蒼井優の「大切な」言葉たち~蒼井優の名言・人生・生き方など~



蒼井優の「大切な」言葉たち

バレエをやっていたので、真ん中で踊る人がどれだけ大事かは理解していました。真ん中で踊る人のレベルが低いと、全てが下手に見えてしまう。だから普通は一番上手な人が真ん中で踊るんです。でも映画では、わたしは役柄的に真ん中で踊るわけで……。みんなは練習をしているのですが、わたしは物語の撮影があって、なかなか一緒に練習ができない。そのプレッシャーはすごかったです。夜中まで撮影して、ホテルに帰ってきて、一人部屋で練習するわけです。そんななか、ふとカーテンをあけて何度真っ暗な夜道を逃げ出してしまおうと思ったか(笑)。

高校卒業後にちょっといろいろこじらせてしまって(笑)、仕事には行くけど、プライベートは引きこもりみたいな時があったんですよね。親友が一人いたんだけど、その親友も高校を卒業したら地元の福岡に帰っちゃったんですね。高校3年間、その親友とずっと遊んでしまったがために、新しく友達を作る方法がわからなかった。それでひたすら映画を見たり本読んだりっていう時間を過ごしていたから、仕事場に行ってもどうやって人と話していいのかわからない……みたいな人間だったんです。

自己評価が定まっていなかったからだと思うのですが、もう30になるのに何もできていないと自己嫌悪に陥ったり、外部の評価に過剰に反応したり。子供の運動会でお父さんが張り切って走って肉離れを起こすことがありますが、あれをまさに自分の人生でしてしまった感じです。昔はできていたという残像にすがって突き進もうとしていた。冷静に考えると大したことではないのですが、当時は深刻に受け止め、何かいつもモヤモヤとしていました。

これはもう私が30代になってしまったから言えることかもしれないけれど、そういう時期も過ぎ去ってみたら、不思議と『ああ、悩んだりグズグズしておいて良かったなあ』って思えるものなんです。だから20代後半の女性たちは自分が“第2思春期”だってことを認めて受け入れちゃった方がいい。無理に目をそらそうとするのではなく、こじらせている自分に自覚的になる。と言うより、むしろ『これがこじらせるってやつか……!』っていうぐらい状況を楽しんじゃった方がずっと楽になれると思う。そうやってこじらせるだけこじらせたら、あとはもう前に進むしかないし、何より時間は勝手に進んでいくものなので、時が来れば自然と気持ちが軽くなると思います。

本気で好きになると、どこまでも突き詰める性分ですね。その次は、かき氷にハマったんですけど、全国津々浦々、海外までも美味しいかき氷を求めて歩きました。あげくに、家でも美味しいかき氷が食べたくて、お店用のかき氷器を購入もして。老舗のかき氷店に置いてあるような、機械に油をさして使う巨大な機械です。

眠らなきゃという義務感で眠るのが苦手みたいで、好きな趣味に没頭して、へとへとになって気を失う寸前に眠るのが理想です。撮影期間は、さすがに36時間リズムでは生活できないけど。仕事で深夜に疲れ切って帰ってきても、少し趣味に触れたい。お花ひとつぶんの刺繍をしたり、宝塚や『アンジュルム』のDVD をしばし観てから、眠ります。偏愛しているものに触れて1日が終わったら、どんな日もとても幸せに感じられるから。偏愛のある毎日は、オススメです。

どういう仕事をしていても、仕事をしていなくても、自分の人生においての身の丈を知ってる人が一番素敵だと思う。世界で活躍してる人も、専業主婦をしてる人も、スーパーで働いてる人も、自分の環境で幸せを感じることができる人が一番格好いいし、一番幸せなんじゃないかな。男性でもそうだけど、人と比べずに自分の人生に集中してる人が好きです。今はネットとかで情報が溢れてる分、みんなが人の人生について興味を持ちすぎちゃってますよね。

好きなものを持つってエネルギーがいることだと思うんです。好きより嫌いになるほうがラク。何かを批判したり、誰かに悪意を持つことの方がエネルギーを使わずに済むと聞いたことがあって。今は、SNSもあって、批判する人の声の方が大きく感じられるけど、そこで自己主張しても楽しくないし、負の感情で人とつながってももろいですよね。一方で、偏愛とか好きでつながる関係は、ずーっと楽しくて平和。だから、エネルギーを消費してでも、すごく好きなものをたくさん持てたらいいなと。

自分の人生に焦ってもいけないなと。ただ、ゴールは死と決まっているから、後何十年という時間でここで自分は何を経験したいのか、そこに集中していたらあっという間に人生は終わっていくと思うんです。何も、格好よく華々しく死ぬ必要もないですし。従業員を何百人も抱えるような華々しい人生を送りたかったらそのために頑張って、そうすればいいと思うけど。私はそういう人生は身の丈に合わないと思うから。こうやって自分の考えをちゃんと自分の言葉で話せるようになってから、すごく人生が楽になったんですよね。私もそうだったけれど、みんな何者かにならなきゃいけないと思ってるから。でもなったところでどうせいつかは死ぬんだし(笑)。勲章は燃やされちゃうだけだし、そう考えるとどんな人生も楽しいと思えるから。

悩んでいる途中で、いいように解釈して悩み続けるのを回避して……ということは、応急処置としてはいいかもしれないけれど、あくまで応急処置でしかなくて。膿は除かなければいけないし、まっすぐ傷口と向き合うという作業を怠ると、のちのちダメになっていくと思うんです。悩むだけで終わったらただの感情の話だから、悩んだうえで、考える。自分なりの答えを出して次に行く、ということは私も常にやっていたいなと思います。

『寂しい』って思った瞬間に、それを『退屈』って言葉に置き換えちゃうんです。『寂しい』も『退屈』も、中身はそんなに変わらないのに、『寂しい』だとどうしても内にこもっちゃう。でも、『退屈』だったら自然と、『じゃあ何をしようかな』って前向きな発想に切り換えることができるじゃないですか。些細なことのように思えるけど、意外と人って言葉に飲み込まれてしまうものだから。大体、『寂しい』なんて思っているときに限って、余計な行動をしちゃうものなんです(笑)。『退屈』と思えば、まだいくらか楽観的になれる。自分を悲劇のヒロインにしないことは大事だと思います。

何も怖くないし、いろんなものを手放すことに対しての恐れもないです。今はちょっといい暮らしをしているけど、これを一生続けようという気もないし、そのときどきの自分に見合った生活を楽しむ覚悟さえあればいいかなと。だって、宝石持ってても仕方ないでしょ?と私は思うから。

今の自分は完璧だと思っていたら、もしかしたら昔の自分を受け入れられないかもしれないけれど、今の自分はたいしたことないって思ったら、昔の自分は許容範囲でしかないですよね。

人に認めてもらうことよりも、自分を認めてあげることのほうがすごく難しいことに最近気づいたんです。自分が一番、自分の汚いところだったり、ダサいところも知っていますから。それでも……いつか「自分に生まれてまんざら悪くなかったな」って思いたい。そのためにはやっぱり、いろんな人と話すってことがすごく必要なんです、私にとっては。

私は人の人生に興味を持ってる時間はないと思ってるんですよね。誰が誰と何していたとか誰が何を言ったとか、それって自分の人生に絶対関係がないことだから。その情報を入れてる時間があるならもっと自分がワクワクする情報を入れたら、いい人生だったなと最終的に思えると思う。

「誰を好きか」より「誰といるときの自分が好きか」。

蒼井優とは?(人生・生き方・プロフィール・略歴など)

蒼井優。

イトーカンパニー所属。

福岡県出身。

夫は南海キャンディーズの山里亮太。

1999年にミュージカル『アニー』のポリー役でデビューした後に、自ら現在の事務所に応募。

2000年から2002年まで新潮社の雑誌『ニコラ』でレギュラーモデルを務める。

2001年に『リリイ・シュシュのすべて』で映画に初出演。

2002年に「三井のリハウス」の10代目リハウスガールに選ばれ、2003年に『高校教師』で初めて連続ドラマにレギュラー出演。

鈴木杏とW主演を務めた『花とアリス』は、2003年にネット配信されて2004年に劇場公開。

2004年2月に堀越高等学校を卒業して日本大学藝術学部に入学するも、中退して俳優業に専念。

2005年に7本の映画出演作が公開され、『ニライカナイからの手紙』で初主演。

2006年に出演映画『蟲師』が第63回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に選出。

第11回釜山国際映画祭のスターサミットアジア20006で、市原隼人、香椎由宇らと共にカーテンコールの1人に選出。

映画『鉄コン筋クリート』、劇場版アニメ『ミヨリの森』、『いけちゃんとぼく』などで声優も務める。

2006年度は映画『フラガール』などの演技が認められ、第30回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、第49回ブルーリボン賞主演女優賞をはじめ多くの映画賞を授賞。

2008年、『おせん』で連続ドラマ初主演を果たす。

2010年に、『龍馬伝』で元役を演じ大河ドラマに初出演し、映画『 おとうと』に出演た。

2017年に第30回東京国際映画祭で、1985年生まれの満島ひかり、宮崎あおい、安藤サクラとともにオープニングイベントのレッドカーペットに登場。

この年に公開された主演映画『 彼女がその名を知らない鳥たち』で第41回日本アカデミー賞や第91回キネマ旬報ベスト・テンなど主演女優賞を多く授賞。

2018年にヒロイン役で出演した『斬、』が、第75回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に選出。

主演舞台『アンチゴーヌ』と『スカイライト』での演技が評価され第53回紀伊國屋演劇賞、第26回読売演劇大賞最優秀女優賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。

2019年6月3日に南海キャンディーズの山里亮太と入籍。



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