常識の反対語とは?
元榮太一郎/弁護士ドットコム創業者
私は、「常識の反対語は成功」という言葉を大切にしています。
常識の反対は「非常識」ではなくて、「成功」なのです。
この言葉に至るまで、何度も仮説→実行→検証のPDCAを回してきました。
その中で、何度も成功体験を積み重ね、この仮説が少しずつ確信へと変わっていきました。
「常識の反対語は成功」であることに気がつくと世間体が気にならなくなりますよね。
成功する人が100万人に1人しかいないと考えると、99万9,999人と違う生き方をしないと成功できないということになります。
成功者はいつだってスーパーマイノリティです。
成功する前の出始めの頃は、多数決で負けて当然なのです。
それがわかるともう気が楽になるはずです。
元榮太一郎とは?
元榮太一郎。
日本の弁護士、「弁護士ドットコム」創業者。
1975年:米国イリノイ州エバンストン市に生まれる。
1978年:家族とともに帰国。神奈川県藤沢市に居住。
中学校の時に家族とともにドイツに移住。高校の時は単身帰国し、神奈川県立湘南高等学校に進学。
1998年:慶應義塾大学法学部法律学科を卒業。
1999年:旧司法試験に合格(第54期司法修習生)。
2001年:第二東京弁護士会に登録。
2001年:アンダーソン・毛利法律事務所(現:アンダーソン・毛利・友常法律事務所)に入所。M&Aや金融など企業法務を専門としていたが、2005年に退所し、独立して法律事務所オーセンスを開業する。
2005年:オーセンスグループ(現・弁護士ドットコム)を設立、現在法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」、税務相談ポータルサイト「税理士ドットコム」を運営。
2014年:日本初の弁護士兼代表取締役社長による東京証券取引所マザーズ市場上場。
2016年:第24回参議院議員通常選挙に千葉県選挙区から自民党公認候補として立候補し、得票数2位で初当選。
2017年:弁護士ドットコム株式会社代表取締役会長就任。
厳選!元榮太一郎の珠玉名言
大前さんからは、「これはおもしろい。必ず時代がくる。頑張りたまえ」とおっしゃっていただきました。「やっぱりそうなんだ!」と自信を持つことができた瞬間でしたね。本を読むといった学びも重要ですが、「これだ!」と思ったら飛び込む。学びにおいても、自分の心に素直に耳を傾けていくことが大切なのでしょう。大前さんから激励コメントをいただいたのが2005年7月31日。その1カ月後である、8月31日には弁護士ドットコムのサービスをリリースしました。
今はSNSが活発な時代なので、本気を出せば集まるものです。1番大切なのは、どういう旗を立てるかだと思います。私は、「弁護士を身近にする!」という旗を立てました。
起業を考えたのは、楽天が某ネット証券会社を買収する案件を担当した経験をしてからです。上場直後の楽天の人たちはアグレッシブで、自分たちが時代をつくっていくのだという気概に満ち溢れていました。社長の三木谷浩史さんのことも調べて、起業家という人生があるのかと衝撃を受けました。
インターネットは他メディアでは考えられないほどの伝播力を持っており、放置すれば、猛烈なスピードで、きわめて広範囲に情報が伝わっていく。一方で、自社の名誉毀損に当たる文言を見つけた際に大騒ぎをするのも禁物です。騒げば騒ぐほど内容の拡散に拍車を掛けるからです。インターネット上の名誉毀損に対しては、「速やかに、密やかに」対応することが肝心。
「悪事千里を走る」。この格言どおり、悪い評判はすぐに世間に知れ渡るものです。もちろん、企業としては、自社の悪評の拡散は是が非でも避けたいところです。ですが、匿名性の高いソーシャルメディアの普及により、最近では、名誉毀損や誹謗中傷に類する風評が増えつつあり、時にはそれによって会社が倒産に追い込まれるケースもあります。
弁護士こそポジティブな感情を大事にすべき。法律を駆使してトラブルを解決しても、依頼主は100%満足とは言えない。我々弁護士が頭の中では冷静な状態を保ちつつ、依頼主への態度では「一緒に解決しましょう!」という熱い感情や共感を全面に打ち出す。そうして初めて、依頼主の満足度向上につながるんです。
訴訟で情報漏洩の損害賠償請求が認められるか否かは、その情報が秘密として適切に管理されていたかどうかが重要なポイント。実際、営業秘密に関する民事訴訟の64%が棄却判決を受けており、棄却理由として最も多いのが、「秘密管理の不徹底」です。
私は孫正義さんの「時代を読んで、仕掛けて、待つ」という言葉が好きでした。これは、世の中に事業を生み出していく成功の要諦だと思います。まさに私自身が「弁護士を取り巻く世界が大きく変わる」と時代を読んで仕掛けていましたので。赤字のときは、「今は時代を読んで仕掛けている最中だ」と言い聞かせ、「弁護士が身近になると多くの人が必ず喜んでくれるはず」ということを信じ続けました。
「前向きさ」「素直さ」「粘り強さ」の3つが重要ですね。これは、起業にかかわらずどんなことでも達成できる3つの条件だと思っています。私自身、弁護士になるときも、起業するときも、2016年に国政に進出するときも、この3つを徹底することだけを考えていました。そうしていると、どんな苦労に直面しても自然と道が拓け、乗り越えることができたんです。
多面性を持つことは、事業にも有効だと考えています。多面的な自分の掛け算をしていくことで、自分にしか持てない感性が生まれてきますから。同じ事実を見ても、感じ方が他者とは全然違ってくるわけです。掛け算が増えていけばいくほど、同じ世の中に生きていても、他とは違う競争力を持つことができると実感しています。
やはり「差別化」の時代になっていくと思います。みんなと同じ生き方よりも、「どうやって人と違う味を出せるのか」ということに集中していくことによって、代替性のないビジネスパーソンとして市場価値を身につけられると思います。そのためにも、個性や差別化を意識し始めた方がいいのではないかと思います。
「正解を選ぶのではなく、選んだものを正解にする」ことが大事です。どんな挑戦でも選んだ以上、無理やり答えにする。人生に答えはない、答えに「する」ことしかないんです。
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