野沢雅子の「大切な」言葉たち
私だって休みたいときがある。でもそれをやったらダメ。続けることが大事。
今まで数多くの役を演じてきましたが、ガンバとは長くお仕事をさせていただき、ずっと一緒に生きてきたので、私の中ではガンバは分身のような存在です。
現場にいると、最近は若い声優さんが多くなったなぁと感じますね。アニメ番組が増えたからでしょうね。でも、業界にとってはいいことですね。
作品を紹介するとき、宣伝のために「ここのシーンがおすすめです。ぜひ観てください」と言うんですけど、私はあまり言いたくないんです。だって、一番なにかを感じるシーンって観る人によって違うじゃないですか。お客さんの感想を聞いたときに、自分が観て欲しいと思ったところを語ってくれたら成功。そうでなかったら、悔しい!私のなにかが足りなかったんだなと思うんです。
私、わりと役になりきってしまう方なんですけど、アフレコが終わって、スタジオを出るとフっと野沢雅子に戻れる。
気持ち的にはタダでもいいですよね。やりたい役だったら。
(ドラゴンボールとは)私の中では、ごく普通に私の世界と同じ世界という感じですね。別々には考えられないんです。悟空が私と一緒に生きている感じがするので。
いつもそうだけど、私は台本を読まずにアフレコのスタジオに入る。そこで初めて誰と闘うかを知り、「こいつか!」と思う。その方が新鮮でより臨場感が出るような気がする。
最初のころは「声優」といわれるのが嫌なときがあった。昔は「本業は舞台女優です」とか言っていたが、今では胸を張って「声優です」と言える。だって、アニメは日本の文化だし、その文化を担っているのだから。
私に美女の役は回ってこないし、来てもやらない(笑)
(悟空役は)男性の大人では少年の声は難しいのと、少年の声優がいなかったので、回ってきたと思う。
ギネスブックに載るまでやります。皆さんも一緒にアニメを見て、悟空といっしょに戦ってくださるとうれしいです。
私はいい声じゃないから。過保護にしないこと。
自己完結の演技では幅が狭くなってしまいます。さまざまな経験から得たものを咀嚼して自分のものとして消化し、演技に活かす姿勢が大切だと思います。
アニメの仕事はゼロから作れるし、子どもたちに夢を届けられるから大好きです。
いままで演じた作品はみんな憶えていて、一緒に生きている感じ。
役者という生き物は作品ができあがったときの喜びが大きすぎて、それまでの苦労を忘れてしまうものなんですよ。
野沢雅子とは?(人生・生き方・プロフィール・略歴など)
野沢雅子。
3歳の時に子役として映画デビュー。
父が尾瀬を描いた作品で日展に入選、その縁で群馬県に移り住み小学3年生から高校卒業までを過ごす。
中学の時に劇団に入り、学校が休みになると東京で女優の仕事を行うという日々を送る。
高校は群馬県立沼田女子高等学校に在学。
高校生時代は、バスケットボール、陸上競技、ソフトボールなどのスポーツに励む生徒だったという。
高校卒業後、上京し本格的に芝居に打ち込むようになる。
また、劇団の経営を支えるため、10代の終わり頃には声優業も始める。
アニメデビュー作は、『鉄腕アトム (アニメ第1作)』のゲスト出演。
初主演作は『ゲゲゲの鬼太郎(第1作)』(鬼太郎役)となる。
1979年、青二プロダクションの分裂騒動の際には、創設メンバーの一人でありながらぷろだくしょんバオバブの設立に関わった。
その後81プロデュースに移籍。
長きに亘って在籍したが、2006年4月1日に「オフィス野沢」を設立し独立した。
2006年4月1日に「オフィス野沢」を設立し独立した。
2012年4月1日より青二プロダクションに復帰、同年4月30日にオフィス野沢を廃業した。
2013年、第7回声優アワード「功労賞」を受賞。
2014年、東久邇宮文化褒賞を受賞。
2017年1月31日、バンダイナムコエンターテインメントの「ドラゴンボール」関連のゲームで主人公・孫悟空の声優として「ひとつのビデオゲームのキャラクターを最も長い期間演じた声優」「ビデオゲームの声優として活動した最も長い期間」の2項目でギネス世界記録に認定。
また、同年5月16日には、前年に短編アニメ映画『風のように』で主人公・三平役を演じたことから、第26回日本映画批評家大賞のアニメーション部門声優賞を受賞。
2018年、長年の声優活動を通じて児童文化の向上や普及に努め健全育成に貢献してきた実績が認められ、「平成30年度 児童福祉文化賞 特別部門」を受賞。
声優としての代表作に『ゲゲゲの鬼太郎』(鬼太郎)、『いなかっぺ大将』(風 大左衛門)、『ど根性ガエル』(ひろし)、『銀河鉄道999』(星野鉄郎)、『ドラゴンボール』シリーズ(孫悟空、孫悟飯、孫悟天)、あらいぐまラスカル(ラスカル)、怪物くん(怪物太郎)、釣りキチ三平(三平三平)、プロゴルファー猿(猿丸)、トム・ソーヤーの冒険(トマス・ソーヤー)、ガンバの冒険(ガンバ)など。