくマッチした曲になってると思うんですよね。「相手にどう聴かせたいか」ばっかり先行していたのが、ちゃんと自分を見つめ直して、今の自分がしたいことをやるっていう、主体性が出てきたので。

経験を積むっていうことが一番のポイントだったかな。“月のしずく”のときはテレビで歌うのも初めてだったから、すごい緊張して、ガチガチだったんです。10回ぐらい失敗して、「死にたい……」って思ったもん(笑)。そういう反省材料が日々増えていって、それを何とかしようとボイトレとかしてましたね。

難しいから嫌だっていうのはなかったですね。ただ、みんなそうだと思うんですけど、同じような曲をずっと歌ってたら飽きるじゃないですか? 自分の心持ちやテンションは変わるのに、ずっと同じような曲ばっかりは歌えない。飽き性なところもあるから、変化は欲しかったですね。

自分の中でもいっぱいいっぱいになっちゃって、「これはもう変えないと無理だ」って気づいたんです。合わない人だってもちろんいるのに、用意されたもので何とかしようと思っちゃって。その狭い空間の中でもがいてたときに、ハタと気づいたんです。「自分が変えたいと思うなら、変えたらいいじゃないか」って。そこでやっと「私今まで自主性なかったんだ」って気づいたっていうか。

自分はホントに学ぶことばっかりで、自分が失敗して反省して学ぶこともあるし、人から教わって学ぶこともあります。その中で音楽っていうのはわりと自分と向き合わなきゃいけないから、自分の弱さを知って、反省して学ぶことが多いですね。他のアーティストさんの活動を見ても、自分と向き合って発信してると感じるので、じゃあ自分はどうやってもっといろんなことを吸収して、どうやって大きくなろうかって考えるし、いろんなことを抱えて悩みますね。

事業のテーマとして、生きている人の、特に日本の方たちの環境意識を変えたい、ということがあるので。2020年にはオリンピックが控えていて、その後には万博もあって…人を呼び込むチャンスがたくさんある中で、先進国なのにまだ浸透していない環境意識を感じる部分があるんですね。そういった部分を変革すると、実際に住みやすい街になっていくでしょうし、環境だけに留まらずに、真の豊かさみたいなものを見つけられるのではないかなと思うので。そこを追求していけたらいいな、と。

チャンス自体が多いわけでもないので、自分から掴みに行かなきゃいけないし、主張することも必要になってくる。その思いは今回、オーディションを受けながらでふつふつと自分の中から浮かび上がってきましたね。私が日本でオーディションを受けていたのは17~18歳の頃で、『バトル・ロワイアル』もそうでした。でも、20代になってオファーをいただけるようになり忘れていた感覚――挑戦する、選んでもらう、自分から行くというパワフルな感情を今回、思い出したし、すごく新鮮に感じました。

19歳の時に乳がんが原因で母親を亡くしたことも一つの大きなきっかけになっています。「何が原因だったのか」「何が悪かったのか」と考えて、行きついたのが「衣・食・住」。先月は化学調味料不使用のレトルト食品ブランドをリリースしたので、「衣」の部分で消費者としてただ買うだけではなく、提案する側になりたいと考えました。

芸能活動自体もそうなんですけど、14歳でスカウトされた時は芸能界に全く興味がなかったんですよね。まさかそちら側の人間になるとは当時は思いもしなかったんですが、経済的な理由でこの業界に入ったんです。今回のファッションブランドの立ち上げも「みんながやっているから」という憧れからではなくて、私がやるべき使命があると思ったからです。

とにかく動きまくる。頭もフル回転だし(笑)。でも人には出来る時期と出来ない時期がある。私は「今は種を蒔く時期だ」とか「収穫しなきゃいけない時期だ」といったバイオリズムに則って生きているので、今は「収穫の時期」だと思っています。

私にとっては「着ること」「食べること」「寝ること」は三位一体であって自然なことですが、ファッションはこの3つの中で社会を一番意識する手段だと思います。一人だったら裸でもいいじゃないですか(笑)。人と会うからお洋服を着る。服を着ることは”社会向きの顔”に欠かせないもの。人間にとって人や社会は無くてはならないものなので、その糸口ですね。

人間、第一印象で他人を見てしまう部分はあると思うし、俳優というのはそれを大事にするべきだとも思います。でも、それだけじゃつまらないし、私自身もこれまでやってくる中で飽和状態を感じてました。新しい自分を見たいし、見せたい――実は内向的で、普段、外で見せているのとが違う部分をもっと出してもいいのかな? と思えるようになってきた。『本来の自分』が何なのかよく分からないところもありますが、まさに自分の本質を見つめ直したいという時期だったんだなと思います。

年を重ねるにつれやっといろいろな面でバランスが取れてきたなと自分でも実感しています。仕事を始めたばかりの20代前半のころまでは、自分を守るのに必死で、人に対して殻や壁を作っていたこともありました。自分の理想があっても、まわりと折り合いがつかず、差を感じることも。でも、最近は自分が丸くなったのか、相手の意図を汲み取れるようになってきたからなのかはわからないんですけれど、そう感じることも少なくなりましたね。自己主張して、それが通ったとしても、周囲が納得していないなら、それは幸せじゃないなと今は思うようになりました。まず周りとの調和を考えるようになったんでしょうね。

女優、歌手、会社経営、と今は“三足のわらじ”です。二足までは周りから“大変じゃない?”とかよく聞かれましたが、三足になるとあまり何も言われなくなります(笑)。三足とも周りにいる方たちも違うし、求められることもまったく違うから面白いんですよね。私の性格として、何かひとつに100%と振り切れないんです。たとえば色なら原色も好きだしアースカラーも好き。刺激も静けさもどっちも好き。仕事はもちろん、あらゆることで違うエッセンスがあってこそ、お互いが生きると思うんですよね。

善意で良いことをしても、SNSに何の気なしに載せると偽善だと言われてしまいます。だから書かなくなる。そもそも、他人がわざわざ評価する必要はないのでは? お金を持っていて余裕のある人が、災害時に寄付するのも悪いことじゃない。たとえ自慢だったとしても、その行動が周知できるのだから、私は積極的にするべきだと思う。でも自分だったら、意外と言えないかなぁ…。仕事だったら広められるのに、一個人として、となると、20年この仕事をしていても、まだ悩んでしまう。本当は、皆で共有すべきことなのですが。

成熟した文化と社会は美しい。私、自分より年上の方の話を聞くと、本当に楽しいなと思う。自分が知らない年代の話とか、知識であり知恵であり財産。色々と教えていただきながら、みんなで成長していきたいです。

え?だって、出さないとあふれちゃいません?よく『ストレス発散』ってキーワードとしてありますけど、それに似ている感じがします。目には見えないけれど、外に出さずに抱え込んでしまうと自分が破裂しそうになるから、カラオケ行ったり、人とお喋りしたり、お酒を飲んだりしてバーッと吐き出すことでリセットできる。私にとって、特に作詞は最初からすごく好きでした。人から指示されてやるものでもないし、正解もない。自分の感覚だけでできる世界、替えが効かない作業だと思っています。音楽は私にとって、開放的な気持ちになれる場所ですし。

自分がどういう感覚でいるかによって、集まってくる人が変わってくる。ポジティブだと、ポジティブな人が集まってきて、相乗効果でどんどんポジティブになる。25歳を過ぎたあたりから、そういう心境や人間関係の変化がどんどん起きていて、自問自答で満足していたところから抜け出せた気がします。

つらいことをやろう…やらなきゃいけないんだって思いましたね。行動を起こす時、『楽しそう』と『つらそう』のどちらの気持ちが先行するかというと、いつも後者なんです。でもフタを開けてみると楽しかったという経験はすごく多い。女優という仕事も元々、自分が目立ちたいとか有名になりたいって気持ちは全然なかったし、どちらかというと人前に立って何かをやるって苦手です。でもそれと引き換えに、演じたことを幸せだなと思える瞬間があったり、完成した作品を見て、出演してよかったなと思えたりする。そうやって心が揺れ動くって幸せなことなんだなと思います。

虚勢を張らなくなったし、自分を大きく見せなくなった。前々から人に対して壁を作るところがあったんですけど、それは意味のないことだとわかったので。

舞台に生で立ったら虚勢を張っていてもバレちゃいますから。もちろんハートマークな瞳で見てくれている女の子もいますけど、冷静な目で見ている人は見ているし。そんなお客さんたちを目の当たりにして、壁を作ったり、カッコつけたりしたら、そっちのほうが恥ずかしい。ステージの上で丸裸になっちゃいましたね。まぁ、寝るときに下着をつけるかつけないかみたいなもんです。慣れると何もつけないほうがラク…みたいな(笑)

自分も俯瞰して見れば、周りにばれずに自分を振り返れるから(笑)、そこも作詞の魅力で、初めて書いた詞もすごく俯瞰で見たものでした。ただ、ずっとそうやってきたので、そういうのにも飽きてきちゃって、「もういいや、さらけ出しちゃえ」って、自分の思い出とか心境を投影するようになってきましたね。世間を見ても、自分のことを棚に上げて人のことを批判してる人を見て腹立たしく思ったり、嫌だなって感じるのに、自分も同じようなアプローチじゃよくないなって。「まず、自分をさらけ出していかねば」って、今は思います。

10代、20代と迷いに迷っていたし、抗ってもいましたね。その分、自分を覆う殻も人一倍、分厚かったし、ひとに対する当たりも強かった。弱さゆえにそうせざるを得なかったけど、いまは、そこから一歩進んで、意識が自分自身に対してではなく、外側に向くようになってきたと思います。

これまではどこかで人に頼っていたし、芸能活動は人が構築してくれたところにポンと入るような感じで、受け身だったと思います。でも、これからは自分の居場所は自分自身で作らなければならないというか、心地いい場所を提供する側に回っていくんだなあと思います。

自分がワクワクすること、ときめくことに素直に生きていきたいですね。

柴咲コウとは?(人生・生き方・プロフィール・略歴など)

柴咲コウ。

1981年生まれ、東京都豊島区出身。

14歳の時に友達と池袋のサンシャインシティを歩いているところスターダストプロモーションにスカウトされる。

当時は高校受験を控えており、なおかつ芸能界入りを父親に猛反対されたこともあってすぐには所属しなかった。

高校入学後父の許しを得て所属し、16歳で芸能活動を始める。

当時自身も全く興味がなかった芸能界入りを決意したのは「経済的理由」であった。

現在の芸名は、かわかみじゅんこの漫画 『GOLDEN DELICIOUS APPLE SHERBET』短編集『少女ケニヤ』収録)の登場人物、「柴崎 紅」(しばざき こう)に由来する。

デビューは1998年7月4日に放送された番宣番組『倶楽部6』(TBS)。

1999年放送の日本リーバ(現ユニリーバ・ジャパン)の「ポンズ・ダブルホワイト」の「ファンデーションは使ってません」という台詞のCMで注目される。

以後は映画『バトル・ロワイアル』や『GO』での演技が評価され、数々のテレビドラマや映画に出演している。

特に『GO』での演技は高く評価され、日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞、キネマ旬報ベスト・テン 最優秀助演女優賞をはじめ、その年の映画賞を総なめにし、女優としての地歩を築くこととなった。

歌手活動を始めるきっかけはニッポン放送「グローバーのウラナイ!」での「柴咲コウで、夢の印税生活!!」というコーナーが元であり、デビュー曲の歌詞はリスナーから募集したものだった。

ユニバーサルミュージックから2002年にシングル「Trust my feelings」でデビュー。

2003年、RUI(ルイ)の名義でリリースした映画『黄泉がえり』の主題歌「月のしずく」が100万枚(ミリオン)を超える大ヒット曲となる。

オリコンチャートでは最高位1位、年間チャートでも5位を記録した。

翌2004年には、ドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』の主題歌「かたち あるもの」(最高位2位)が60万枚を超える大ヒットを記録し、年間チャートでもトップ10入りした。

ほとんどの曲は柴咲自身が作詞を担当しており、「影」(最高位2位)や「invitation」など、本人による歌詞は原作の内容をよく理解して作られており、作詞に関する評価も得ている。

主な出演映画代表作は、『バトル・ロワイアル』(2000年)、『GO』(2001年)、『黄泉がえり』(2003年)、『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年)、『メゾン・ド・ヒミコ』(2005年)、『日本沈没』『県庁の星』(2006年)など。

2007年には妻夫木聡と共演を務めた『どろろ』が公開。

同年、コメディ作品である『舞妓Haaaan!!!』で阿部サダヲ、堤真一と共に主演を務め、捨てられた恋人を追いかけて舞妓になるという風変わりなOLを演じた。

翌2008年には主演作『少林少女』、福山雅治とダブル主演の『容疑者Xの献身』が公開。

2007年には福山雅治とのユニットKOH+として、福山と共演した『ガリレオ』の主題歌「KISSして」、2008年には同じく福山と共演した映画『容疑者Xの献身』の主題歌「最愛」をリリースした。

2008年、初のベストアルバム『Single Best』『The Back Best』を2枚同時リリース。オリコン初登場1位を獲得した。

2010年、小川糸の小説を映画化した『食堂かたつむり』で主演を務めた。

2010年、フジテレビ開局50周年記念作品のラストである三谷幸喜脚本の『わが家の歴史』で主演を務めた。

2011年11月23日にはDECO*27とTeddyLoidと共にgalaxias!としてミニアルバムを発売した。

2011年7月号の『音楽と人』で、「甘美な孤独 呟くが如く」という連載がスタートしている。彼女にとっては初の雑誌の連載である。

2013年には『ガリレオ』のスピンオフ作品である『ガリレオ XX(ダブルエックス) 内海薫 最後の事件 愚弄ぶ』で主演を務め、「内海刑事がもっと見たい」というガリレオファンからの要望に応える形となった。

2013年には、自身もファンと公言する名探偵コナンの劇場版『名探偵コナン 絶海の探偵』でゲスト声優を務めた。

また同年には、全編英語の台詞に挑戦した『47RONIN』のヒロイン役でハリウッド映画デビュー。

2014年、劇団ひとりが初監督をして話題となった『青天の霹靂』に出演し、芸人である恋人をあたたかく見守るヒロインを好演した。

主な出演ドラマ代表作は『GOOD LUCK!!』(2003年)、『オレンジデイズ』(2004年)、『Dr.コトー診療所』(2003年・2004年・2006年)など。

いずれも高視聴率を記録した。

特に『GOOD LUCK!!』は最高視聴率37%を記録し、柴咲の影響で整備士を志願する女性が急増した。

2014年8月5日、VOCALOID技術を用い、柴咲コウの声をベースとした歌声合成ソフトウェア「ギャラ子NEO」がヤマハより発売された。

2014年8月27日発売のシングル「蒼い星」より、レコード会社をビクターエンタテインメントへ移籍した。

2015年6月17日、初のカバーアルバム『こううたう』を発売。

2015年『○○妻』で女優歴17年目にして初めて単独での連続ドラマ主演を務めた。

2016年にエンタメ・コマース事業を行うレトロワグラース株式会社を設立、CEOに就任した。

2017年には、第56回NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』で主人公の井伊直虎を演じ、NHKドラマ初出演にして大河ドラマの主演を務めた。

2018年、全世界向けに英語詞の楽曲「Blessing」を制作し、国外活動の際のアーティスト名としてMuseK(ミュゼック)を名乗ることを発表した。

2018年には「衣・食・住」をテーマとし、企画・デザインなどプロデュースを全面的に手掛けたファッションブランド「ミ ヴァコンス(MES VACANCES)」を立ち上げ、プレオーガニックコットンなどを使用した衣類を発売した。このほか化学調味料不使用のレトルト食品ブランドなどを発売した。

2018年7月6日、環境省の環境特別広報大使に任命され、9月19日には同大使として伊勢神宮に「月のしずく」の生演奏を奉納した。

2020年3月31日付でスターダストプロモーションとの「マネジメント業務に関する契約」が満了。4月1日以降は、レトロワグラース株式会社がマネジメントを行う。

2020年3月31日、YouTubeにて「柴咲コウ 公式 ‘Les Trois Graces’ Channel」(通称:レトロワチャンネル)を本格始動した。

「美しく生きる」をテーマにし、「EARTH CONSCIOUS」「LIFE STYLE」「ENTERTAINMENT」という3つのコンセプト軸に自身がプロデュースする企画コンテンツ等を配信。

2020年4月、『エール』で連続テレビ小説に初出演。

2020年9月17日、アウディ ジャパン 株式会社の初となる電気自動車「Audi e-tron Sportback」の発売を記念し、柴咲コウが「Audi e-tron サポーター」に任命された。

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