SBIグループ創業者、北尾吉孝:リーダー4要件とは?

SBIグループ創業者、北尾吉孝:リーダー4要件とは?

リーダー4要件とは?

北尾吉孝/SBIグループ創業者

 

 

リーダーとは以下4点が要件として挙げられると思います。

 

一つの(理想を目指し到達しようとする心)を描き、その志を共有して行く仲間達が存在する。

その共通目的の実現のために集った仲間達から、その能力や手腕あるいは人格等により指導者という形で仰がれる。

その目的を成功裏に成し遂げるべく、目標達成に対する誰よりも強い意志と熱意を有する

その仲間達全てと会社組織に対しても透徹した責任感と犠牲的精神といったものを持つ。

 

 

北尾吉孝とは?

 

 

北尾吉孝。

北尾 吉孝。
SBIグループ創業者。

1951年1月21日生まれ、兵庫県出身。
1969年、兵庫県立神戸高等学校卒。

1974年、慶應義塾大学経済学部卒、野村證券株式会社入社し、総合企画室へ配属。
1978年、ケンブリッジ大学経済学部卒、野村證券株式会社海外投資顧問室へ。
海外キャラバン隊員として、オイルダラーに潤う中東諸国に日本株を売り歩いた。

1982年、同ニューヨーク拠点(NSI)、同第二事業法人部次長となる。
世界最大の投資機関、フィデリティとの間で800億円の商談をまとめた。

1989年、ワッサースタイン・ペレラ社常務取締役(ロンドン)に就任。
1991年、野村企業情報株式会社取締役(兼務)就任。

1992年、野村證券株式会社の事業法人三部長に就任。
1995年、野村證券がソフトバンクの株式公開を担当したことが縁でソフトバンク株式会社の孫正義に出会い、スカウトされ、ソフトバンクへ入社。

当時店頭公開したてのソフトバンクにおいて、北尾氏は新方式による500億円の社債発行。
さらに、1,697億円の増資も敢行、約3年間で合計4,878億円を市場から調達した。

ソフトバンクは、これらの資金でコンピューター見本市運営会社のコムデックス(800億円で買収)のほか、ジフ・デイビス社などを買収、米ヤフーへの出資(100億円)など大型M&Aを実現していった。

1999年、 ソフトバンク・インベストメント株式会社(現・SBIホールディングス株式会社)代表取締役社長CEO。
その後も、金融サービス会社、モーニングスターを設立、証券部門では、イー・トレードという持株会社を作り、その下にイー・トレード証券、ドリームサポート(広告代理業)、イー・コモディティ(商品先物取引)を立ち上げ、わずか3年の間に44社の金融関連企業グループを創り上げた。

2005年、財団法人SBI子ども希望財団 理事。
2008年、SBI大学院大学 学長。

孔子や孟子の教えなどの中国古典に精通していることでも知られる。

 

【主な著書】『「価値創造」の経営』、『E-ファイナンスの挑戦』(Ⅰ・Ⅱ)、『不変の経営・成長の経営』、『進化し続ける経営』、 『北尾吉孝の経営道場』、『逆境を生き抜く名経営者、先哲の箴言』、『北尾吉孝の経営問答!』、『人物をつくる』、『中国古典からもらった「不思議な力」』、『何のために働くのか』、『君子を目指せ小人になるな』、『安岡正篤ノート』、『森信三に学ぶ人間力』、『日本人の底力』、『ビジネスに活かす「論語」』、『日本経済に追い風が吹いている』、『仕事の迷いにはすべて「論語」が答えてくれる』、『出光佐三の日本人にかえれ』、『強運をつくる干支の知恵』、『実践版 安岡正篤』、『修身のすすめ』、『成功企業に学ぶ 実践フィンテック』など多数。

 

厳選!北尾吉孝の珠玉名言

 

 

企業に投資をする際、私はその企業の後継者や右腕といった「二番手」の存在を重視します。事業の永続性を担保したいという意向もありますが、本当に確認したいのは、「二番手」になれるような人が惹きつけられるほどの志と人間的魅力がその企業の経営者にあるのか、という点です。

 

 

多くの人々は、人を見る時に美点凝視せず、あら探しをしますが、大切なのは長所を見抜くことです。ノーベル賞受賞者がサラリーマンとして働いたら、力を発揮するかはわかりません。それぞれの才能を見極めて、適材適所に持っていくことが重要です。

 

 

私は海外で10年間過ごしましたが、そこでの生活を通して学んだことは、髪の色や肌の色が異なっても、人間性は全く変わらないということです。人間として生まれてきた以上は、喜怒哀楽は一緒です。人間としての根幹が同じだと思うことは、相手の考えを理解しようとすることにつながります。

 

 

私はこのSBIグループをつくる時に、コーポレートミッションとして「自己否定、自己変革、自己進化」を挙げました。決して成功体験にあぐらをかいてはいけない。今ある自分を、現在の環境と照らし合わせて否定し続けなさい。そして時代を先取りし、進化し続けなさい、と。この原則を、まさにグループのDNAとして、最も大事なものとして、社員に徹底して説き続けています。

 

 

経営においては、日々、判断に迫られます。早く判断することはもちろんですが、それ以上に大事なのは、「正しい判断をする」ことです。教養を身につけることが、判断をする上で非常に大事になってくる。そして、その判断がブレないということも、また大事。今日は右、明日は左と方向がブレるようでは、部下もどちらに向かって進めばいいのかわかりません。そこで、ブレないために一つの規範、物差しが必要になる。

 

 

人間世界には、自分の力ではどうにもならないことがあります。これをどうとらえるのかが問題です。「どうせ努力してもムダなんだ」と考えるのか。あるいは「これも天命だ。むしろこのほうがよかったのだ」ととらえて残り10%のために力を尽くすのか。「人事を尽くして天命を待つ」という言葉の通り、我々にできることは人事を尽くすことだけです。あとは天命が下るのを待てばいいのです。

 

 

私にとって、ブレないための規範・物差しは中国古典です。中国古典で重視される「信(そのことで社会の信頼を失うことはないか)」「義(本当に社会正義に照らし合わせて正しいか)」「仁(十分に他の人のことを思いやっているか)」のシンプルな3つの漢字を判断の物差しとしています。こういう規範を自分の中に育てておくことで、より正しい判断に近づくことができる。

 

 

イー・トレード証券(のちのSBI証券)を始める時、手数料をオンライン証券の中で一番安くしました。当初は赤字だったので大損すると周囲から反対されましたが、踏み切った。そうしたところ、顧客から圧倒的な支持を集めた。そうなると多くの顧客を満足させなくてはいけないので、商品の品揃えを充実させたり、サーバーの数を増やしたり、システムをより堅固なものにしないといけない。こうしてサービスの質がどんどん改善されていきました。量があるために、質を必然的に向上させなくてはいけないのです。こうして量と質が好循環の中で伸びていく。

 

 

歴史に学ぶことによって、どうやったら国が栄え、滅びるのか。時の皇帝の在り方が国を栄えさせたり、滅ぼしたりするのだなと。中国古典を読むと、そういうことがよく分かります。王朝が生まれ、廃れる原因は何か。チンギスハーンはどうやって広大な大帝国を築くことができたのか。そうしたところから、組織を成功的に運営するにはどうしたら良いかが掴めるのです。アライアンスを組むときにどういう組み方をすればいいかなどのヒントもあります。

 

 

世界を見渡しても、先進国で日本ほど金融リテラシーに欠けている国はない。義務教育の段階で金融について勉強する機会はほとんどなく、社会に出てからも勉強不足のまま。これでは、お金のことで不安になって当然です。だからこそ、年代を問わず、お金の勉強を始めるべきです。株式、債券といった金融商品や経済の基礎を学び、投資にはどんなリスクがあって、どんなメリットが期待できるのかを把握する。大切なお金を託すものだからこそ、プラスとマイナスの両面をしっかり理解しておくべきです。

 

 

一番大切なのは、「お金について、他人と比較しない」ことです。私たちは、つい自分と他人とを比べて一喜一憂してしまうものですが、そこに固執してもいいことはありません。お金について比べることを一切やめ、「自分は自分」と主体的に考えて、仕事に邁進する。特に若い頃は仕事に集中して、ビジネススキルを上げていくことが大事です。「他の人と比較しない」ように、自らを律するべきです。

 

 

失敗したときは失敗が常だと思うこと。失敗が常で成功はせいぜい1割か2割だと思っていればいいんです。失敗するのが当然だと思っていれば、失敗してもあまり落ち込まないですむ。失敗が当たり前だと思えば、「策に3策あるべし」と、事前に失敗した時のことを考えるようになる。そうすると失敗しても、何がいけなかったかを分析し、次の策にとりかかることができる。それとできるだけポジティブに考えることも大事です。

 

 

そもそも世俗的な成功を自分の目標にすることが間違っている。正しいことを積み上げていくと、結果として人から愛される。心の憂いがなくなる。そういうことで人生幸せに生きられればそれでよし。それなのに自分が世俗的な意味で成功しないことを悲観していると、心の憂いが晴れることはない。だから世俗的なものは天の配剤だと思って、やるべきことを淡々と一生懸命やる。そして周りの人から信用され、家族から敬愛される人間になる。それが一番の成功です。

 

 

 

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